トップ写真の解説
タベサナエの産卵は,他の多くのサナエトンボが行うように,停止飛翔しながら軽く体を振って卵をばらまきます.日陰の暗いところで産卵することが多く,ストロボで動きが止まります.この日も数頭が次々と産卵に入ってきました.産卵は午前中の一時に集中するような感じです.
メスの停止飛翔産卵.2015.5.10.
成虫
タベサナエは4月には出現して,6月には姿を消します.オスは地岸や川の植生に止まってメスを待ちます.メスは猛スピードで産卵に入ってきます.うまくそれを見つけた場合は,タンデムになって周辺の樹林の中へ飛び去ります.メスは停止飛翔産卵をしますが,産卵中にときどき止まることがあります.
オスの静止.2012.5.13.
幼虫
幼虫期間はおそらく2年.夏頃には翌年春羽化する幼虫がすでに終齢になっているようです.気温の高い夏に発育を止め,羽化せずにじっと次の年を待つための,季節的制御のしくみがあると考えられます.川の中流や用水路,またため池などの砂泥底に潜って生活しています.他のコサナエ属と異なるのは背棘があることで,簡単に区別できます.
スタジオ写真.2016.3.29.