■見分けのチェックポイント
図版は,亜終齢幼虫である.羽化殻全長37mm前後で終齢幼虫全長は32mm前後.触角は7節よりなり,短く糸状.下唇側片の先端部は深く切れこみ歯列をなす.側刺毛は4本,腮刺毛は7-10本.下唇中片前縁中央の一対の突起は,外側に向かって尖る.翅芽はハの字に開く.側棘・背棘ともにない.肛上片・肛側片ともに先がするどく尖り,ほぼ同長.尾毛は短い.
■分布と類似種
西表島にのみ分布する.西表島には他のミナミヤンマ属の種はいないので,実質上同定に問題はない.オキナワミナミヤンマを除いて,ミナミヤンマ,カラスヤンマ,アサトカラスヤンマと,形態的に区別することは困難である.
■生態
樹林で覆われた,川幅1m前後の,比較的急な流れに生息している.大きな岩の下流側の陰で,1cm程度の礫を含む砂礫堆積物の表面を水が浅く流れているような所に隠れている.これはミナミヤンマ幼虫が見つかる環境とほぼ同じである.