トップ写真の解説
兵庫県南部では数が減ったアキアカネですが,兵庫県北部ではまだかなりの数を見ることができます.朝タンデムになったペアが上空を次々に飛んできて,稲刈りが終わった水田に舞い降り,産卵をします.写真はひこばえの出た水田での打泥産卵です.メスは腹部が赤いタイプです.なお,兵庫県南部では秋が深まった11月ころに数の増加が感じられます.下の交尾写真は晩秋のアキアカネです.
連結打泥産卵.2018.10.18.
成虫
初夏に羽化します.羽化した個体は高い山に移動することで有名です.1000mを超える夏の高山で,未熟な個体が多数群れていることがあります.秋になると山から下りてきます.産卵は9月下旬から,稲刈り後の水田や湿地で行われます.連結打水産卵及び連結打泥産卵を行います.環境に応じて産卵方法を変えるのか,それとも個体によって違ういわゆる産卵方法の多型現象かは分かりません.産卵を見ていると,土の部分でばかり産卵するペアと,水面でばかり産卵するペアがあるように感じます.
交尾.2010.11.27.
幼虫
アキアカネの幼虫は,第8腹節の側棘が第9腹節の後縁にちょうどとどく程度の長さで,他にはネキトンボがそれと近い長さを持っているだけですので,割合に見分けやすいです.落ち葉の間や泥の上にうずくまって生活しているようです.卵で越冬します.
スタジオ写真.2016.6.12.