トップ写真の解説
写真の個体は,ツルヨシの間に潜り込むようにして産卵をしていました.腹端の下面に橙色の卵塊が見えます.ふつうはこの後打水して放卵するのですが,このメスは珍しく,打水することなく空中から卵をばらまいていました.
ツルヨシの陰で産卵をするメス.2012.8.4.
成虫
成虫は6月ころから羽化します.成虫の出現期間は長く,10月にかかるまで見られることがあります.産卵は,空中でホバリングして卵塊をつくり,打水して放卵する方式が一般的です.稀にホバリングしながら空中から卵をぱらぱら撒く方式で産卵するメスもいます(トップ写真).獰猛で,他のトンボをとらえて食べます.同種の処女飛行個体を食べたのさえ見たことがあります.アオハダトンボをよく食べ,トンボの季節推移に一役買っているように感じます.
メスはかなり早朝から産卵にやってきます.オスも早朝出勤者で,産卵にやってくるメスを待っています.うまくメスを見つけると一瞬でタンデムになり,移精行動をしながら高い木の梢の方に飛び去って行きます.オスは何かに警戒すると,一瞬飛び立ち,停止飛翔して様子を見るような行動をとります(写真).これはヤマサナエなどでもよく見られる行動です.
メスはかなり早朝から産卵にやってきます.オスも早朝出勤者で,産卵にやってくるメスを待っています.うまくメスを見つけると一瞬でタンデムになり,移精行動をしながら高い木の梢の方に飛び去って行きます.オスは何かに警戒すると,一瞬飛び立ち,停止飛翔して様子を見るような行動をとります(写真).これはヤマサナエなどでもよく見られる行動です.
何かを警戒して一瞬飛び立ち停止飛翔して様子を見るオス.2016.8.9.
幼虫
幼虫は,ヨシなど植生の根際の泥をすくうとよく採れます.落ち葉のような形をした幼虫で,上流部では,まさに落ち葉の沈積物の間に潜り込んで生活しているようです.卵は比較的短期間で孵化し,幼虫期間はおそらく2年と思われます.
スタジオ写真.2010.4.25.