兵庫県の幼虫ガイド
H041. オナガサナエ Melligomphus viridicostus
オナガサナエ終齢幼虫
写真1.オナガサナエ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長29mm前後.2009.5.4.
<特ちょう>
 オナガサナエはサナエトンボ型の幼虫です.翅芽(しが)が大きく左右に開いているのが特ちょうです.触角(しょっかく)ははばの広いヘラのような形をしていて,少し内側を向いています.体全体が固いです.腹の横のとげ(側棘:そっきょく)は第7−9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は, とがらず丸くなっていて,腹部の第2−9節にあります.

腹部の第7−9節に側棘があり,2−9節に背棘があります 触角(しょっかく)はヘラのような形
写真2.腹部の第7−9節に側棘があり,2−9節に背棘があります. 写真3.触角はヘラのような形をしています.


<よく似た幼虫との区別>
 オナガサナエは,アオサナエと同じようなところに住んでいて,よく似ているので,注意が必要です.アオサナエは,腹の横のとげが腹部の第2−9節にあるので,そこで区別できます.またアオサナエの触角(しょっかく)は細長い棒のような形ですが,オナガサナエのものは,平たいヘラのような形をしているので,区別できます.

オナガサナエのそっきょくとはいきょく オナガサナエとオナガサナエ
写真4.側棘のちがい
オナガサナエは第7−9節に,アオサナエは第2−9節にあります.
写真5.触角のちがい
オナガサナエはヘラのような形,アオサナエは棒のような形です.


<さがす場所のヒント>
 オナガサナエは川の住人です.開けた明るい場所を流れる川に住んでいます.川の底には小石や目のあらい砂がたまっていて,浅く,水面が波立って,速く流れているようなところが好きです.そういったところの,底の小石の間にもぐりこんで生活しています.成虫のメスは,そういった川の上を飛びながら,卵をぱらぱらと水面に落とします.(写真6).

オナガサナエの産卵場所.
写真6.産卵にやって来たメス.底に小石がころがっているのが見えます.こういったところで空中から卵をばらまきます.