トンボ歳時記
No.060. 丹波市の川に立ち寄って... 2009.5.23.

今日は,クロサナエやヒメクロサナエを探しに出かけましたが,現地付近は朝のうち曇っていたために,ひとまず丹波市の河川中流部へ出かけてみました.

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▲10年前アオハダトンボが多数群れていたころの川の状態

まずは,10年ほど前アオハダトンボが無数に群れていた加古川の一つの支流の状態を見に行きました.上の写真のように,ここは本当に水がきれいで,天気のよい午前中,アオハダトンボの行動を観察しながらここで過ごした日のことが忘れられません.

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▲川の状態.水生植物にアオミドロが絡みつきそれが汚れた感じになっている.

しかし,ここは数年前を境に,急速に川の状態が悪くなりました.上の写真のように,アオミドロやラン藻類と思われる藻類が水生植物にたくさん絡みついていて,まるで下水溝のような様相です.水こそ透き通っていますが,多量の栄養塩がどこかから流入しているように思えます.

神戸市内の淡河川でも同様の変化が見られます.両者の共通点は,これらの川の集水域に高速自動車道が開通したことです.法面緑化のために投入された,肥料を含む土から,栄養塩が流出しているのではないかと想像しています.

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▲かろうじて見つけたニホンカワトンボ(左)とアオハダトンボ(右)

それでもアオハダトンボが1頭と,ニホンカワトンボが1頭飛んでいました.もっとも,アオハダトンボは時期的に少し早いかもしれませんが,昔日の面影はもうまったくありません.


そこで,本流の方に出かけました.本流は川の状態こそ良かったですが,こちらは灌漑用水として利用されているためでしょうか,あちこちで川の水が切れていました.

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▲上:本流の状態.景観的にもきれいな川である.下:水の切れた状態.

以前は田植えの時期でもこのように水が切れるような光景はあまり目にしなかったように記憶していますが,ここに限らず,源流域でも,最近は川の水が枯れているのをよく目にするようになりました.何かしら乾燥化が進んでいるような気がします.

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▲ニホンカワトンボの成熟したオス.

水のあるところでは,日が射すと,さっとニホンカワトンボが姿を現し,水辺に止まって,縄張りを形成しました.日が陰っているときはどこにいたのだろうと思うほど突然姿を現します.

というところで,天気がよくなり始めたので,クロサナエ・ヒメクロサナエを見に出かけることにしました.