デジタルトンボ図鑑−羽化殻編
ヤンマ上科/サナエトンボ科/コサナエ属 検索表
 コサナエ属4種のうち,タベサナエは明瞭な背棘があって他の3種との区別は容易である.残りの3種は,一般に腹部第10節の長さで区別する方法が使われている.ここでは,それを補強する意味で,腹部第9節の縦横比も利用した.
検索キー01
01.少なくとも腹部第5節から第9節に先の尖った明瞭な背棘が見られる(a:矢印).・・・タベサナエ
− 腹部第5節から第9節にかけて明瞭な背棘は見られない.・・・02
var. 他の3種には,背棘,あるいは背棘に見えるような膨らみ,が見られることがあるが,先のするどい明瞭な背棘ではない.タベサナエには腹部第4節にも小さな背棘があるが,検索の際には無視して差しつかえない
a.タベサナエの俯瞰図,b.フタスジサナエの俯瞰図.
検索キー02
02.腹部第9節は,基部の幅より長さの方が明らかに長い(a).尾部付属器を除く腹部第10節の長さは,基部の幅の2倍以上ある(a).腹部第10節は基部の幅とその先端部の幅がほぼ等しい.・・・オグマサナエ
− 腹部第9節の基部の幅と長さは,幅の方がやや広いものの,ほぼ同じくらいである(b).尾部付属器を除く腹部第10節の長さは,基部の幅の2倍以下である(b).腹部第10節は基部の幅とその先端部の幅がほぼ等しい.・・・フタスジサナエ
− 腹部第9節の基部の幅は長さより長い(c).尾部付属器を除く腹部第10節の長さは,基部の幅よりほんの少し長い.腹部第10節は基部の方がその先端部より幅が広くなっている.・・・コサナエ
var. 終齢幼虫では腹部第10節の幅と長さの比はオグマサナエが2倍程度,フタスジサナエが1.6倍程度,コサナエは1倍程度となり,少し小さい.特にフタスジサナエとの区別において,コサナエの腹部第10節は先端部に行くにしたがって若干細くなっていく点には注目すべきである.フタスジサナエにも少しその傾向はあるが,コサナエほど明瞭ではない.
a.オグマサナエの腹部腹面先端,b.フタスジサナエの腹部腹面先端,c.コサナエの腹部腹面先端.