羽化殻全長46mm前後．可動鉤上には短い刺毛が生えている．側棘は第6−9腹節にあり，第6腹節のものは時に痕跡的である．背棘はない．♀の原産卵管先端はちょうど第9腹節後縁にとどく位置にくる．♂の肛上片上の下付属器原器先端は尾毛先端より基部よりの位置にくる．尾毛先端は肛上片先端の1/2を越し，肛側片先端の1/2よりわずかに先端よりの位置にくる．肛上片は肛側片より少し短く，先端は背面から見て二叉になっている(1)．肛側片の先端はわずかに内側に曲がる．肛錐を裏面から見たとき最大長は最大幅の1.6倍前後である．

　北海道，本州，四国(徳島県)に分布する．オオルリボシヤンマは肛錐の最大長が最大幅の1.9倍程度ある．イイジマルリボシヤンマは尾毛の先端位置が肛側片の先端位置の1/2を大幅に越える．マダラヤンマは体格がひとまわり小さい．その他のヤンマ科各種は，下唇側片内葉片の幅が広い(カトリヤンマ属・ヤブヤンマ属)，可動鉤に長刺毛がある(トビイロヤンマ属)，中央欠刻の両側に1対の突起がある(ミルンヤンマ属)，肛上片の先端が二叉でない(アオヤンマ属)，複眼の最前縁点が下唇前基節の最大幅より内側に来る(ギンヤンマ属)などが異なる．

　本州では高層湿原やそこの池塘，あるいは高地にある池沼に生息する．北海道では平地の池にも産する．飼育すると，容器の上でピンセットを動かしたりすると，それに興味を示す．上から落ちてくる昆虫なども食しているのかもしれない．