神戸のトンボたち
K039. コオニヤンマ Sieboldius albardae
オスの静止.2009.8.16.,神戸市北区.
オスの静止.2009.8.16.,神戸市北区.
 コオニヤンマは神戸市では各地の渓流に見られるようです.神戸市には,六甲山地を中心とする国立公園内にこういう環境はたくさん保全されていますので,コオニヤンマには大きな減少の危険性は今のところないようです.
 未熟な間は流れから少し離れて過ごします.この時期の個体はオスメスが混じり,道路や地面にべたっと止まっていることが多いようです.時には摩耶山のような高い山中にも昇って行くようです.比較的短期間で成熟するようで,羽化時期に早くも産卵に来る個体があります.成熟すると流れから顔を出している石の上などに静止し縄張りを持ちます.縄張りをはっているときにも摂食をするようです.
 特に本種は獰猛で,成虫が共食いをすることもしばしばです.縄張り中,少し油断をしていると他のオスに背後から食いつかれます.また,他のトンボが羽化するのを待っているような行動も見られ,北区の観察では,ハネビロエゾトンボが羽化を終えて飛び立ったとたん,あっという間に食らいついたのを観察しました.
 9月頃に川に調査にいく機会が少ないために,姿を消す時期は定かではありませんが,記録には8月31日採集というのがあるので,9月中に姿を消してしまうのであろうと思われます.