トップ写真の解説
アオサナエの産卵はオナガサナエとよく似ています.流れの上の一点に停止飛翔して,卵塊を流れの上に落とします.この日は,水田に水を引いているためか川の水位が低く,浅いレキ底が広がっていて,オスたちは縄張り活動を繰り広げていました.メスが来そうな予感がし,待ち構えていたら案の定やってきました.合計3頭が産卵に入り,これはその2頭目.順光で待ち構えていたポイントに入り,卵が落ちる瞬間をとらえることができました.
停止飛翔産卵するメス.2015.5.30.
成虫
5月中下旬に羽化し,しばらくは川を離れますが,ほどなく戻ってきて,流れの石の上に止まったりしてメスを待ちます.産卵は空中に静止して卵をばらまく停止飛翔産卵です.7月には姿を消します.
オスの静止.2010.5.30.
幼虫
幼虫期間はおそらく2年です.初夏に産卵され,その年のうちに孵化,そして 1.5cm 程度の小さな幼虫となるまで成長します.次の夏に終齢近くにまで成長し,2年目の冬は終齢で越します.アオサナエは幼虫の色彩も鮮やかです.泥と砂とレキが混じっているような所で多く採集されます.第7腹節の背中側に,淡色のスポットが現れる個体があります.
スタジオ写真.2011.4.29.