兵庫県の幼虫ガイド
H048. オジロサナエ Stylogomphus suzukii
オジロサナエ終齢幼虫
写真1.オジロサナエ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長17mm前後.2009.5.4..
<特ちょう>
 オジロサナエは小さなサナエトンボ型の幼虫です.体全体が固い感じです.写真3のように,触角(しょっかく)は三角形をしています.写真2のように,腹の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中の小さなとげ(背棘:はいきょく)はありません.翅芽(しが)はまっすぐ後ろにのびています.

オジロサナエのそっきょくとはいきょく オジロサナエのしょっかく
写真2.腹部の第8,9節に側棘があり,背棘はありません. 写真3.触角は三角形をしています.


<よくにた幼虫との区別>
 オジロサナエは,全長が17mm前後のとても小さい幼虫ですので,20mmをこえるヒメクロサナエオナガサナエアオサナエとまちがえることはないでしょう.大きさがよく似ているのは全長15−18mmのヒメサナエです.しかし写真3のように,ヒメサナエ触角がだ円形で,急な角度で内側を向いていますので,触角が三角形のオジロサナエと,区別できます.


<さがす場所のヒント>
 オジロサナエは川の住人です.川の上流で,砂や小石や落ち葉がたまっているところをすくうと,よく採れます.メスは,写真4のような,川の上流の,小石の間を水がチョロチョロと流れているようなところに,飛びながら腹の先を打ちつけて,産卵します.オジロサナエの幼虫は少し川を下っていく性質があって,もう少し下流の方でも見つかることがあります.そのときでも,砂や小石の中にもぐって生活しています.

オジロサナエの産卵場所.
写真4.産卵するメス.上流の小石の間を水がチョロチョロと流れているようなところで産卵します.