新 トンボ歳時記
No.491. アオサナエの産卵観察.2015.5.30.

今日は兵庫県北部に行きたかったのですが,天気予報では朝から曇りベース.対して兵庫県南部は午前中は晴れ.ということで,今日はムカシヤンマなどを見に行くことにしました.年を取ると朝早いのは平気になります.現地には8時過ぎに着きました.早すぎるので近くの川を見に行くことにしました.今年は見たいサナエトンボの仲間やその産卵を何とか見つけてきているので,今シーズンサナエトンボ全種観察,などという妄想をちょっと抱いたりして,この時期にまだ出会っていない普通種のサナエトンボ,ダビドサナエを見に行きました.どんどん上流に向かって車を走らせ,川が樹木に覆われ始めたころ,ダビドサナエを発見しました.まずは一つゲット.

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まだ時間は9時前です.で,次はアオサナエを見に行くことにしました.途中クロスジギンヤンマの交通事故遺体を発見しました.南無阿弥陀仏.

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現地に着くと,今日はアオサナエの個体数がとても多いことに気づきました.

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田んぼに水を引いているのでしょうか,川の水量が少なく砂州が川の中央に現れています.そしてアオサナエの好きそうなレキ底の浅瀬ができているのです.今日は産卵に来ると直感しました.案の定,9:36,産卵メスが飛び込んできました.

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ねらい通りの浅瀬で,水際の線に沿って産卵を始めました.アオサナエは敏捷なサナエトンボですが,産卵メスはほとんど同じ位置でホバリングを続け,卵塊を落とし続けます.一度落ち着かせてしまうと,あとは近づくのは意外と簡単です.

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この産卵メスは,私の立ち位置が悪くて,逆光でデライトシンクロストロボ撮影になってしまいました.私はこういった光加減は嫌いではありませんが,やや不自然ではあります.またストロボの充電時間が少し長くなってきて,上の写真でも,最後の一番面白い打水の瞬間の写真はストロボが発光していません.とかなんとか考えながら,電池を交換し,順光になる位置に立って,次の産卵メスを待ちました.来ました来ました.10:03,2頭目の産卵メスです.

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これも,1頭目の産卵メスとほとんど同じ場所で産卵しました.産卵が終わったと思ったらなんと,すぐ向こうでもう一頭が産卵しているではありませんか.あわてて近寄りシャッターを切りました.今度のメスはかなり流れの速い場所で産卵していて,ちょっと力強い背景になりました.

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ここは,ずっと以前にもアオサナエの産卵を観察できたポイントです.ただ,その後何度もここを訪れましたが,アオサナエの産卵にはお目にかかれませんでした.河川というのは水のエネルギーによってめまぐるしくその微小環境が変化します.これがあるトンボの好む環境にジャストフィットした時が観察のねらい目なんですね.

さて,これに気を良くしたので,ムカシヤンマを探しに行くことにしました.しかしながら,ムカシヤンマは影を潜めて現れません.しかたなく,散歩しながらいろいろなトンボ観察に切り替えました.まずはヤマサナエ.産卵しそうな細流を歩いてみましたが,オスが飛び立つばかりでした.

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山道を歩くと,あちこちでサラサヤンマが接食飛翔?をしていました.湿地へ降りてみると,縄張りをパトロールしているオスもいました.

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でもまあ,その程度で,特別何かというほどのものには出会いませんでした.今日はやることがあり12時を回ったので,この辺にして帰ることにしました.帰り道,ムカシヤンマのメスが突然道路に舞い降りてきました.

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それから,ハラビロトンボが単独で産卵しているのにも出会いました.

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最後の方は歩いているだけで汗が流れてくるほど暑くなってきました.ヤマカガシさんが何かを探して水に潜っていましたので最後にゲストとして紹介しておきましょう.

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きょうはおしまい.