今年はほかのトンボをほとんど全部さしおいて,サナエトンボばかりを追っています.フタスジサナエ,オグマサナエとくれば,タベサナエを放っておくわけにはいきません.兵庫県南部地方にいるコサナエ属3種そろい踏みを目指して,今日はタベサナエを観察に出かけました.オスたちは早朝から池に集まっていて,あちこちに止まっています.今日は気温が少し低いせいか,日陰に止まってしばらくすると樹上に上がって日に当たり,体を温めてからまた舞い降りる,といった動作が頻繁に見られました.
9:30少し前,私が陣取っている対岸に1頭のメスが入りました.しかしあっという間にオスに連れられ,上方に持っていかれました.そしてそのすぐあと,目の前にメスが入りました.カメラを持って近づくと対岸の方に飛び去りました.ぐるっと回って対岸へ行くと,切り立った壁に寄り添うような格好で,産卵をしていました.
壁際で産卵しているこのタベサナエは,卵を落とすだけで,オグマサナエやフタスジサナエのように腹部を振って卵を投げるような動作は見られませんでした.撮影を終えて元の位置に戻ると,そこには産卵しているメスがいるではありませんか.
しかしこのメス,すでに産卵し始めてから時間がたっていたのでしょう.すぐに逃げ去ってしまいました.本当に不思議ですが,産卵に来るときにはばたばたと一気に来るのですね.その後もメスはやってきましたが,どこへ行ったか分からなくなったり,オスに追われて一気に飛び去ったりして,次に落ち着いて観察ができたのは,10:16に入ってきたメスでした.これは本日6番目の産卵メスです.
このメスは草陰に入り込むようにして産卵を続けました.オスの活動がだんだんと活発になってきたのでしょう.オスに見つからないように産卵しているように見受けられました.その後も,11時ころまで,メスが入ってきました.足元に2回入ってきたのですが,これに気付かず,灯台下暗しそのものでした.11時を過ぎると産卵メスがピタッと来なくなり.12時30分まで待つことにして粘りました.そして,帰る直前,12:22に本日9番目の産卵メスが入ってきました.これは6番目のメスと同じところに入りましたが,より深く潜り込んでいました.
たくさんメスが入ってきましたが,オスにつかまったのは1回だけ.メスはオスを避けるのが上手ですね.オスは周りに本当にたくさんいるのですから.
さて,タベサナエの観察を終え,帰り道,サラサヤンマの摂食飛翔に出会いました.サラサヤンマが太陽の下を飛ぶのは摂食飛翔の時だけといっていいくらいです.1時間くらいシャッターを切り続けました.
ということで,今日の観察を終えました.このあと,No480の池にタイリクアカネの幼虫をすくいに行きましたが,池に太陽光発電のパネルを設置し,池を干した跡があって,オオキトンボらしき若齢幼虫1頭が網に入っただけでした.