兵庫県の幼虫ガイド
H039. タイワンウチワヤンマ Ictinogomphus pertinax
タイワンウチワヤンマ終齢幼虫
写真1.タイワンウチワヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長25−30mm前後.2011.6.11.
<特ちょう>
 タイワンウチワヤンマは腹部が卵形をした,ほかには見られない形の幼虫です.ですから,ほかの幼虫と見まちがえることは多分ないと思います.体全体が固く,腹部もほとんど曲がりません.腹の横のとげ(側棘:そっきょく)は第7−9節にあります.また背中のとげ(背棘:はいきょく)が,腹部の第2−9節にあります.ただし,とげというより,とがったスジのようになっています.翅芽(しが)は左右に開くことはなく,まっすぐと後ろにのびています.写真1の幼虫は,体が緑色をしていますが,ふつうはこげ茶色です.

タイワンウチワヤンマのそっきょくとはいきょく タイワンウチワヤンマとタイワンウチワヤンマ
写真2.腹部の第7−9節に側棘があり,2−9節に背棘があります. 写真3.触角(しょっかく)は棒のような形をしています.


<さがす場所のヒント>
 タイワンウチワヤンマは池の住人です.大きな池から小さな池までいろいろなところに姿を現します.岸近くの泥(どろ)や落ち葉の中にもぐって生活しています.成虫のメスは,池の岸近くにうかんでいる,木の枝や茎(くき)などに,飛びながら卵をはり付けるようにして,産卵します.

タイワンウチワヤンマの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.この写真のような,ふつうの池に住んでいます.