■見分けのチェックポイント
(写真は幼虫液浸標本)体長22mm前後.典型的な個体では,側棘は第8,9腹節,背棘は第3−9腹節にあり,側刺毛は9本程度,腮刺毛は15本前後である.第2腹節の背棘の位置に短い毛の塊があり,背棘と見間違えやすいので注意を要する.また第3,4腹節の背棘は小さい.第9腹節の背棘の先がまっすぐ伸びずに下方へ曲がる(矢印).全形図では尾毛の先端部が肛上片より長く見えるが,これは肛上片が上に反っているからで,腹部側面図を見れは肛上片の方が長いことが分かるであろう.
■分布と類似種
北海道の大雪山付近と知床半島のごく一部に分布するだけである.キバネモリトンボ,タカネトンボの2種は,特に本種と非常によく似ている.その他コエゾトンボ,エゾトンボなども分布が重なっていて,これらは見分けるのが非常に難しい.
■生態
高層湿原の池や湖の,池底の落ち葉のしたなどに生息するという(広瀬・伊藤,1993).