■見分けのチェックポイント
羽化殻全長25mm前後.羽化殻の腹部第10節の長さは基部の幅の1.8倍程度(終齢幼虫の場合は1.6倍程度).側棘は腹部第6節から第9節または第7節から第9節にまで存在する.背棘は認められない.下唇側片の内葉片先端は尖らない.下唇前基節はやや逆台形気味であるが,むしろ長方形に近い.触角第3節は幅の狭いへら状である.前肢・中肢脛節先端の突起は小さい.
■分布と類似種
福井県,岐阜県,長野県,静岡県以南で,鳥取県,島根県,山口県を除く本州,四国,九州に分布する.オグマサナエ,タベサナエと分布域が重なっている.タベサナエとは背棘がないこと,オグマサナエとは腹部第10節の長さの違いによって,ほとんどの場合区別できる.羽化殻では,フタスジサナエの腹部第10節が細く見えるので,オグマサナエとは混同しやすい.
■生態
樹林に隣接した池沼に生息する.落ち葉や砂泥などの堆積する浅い部分に潜って生活している.羽化は4月下旬頃から始まる.写真のように,水際で,半分水に浸かったような状態で羽化することが多い.