トップ写真の解説
アオハダトンボは,兵庫県でもかなり少なくなってきていますが,比較的きれいな流れにはまだ生息しています.メスはたいがいオスに見守られながら産卵をしています.このメスも,少し離れたところにオスが止まっていました.この川では産卵活動が始まるのが比較的早いです.普通は6月中旬が見ごろになります.
植物組織内産卵.2010.5.20.
成虫
通常5月上旬から中旬にかけて成虫が現れ始めます.7月に入るまでその姿が見られますが,ハグロトンボの増加とともに,次第に姿が見られなくなってきます.メスは,流れに漂う水生植物に,単独で植物組織内産卵を行います.時に潜水産卵も見られます.
中流域に生息するカワトンボ科3種,ニホンカワトンボ,アオハダトンボ,ハグロトンボのうち,環境悪化によって姿を消すのは,まずアオハダトンボ,次いでニホンカワトンボ,そして最後まで残るのがハグロトンボという順序だということを,私はこれまで河川のトンボ調査で実感しています.神戸市においても,アオハダトンボは1959年以来採集されていませんし,ニホンカワトンボは北区のごく一部にしか生き残っていません.それに対しハグロトンボはまだ各地でみられます.
これらは同じ川の中流域に生息していますが,現れる季節が微妙にずれて競合を避けています.3種がともに生息する河川では,まず春一番に現れるのがニホンカワトンボで,4月下旬から姿を見せはじめます.これが5月の下旬になると数が減ってきて,そのころから徐々にアオハダトンボが目だつようになってきます.そして夏が近づいたと感じられる6月下旬から7月に入ると両種が一緒にみられる時期が少し続いたあと,ハグロトンボ一色になります.
中流域に生息するカワトンボ科3種,ニホンカワトンボ,アオハダトンボ,ハグロトンボのうち,環境悪化によって姿を消すのは,まずアオハダトンボ,次いでニホンカワトンボ,そして最後まで残るのがハグロトンボという順序だということを,私はこれまで河川のトンボ調査で実感しています.神戸市においても,アオハダトンボは1959年以来採集されていませんし,ニホンカワトンボは北区のごく一部にしか生き残っていません.それに対しハグロトンボはまだ各地でみられます.
これらは同じ川の中流域に生息していますが,現れる季節が微妙にずれて競合を避けています.3種がともに生息する河川では,まず春一番に現れるのがニホンカワトンボで,4月下旬から姿を見せはじめます.これが5月の下旬になると数が減ってきて,そのころから徐々にアオハダトンボが目だつようになってきます.そして夏が近づいたと感じられる6月下旬から7月に入ると両種が一緒にみられる時期が少し続いたあと,ハグロトンボ一色になります.
産卵するメスに求愛を仕掛けるオス.2013.6.13.
幼虫
アオハダトンボの幼虫はハグロトンボの幼虫とよく似ており,ほとんど区別がつきません.しかし兵庫県下では,4月下旬から5月上旬にかけて終齢幼虫になっているものの多くはアオハダトンボです.メスの場合は,翅芽の中の気管が,偽縁紋になる付近で屈曲していて,ハグロトンボと区別できます.また翅芽後縁部の曲線がハグロトンボより丸みが強くなっています.ツルヨシの根際などにしがみついて生活しています.幼虫で冬を越し,春には終齢になっているようで,おそらく一年一化の生活史を営んでいます.
スタジオ写真.2009.4.29.