■見分けのチェックポイント
羽化殻全長20mm前後．後頭角に明瞭な突起がある．終齢幼虫では翅芽がわずかに左右に開いていて他種との区別点になるが，羽化殻では翅芽はほとんどの種で開いているので注意を要する．側棘は腹部第8，9節にあって，第7節には見られない．背棘はない．下唇側片の内葉片先端は尖らない．下唇前基節は逆台形をしている．触角第3節はへら状をしていてやや太い．
■分布と類似種
岡山県，兵庫県，京都府，滋賀県，福井県，石川県の限られた場所にのみ分布する．本種は後頭角にある突起が大きく突出していることで，他のダビドサナエ各種と区別ができる．また腹部第7節の側棘を欠いている点が他のダビドサナエ属各種と異なる．
■生態
山間の湿地やその中を流れる細流の泥中に潜って生活している．生息地が隔絶していることが多いようで，遺伝的多様性の減少など，今後が気になる亜種である．
