兵庫県の幼虫ガイド
H042. アオサナエ Nihonogomphus viridis
アオサナエ終齢幼虫
写真1.アオサナエ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長31mm前後.2011.4.29.
<特ちょう>
 アオサナエはサナエトンボ型の幼虫です.翅芽(しが)が大きく左右に開いているのが特ちょうです.触角(しょっかく)は棒のような形をしていて,まっすぐ前にのびています.体全体が固いです.腹の横のとげ(側棘:そっきょく)は第2−9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)はとがらず丸くなっていて,腹部の第2−9節にあります.体が緑色っぽくなることが多く,写真3のように,腹部の第6節の背中に,白っぽいはん点のある個体がいます.

アオサナエのそっきょくとはいきょく アオサナエの触角と背中のはん点
写真2.腹部の第2−9節に側棘があり,2−9節に背棘があります. 写真3.触角(しょっかく)は棒のような形をしています.


<よく似た幼虫との区別>
 アオサナエは,オナガサナエと同じようなところに住んでいて,よく似ているので,注意が必要です.オナガサナエは,腹の横のとげが腹部の第7−9節にしかないので,そこで区別できます.またオナガサナエ触角はヘラのような形ですが,アオサナエの触角は,細長い棒のような形をしているので,区別できます.

アオサナとオナガサナエエのそっきょく アオサナエとアオサナエ
写真4.側棘のちがい
オナガサナエは第7−9節に,アオサナエは第2−9節にあります.
写真5.触角のちがい
アオサナエはヘラのような形,オナガサナエは棒のような形です.


<さがす場所のヒント>
 アオサナエは川の住人です.開けた明るい場所を流れる川に住んでいます.川の底には小石や目のあらい砂がたまっていて,浅く,ややゆっくりと流れているようなところが好きです.そういったところの,底の小石の間にもぐりこんで生活しています.成虫のメスは,そういった川の上を飛びながら,卵をぱらぱらと水面に落とします(写真6).

アオサナエの産卵場所.
写真6.産卵にやって来たメス.底に小石や砂がたまっているのが見えます.こういったところで空中から卵をばらまきます.