トップ写真の解説
昼間でも薄暗い樹林の中で,砂防ダムのすぐ下の細流に転がっている丸太に,堰堤から漏れる水しぶきを受けながらコシボソヤンマのメスが産卵しています.この丸太にはほとんど毎日のようにコシボソヤンマが産卵に来ていて,絶好の観察場所になっていました.残念なことに,2年ほど前にこの丸太は撤去され,それ以来コシボソヤンマの産卵観察が困難になってしまいました.
コシボソヤンマのメスは,脅かしさえしなければ,ストロボをガンガン炊いても全く動じずに産卵を続けてくれます.あまりに執拗に近づいたりすると,嫌気がさしたように真上に飛び上がり,木の枝などに止まってしばらく静止します.産卵場所が静かになるのを待っているのでしょう.しばらくするとまた降りてきて産卵を再開します.そして2,3時間続けて産卵することも稀ではありません.
コシボソヤンマのメスは,脅かしさえしなければ,ストロボをガンガン炊いても全く動じずに産卵を続けてくれます.あまりに執拗に近づいたりすると,嫌気がさしたように真上に飛び上がり,木の枝などに止まってしばらく静止します.産卵場所が静かになるのを待っているのでしょう.しばらくするとまた降りてきて産卵を再開します.そして2,3時間続けて産卵することも稀ではありません.
朽ち木への産卵.2010.8.18.
成虫
成虫は7月上旬から9月いっぱいくらいまですがたを見ることができます.メスは夏の昼下がり,樹林におおわれた細流の,木やコケなどの基質に単独で産卵にやってきます.産卵にかける時間は非常に長く,計っただけで1時間半ほど産卵を続ける個体もありました.もっとも,産卵を見つけてからの時間ですので,実際はもっと長いはずです.オスは同じころ,水面上をせわしなく往復し,メスが産卵していそうな場所をのぞき込むように飛びます.オス・メスとも夕方暗くなるまで飛んでいます.
オスのパトロール.2010.8.18.
幼虫
夏に産みつけられた卵は,調べられた卵期間(226日: 関西トンボ談話会,1984)から考えますと,冬を越し翌年に孵化するものと考えられます.兵庫県では成虫の出現している夏にも幼虫が採れますので,幼虫で少なくとももう一度冬を越してから羽化するものと思われます.
コシボソヤンマの幼虫はツルヨシの根などにしがみついて生活しているようです.採集すると泥をかぶっていることが多いので,つかまっている間に根際にたまった泥の中に埋もれてしまっているのかも知れません.その他水に洗われる葉や茎などにもしがみついています.コントラストの強い色をしており,側棘も数が多いです.捕まえると,体を硬直させて反り返り,すぐに死んだふりをしますが,これは気絶しているという説もあります.
コシボソヤンマの幼虫はツルヨシの根などにしがみついて生活しているようです.採集すると泥をかぶっていることが多いので,つかまっている間に根際にたまった泥の中に埋もれてしまっているのかも知れません.その他水に洗われる葉や茎などにもしがみついています.コントラストの強い色をしており,側棘も数が多いです.捕まえると,体を硬直させて反り返り,すぐに死んだふりをしますが,これは気絶しているという説もあります.
スタジオ写真.2012.6.16.