羽化殻全長22mm前後．終齢幼虫では翅芽がわずかに左右に開いていて他種との区別点になるが，羽化殻では翅芽はほとんどの種で開いているので注意を要する．側棘は腹部第7節から第9節にまで存在する．背棘はない．下唇側片の内葉片先端は尖らない．下唇前基節は逆台形をしている．触角第3節はへら状をしていて，ダビドサナエやクロサナエよりやや幅広い．

　新潟県，長野県，群馬県，栃木県，茨城県より北の各道県に分布する．北海道にはモイワサナエだけが分布する．本種とヒラサナエやヒロシマサナエとはそれぞれ亜種関係であるので，互いに分布域が重ならない．ダビドサナエとクロサナエとは分布域が重なる．モイワサナエの触角第3節はダビドサナエやクロサナエよりやや幅広く，やや形状が異なる．オスの場合は，クロサナエでは肛上片上の突起物がモイワサナエより大きく後方に突出していることで判別できるが，ダビドサナエとはこれでは区別がつかない．メスはさらに判別が困難である．
　なお，ヒメクロサナエとも間違えやすいので注意を要する．詳細はヒメクロサナエのページを参照してほしい．

　河川上流から中流にかけて，小さな淵や岸近くにたまっている砂の中に潜って生活している．亜種のヒラサナエやヒロシマサナエが湿地的環境に生活しているのとは対照的である．