トップ写真の解説
春には,サナエトンボ類やムカシトンボを観察しに源流域によく出かけます.そこには必ずといってよいほどアサヒナカワトンボがいます.オスもメスも混じって生活しているのですが,どういうわけか産卵シーンにお目にかかれません.この写真を撮ったときから15年以上も前に見たきりなのです.実は,この少し前の日に,久しぶりにアサヒナカワトンボの産卵を観察できたのです.それは次のようないきさつでした.
沢を歩いていると,ときどき足元からアサヒナカワトンボのオスがメスを追うように飛び立ちます.いつものことかとあまり気に留めませんでしたが,シコクトゲオトンボのことをふと思い出しました.このトンボのメスは非常に敏感で,少しの物音で産卵を止めて飛び立つのです.兵庫県のアサヒナカワトンボの透明翅型オスはメスを警護します.だから足元から飛び立ったペアはきっと産卵中のペアに違いないと考え,飛び立ったメスが近くに止まった後,じっと待つことにしてみました.約10分後,こちらのねらい通り産卵を再開したのです.
こういう知見を得てから,雨上がりの午後久しぶりにアサヒナカワトンボの観察を目的に,河川の上流へ出かけました.この日は容易に産卵を観察に成功しました.行動パターンを知ってしまえば,産卵の観察も簡単になりました.たくさんの警護付き産卵を観察しましたが,このペアはオスがメスを警護しているのがありありと見えるような位置関係で止まっています.
沢を歩いていると,ときどき足元からアサヒナカワトンボのオスがメスを追うように飛び立ちます.いつものことかとあまり気に留めませんでしたが,シコクトゲオトンボのことをふと思い出しました.このトンボのメスは非常に敏感で,少しの物音で産卵を止めて飛び立つのです.兵庫県のアサヒナカワトンボの透明翅型オスはメスを警護します.だから足元から飛び立ったペアはきっと産卵中のペアに違いないと考え,飛び立ったメスが近くに止まった後,じっと待つことにしてみました.約10分後,こちらのねらい通り産卵を再開したのです.
こういう知見を得てから,雨上がりの午後久しぶりにアサヒナカワトンボの観察を目的に,河川の上流へ出かけました.この日は容易に産卵を観察に成功しました.行動パターンを知ってしまえば,産卵の観察も簡単になりました.たくさんの警護付き産卵を観察しましたが,このペアはオスがメスを警護しているのがありありと見えるような位置関係で止まっています.
オスによる警護つき産卵.2016.5.7.
成虫
メスは主に朽木に産卵します.兵庫県下では,産下された卵はその年のうちに終齢幼虫にまで成長をし,翌春羽化するとみてまちがいないでしょう.成虫は7月に入るころまで見られますが,5月がもっとも個体数が多くなります.兵庫県では,写真のように,ごく一部の地域で翅に色がつくアサヒナカワトンボのオスが見られます.
木漏れ日に止まる橙色翅型オス.2011.5.15.
幼虫
幼虫は,植物の根際や,落ち葉の間に潜り込んで生活しています.ニホンカワトンボと形態が似ていますが,一回り小型で,尾鰓の先の角が円いのことで区別します.羽化殻の発見は意外と難しく,一度大きな岩の下面についているのを見つけたことがあります.
スタジオ写真.2009.4.19., 兵庫県神戸市産.