■見分けのチェックポイント
羽化殻全長37mm前後.側棘は第6−9腹節にあり,第6腹節のものも明瞭に認められる.背棘はない.♀の原産卵管先端は第9腹節後縁にわずかにとどかない位置にくる.♂の肛上片上の下付属器原器先端は肛上片の1/2たらず,尾毛先端より基部よりの位置にくる.尾毛先端は,肛上片先端より基部より,肛側片先端の約1/2の位置に来る.肛上片は肛側片より少し短く,先端は背面から見て二叉になっている(1).肛側片の先端はわずかに内側に曲がる.肛錐を裏面から見たとき最大長は最大幅の1.6倍前後である.
■分布と類似種
北海道の道南から,東北,上信越,関東,中部地方に分布する.本種は,ルリボシヤンマやオオルリボシヤンマと比べると全長は5-10mm程度小さくかなり小型であり,イイジマルリボシヤンマに比べると尾毛の長さが明らかに短い.トビイロヤンマと驚くほど外観が似ているが,可動鉤に長刺毛がない点で区別できる.
■生態
本州中部では高原の,北の方に行くと平地から丘陵地にかけての,フトイやガマなどが繁茂している池沼に生息する.幼虫は,フトイやガマなどが水面に倒れ,束になって浮かんでいるところの裏側をすくうとよく採れる.幼虫の成長は非常に速く,早春に孵化した幼虫はその夏には羽化する,卵越冬で一年一化の生活史を営む.