H046. ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus
<特ちょう>
ヒメクロサナエはサナエトンボ型の幼虫です.
翅芽(しが)が左右に開くことがなく,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)ははばの広いヘラのような形をしていて,まっすぐ前の方につき出ています.腹の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第7−9節にあります.背中のとげ(
背棘:はいきょく)はありません.
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写真2.腹部の第7−9節に側棘があり,背棘はありません. |
写真3.触角はヘラのような形で,はばが広いです. |
<よく似た幼虫との区別>
ヒメクロサナエは,
ダビドサナエや
クロサナエと同じようなところに住んでいて,よく似ているので,注意が必要です.
ダビドサナエや
クロサナエは,
翅芽が少し左右に開いています.ヒメクロサナエはまっすぐ後ろにのびますので,そこを見れば区別ができます.また,
触角も,ヒメクロサナエのほうが,はばが広くなっています.
<さがす場所のヒント>
ヒメクロサナエは川の,それも上流の住人です.山の中の,林にかこまれた細い川に住んでいることが多いです.石の間にたまった砂や落ち葉の間にもぐりこんで生活しています.成虫のメスは,そういった川の,水が石の間をチョロチョロと流れているようなところに降りてきて,石の間に腹の先を差しこんで,卵を産みます(写真5).
写真5.産卵にやって来たメス.川の上流の,水がチョロチョロと流れているようなところで,石の間に腹の先を差しこんで,産卵します.