兵庫県のトンボ幼虫ガイド
幼虫ガイドのページで使われている用語の解説

あしの節
 あしのふし
 トンボのあしには4つの節があります.根元にある節を転節(てんせつ),次の節を腿節(たいせつ),次の節を脛節(けいせつ),次の節をふ節(ふせつ)とよびます.前あし,中あし,後ろあし,すべてに同じ節があります.

下唇
 かしん
下唇側片
 かしんそくへん
下唇中片
 かしんちゅうへん
側刺毛
 そくしもう
腮刺毛
 さいしもう
 トンボの口をおおっているマスクのような構造物です.ふつうはスプーンのような形をしていますが,ヤンマやサナエトンボでは板のようにうすっぺらくなっています.下唇は前のほうにのびるようになっていて,エサをつかまるのに使われます.

肛上片
 こうじょうへん
肛側片
 こうそくへん
尾毛
 びもう
肛錐
 こうすい
 腹部の一番先の第10節についている,先のとがった構造物についている名前です.全部で5つのとがったものが見えますが,まん中の上がわについている三角形のものが肛上片(こうじょうへん),その両がわにある2つの突起(とっき)が尾毛(びもう),下の部分の2つの突起が肛側片(こうそくへん)です.これらをまとめて,肛錐(こうすい)または尾部付属器(びぶふぞくき)とよぶことがあります.イトトンボやカワトンボのなかまでは,肛上片と肛側片は尾さいとよばれるものに変わっています.またサナエトンボのなかまでは,小さく,あまり目立ちません.

背棘
 はいきょく
 腹の背中のまん中にならんでいるとげのことです.

翅芽
 しが
 トンボの成虫のはねが収められている,幼虫の背中にあるさやのことです.小さい幼虫にはなく,大きくなってからのびできます.終齢幼虫になると,翅芽の先は,腹部の第4節にかかるか,それより後ろにいくくらいの長さになります.

終齢幼虫
 しゅうれいようちゅう
 もっとも成長した幼虫のことで,羽化を待つばかりになった幼虫のことです.ヤンマやサナエトンボのなかまでは,翅(はね)のもとになる翅芽(しが)の先が腹の第4節にかかるか,またはそれより長くのびています(下の写真左がわ).トンボやエゾトンボのなかまでは翅芽(しが)の先が腹の第7節にかかるか,またはそれより長くのびています(下の写真右がわ).

触角
 しょっかく
 頭の前にある一対の突起物(とっきぶつ)です.多くのトンボでは,7つの節からできていますが,一部のトンボでは6つの節になっています.サナエトンボのなかまの触角は4節でできていて,第3節が長かったり,平たかったり,三角形をしていたり,特ちょうのある形をしています.カワトンボのなかまでは,第1節がとても長くなっています.

側棘
 そっきょく
 腹の横にあるとげのことです.ふつう,腹の節の後ろのへりにあります.

尾さい
 びさい
 イトトンボやカワトンボのなかまの,腹部の一番先,第10節についている,3枚のうすっぺらい構造物です.えらの役割をしていると考えられています.両側の2枚を側さい(そくさい),中央の1枚を中央さい(ちゅうおうさい)とよびます.側さいはトンボやヤンマの肛側片(こうそくへん),中央さいはトンボやヤンマの肛上片(こうじょうへん)が変化したものです.