■見分けのチェックポイント
羽化殻全長23mm前後.下唇前基節は台形をしているが,基部の狭まり方が小さく,上底・下底の差が小さい台形である.側棘は腹部第7節から第9節にまで存在する.背棘はない.触角はだ円形で幅広い.前肢・中肢脛節先端の突起は明瞭で大きい.
■分布と類似種
本州,四国,九州に分布する.ダビドサナエ属各種に似ている.前肢・中肢脛節先端の突起が,ダビドサナエ属のものより大きい.下唇前基節の基部の狭まり方がダビドサナエより小さく,上底・下底の差がダビドサナエ属のものより小さい.ダビドサナエやクロサナエとは触角の幅や形が異なる.しかしモイワサナエ,ヒラサナエ,ヒロシマサナエとは触角の幅が近くなるので注意を要する.以上の点を検査すると区別できるであろう.
■生態
源流域から上流域にかけて生息している.流れの小さな淵や岩の間にたまった砂や落ち葉の間にもぐって生活している.兵庫県南部では,羽化は5月に行われ,羽化殻もそのころに石の上や,葉の上についているのが見つかる.