トンボノート
No.725. トンボの生き残り調査.2019.12.25.

約一ヶ月ぶりで,トンボを見に行きました.今日は移動性高気圧が真上に居座り,雲一つない,風もない,とても穏やかな日でした.例年の通り,キトンボの生き残りを見に行きました.



▲日向でキトンボたちが飛び回っていた.

キトンボは沢山いました.ざっと数えても10頭以上.まだまだ元気ですね.オスどうしが追いかけ合い,池の水面の向こうの方まで飛んでいき,また引き返してくるといった動きを頻繁にやっていました.12月25日,野外気温8度でも,彼らはなんともないのでしょうか.もっとも日差しを浴びていると,こちらも汗ばんでくるくらいでした.日向に止めていた車の外気温計は19度になっていました.

と,岸辺の草地で,オスがメスを追いかけているのが目に入りました.しばらく見ていると,タンデムになったペアが草むらから飛び出してきました.

▲草むらでメスを捕まえたオス.

産卵をするのでしょうか.しばらく見ていますと,メスを連れ去って草むらの向こうへ飛んでいきました.多分交尾をするのでしょう.こうなると,しばらく待つしかありません.約12分後,ペアが再び池に姿を現しました.

▲約12分後,再び池に姿を現したペア.

そして,このペアは産卵を始めました.しかし見ているとメスがそれほど乗り気でないのが見え見えです.産卵は非常に短時間で終わりました.おそらく産卵意欲のないメスだったのでしょう.あるいは私が来る前に産卵を済ませていた個体だったかもしれません.







▲反対側へ回り込んで写真を撮ろうとしたが,その間もなく,産卵を終えて飛び去ってしまった.

さて,今日の驚きは,まだタイリクアカネが「たくさん」いたことです.昨年は12月21日に1個体のオスを見つけ,これがもっとも遅い記録でしたが,今年更新しました.今日は少なくとも10頭足らずはいたと思います.まだまだ元気に活動していて,オスが水面の向こうの方まで追飛する姿を何度も見ました.









▲けっこう敏捷に飛び回っていたタイリクアカネたち.

タイリクアカネの方は産卵活動は見られませんでした.ただこれだけ生き残っていたら,産卵を目にするのもアリかと思います.タイリクアカネは結構遅くまでいるトンボですが,キトンボにはかなわないようです.でもひょっとしたら,今年はタイリクアカネが年を越すかもしれません.今年の観察は今日で終わりにしようと思っていましたが,お正月,また観察に来る必要が出てきたようです.

▲水面に出て活動するタイリクアカネのオス.