神戸のトンボたち
K007. アサヒナカワトンボ Mnais pruinosa
透明翅型♂♀の警護産卵.2016.5.7.,神戸市兵庫区.
透明翅型♂♀の警護産卵.2016.5.7.,神戸市兵庫区.
 神戸市では谷筋を流れる河川の上流域にいけばどこでも普通に見られるカワトンボです.記録は,北区,西区,須磨区,兵庫区,中央区,灘区,東灘区にあります.道路横を流れる細流のようなところや,湿原でも観察できます.また,高山植物園のように標高800m以上ある人工的細流にも見られます.
 神戸市で採集される個体は今の所,原則として透明翅型(とうめいはねがた)オスと透明翅型メスの2型のみですが,市内で一ヶ所だけ黄色翅のオスが見られる場所があります.北区の山中では非常に小さなオスを採集しています.腹長36mm,後翅長31mmで,「日本産トンボ大図鑑」では(ニシ)カワトンボのオスは腹長37〜48mm,後翅長30〜40mmと記されていますので,ぎりぎり範疇(はんちゅう)にはいるものです.また,成熟したオスの腹部に吹く白粉のつきかたについては,腹部全節に広がる個体,腹部1〜3節と8〜10節にのみ白粉を吹く個体の両方が見いだされます.