H040. コオニヤンマ Sieboldius albardae
<特ちょう>
コオニヤンマはうすっぺらい落ち葉のような形をした幼虫で,ほかにこのような形をした幼虫はいません.ですから,まちがえることはまずないでしょう.
翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)はうちわのような形をしています.体全体が固いです.腹部の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第2−9節にありますが,とげというより「でっぱり」のような感じです.はっきりとしたものは第7,8節に見られます.背中のとげ(
背棘:はいきょく)は腹部の第2−9節にありますが,はっきりとしたものは第5,6節に見られます.しかし,
背棘や
側棘を気にしなくても,区別はかんたんです.
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写真2.第7,8節に側棘が,5,6節に背棘が,はっきりと見られます. |
写真3.触角はうちわのような形をしています. |
<さがす場所のヒント>
コオニヤンマは川の住人です.明るい場所を流れる川に住んでいます.川の底には小石や目のあらい砂がたまっていて浅く,ややゆっくりと流れているようなところが好きです.岸辺に植物がしげっているところに多く集まっています.幼虫は,植物の根元や,底の小石や落ち葉の間にもぐりこんで生活しています.成虫のメスは,そういった川にやってきて,石や草のかげにかくれるようにして飛び,ときどき腹の先で水面をたたいて,卵を水の中に産みつけます(写真4).
写真4.産卵にやって来たメス.底に小石や砂がたまっているのが見えます.こういったところで水面に直接卵を産みつけます.