No.697. アオサナエを見に行ったが.2019.6.18.

梅雨入り前の最後の晴れ,とかいう天気予報で,とにかく出かけてきました.この時期端境期で意外と観るものがないので,アオサナエをもう一度見に行くことにしました.でも,今年はは個体群密度が低いのか,オスがちらほらいただけでした.

▲アオサナエのオス.のべ3頭を見かけただけであった.

アオサナエを待っているときに,アオハダトンボが集まっているところを見つけたので,しばらく観察をしてみました.ここのアオハダトンボは今が旬のようで,若々しく輝いたオスメスが,繁殖活動を展開していました.

▲アオハダトンボの交尾.
▲アオハダトンボのオス.
▲アオハダトンボのメス.

上のオスはいい縄張りを持っているようで,オスの見まもるなか,2頭のメスが産卵をしていました.ここはコカナダモなどはなく,清流のイメージが残る川でした.太陽光が射すと,水がもっと輝くのですけど...

▲縄張りオスと,産卵するメスたち.

晴れの予報にしては雲が切れず,ずっと薄曇り状態です.アオサナエはお昼前には諦めて,ムカシヤンマが生き残っているかどうか見に行くことにしました.しかしまったくその気配がありませんでした.農道を歩いていると,車にひかれたメスや,原因不明の死亡メスが,道路上に落ちていました.こうやってメスも減っていくんですね.ムカシヤンマも終わりだよって言われているようでした.

▲車にひかれてぺちゃんこになっているムカシヤンマのメス.
▲ムカシヤンマのメスの原因不明の死亡個体.地面に転がっていました.

ムカシヤンマがよく止まっていたこの農道も,コオニヤンマが飛び交う季節になっていました.こいつは獰猛なヤツですから,他の弱った老熟個体は,どんどん減っていくように思います.天気のせいかトンボたちの動きももう一つでしたので,今日はこれで終わりにしました.

▲コオニヤンマの未熟なオス.
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No.696. ハラビロトンボの観察と… 2019.6.13.

今日は全国的にどこの天気予報も晴れ一色.そこで,この時期が旬のハラビロトンボの観察に行くことにしました.極めて普通種で,あちこちで見かけるトンボですが,群れるほどたくさんいるところは限られています.そしてその後は,今見られるトンボたちの状況を記録しておきます.

▲成熟段階の違うオスどうしが闘争を繰り広げている.

現地には9:30ころに入りました.もう気温も十分高く,ハラビロトンボたちは元気に飛び回っていました.メスもすぐに入ってきて.次々と産卵をしていました.湿地というか休耕田でオスメスが共同生活しているようなものですから,産卵を観察するのに不自由はありません.産卵に入ってきたメスは,もう,すぐにオスに見つかってしまいます.そして交尾しながら飛び回り,他のオスがそれを追いかけ回しと,1頭のメスに5,6頭のオスが群がります.もう乱痴気騒ぎのようです.

▲しばらく交尾飛翔した後,落ち着いたら止まって交尾を継続する.
▲交尾が終わるとオスはメスを放す.そしてメスはしばらく止まってじっとしている時間がある.
▲そしておもむろに産卵を始めるが,他のオスがそれをめざとく見つけ,交尾することも多い.
▲同じオス,別のオス,メスは産卵中に何度も交尾を強要される.

何度かこういうことをしているうちに,ちょっとした隙ができるのでしょう,メスはしばらく産卵を続けます.もちろん,交尾オスは上空で警護しています.しかし,しょっちゅう他のオスが干渉してくるので,それを追いかけ回している間に,メスを取られてしまうこともしばしばです.

▲再び産卵を開始するメス.
▲オスは上空でホバリングしながら警護する.
▲湿地のわずかに開けた水面で打水産卵を行う.
▲時には,茂みの中にもぐり込むようにして産卵することもある.
▲産卵時間は意外と短い.2,3分で飛び去ってしまう.

さて,この休耕湿地には,モートンイトトンボもいます.今日は産卵を見るのは止めて,記録だけ撮りました.メスは未熟な橙色の個体より,成熟した薄緑色の個体の方が目立ちました.もう十分な繁殖活動期に入っていました.

▲モートンイトトンボのオス.
▲モートンイトトンボの未熟なメス.
▲モートンイトトンボの成熟メスの飛翔.

さて,午後からは,別の池に普通種のトンボを見に行くことにしました.この時期は,毎年そうですが,春のトンボの生き残りと,夏のトンボが一緒に見られる時期です.まずは,コフキトンボ.このトンボ私はこの時期の若く美しい個体が好きです.しばらくすると,オスは特に粉が濃くなり,シミが出てきます.

▲風が強いせいでしょうか,みんな同じ向きを向いて止まっていました.

次は春の生き残りのトンボたち.シオヤトンボにヨツボシトンボ,そして写真には撮れませんでしたが,トラフトンボらしいのも飛んでいました.まだ頑張っているんですね.クロスジギンヤンマはまだしばらくは頑張り続ける感じです.

▲シオヤトンボのオス.
▲ヨツボシトンボのメス.まだお腹には卵がいっぱい詰まっているようだ.
▲クロスジギンヤンマのオス.

もう夏のトンボたちもほぼ完全に勢揃いしていました.オオイトトンボ,クロイトトンボ,キイトトンボ,オオヤマトンボ,ハッチョウトンボ,ショウジョウトンボ,コシアキトンボ,シオカラトンボ,…

▲オオヤマトンボのオス.池の周囲をパトロール中.
▲オオイトトンボの産卵.オスは翅をブンブンいわせている.
▲クロイトトンボのオスがメスを捕まえたとき,水に落ちて翅が水に捕らえられてしまった.
▲夏の代表的イトトンボ,キイトトンボの産卵.メスは黄色型.
▲こちらも夏の代表的な派手トンボ,ショウジョウトンボのオス.
▲ハッチョウトンボのオス.まだ数が少ない感じ.もう少しすればいっぱい飛ぶようになるであろう.
▲コシアキトンボの縄張りパトロール.一度交尾が成立したが,メスは産卵せず飛び去った.
▲シオカラトンボの若いメス.眼のエメラルドグリーンは独特.

見に行った一つの池で10種類以上のトンボがいたことになります.この時期は,一年中でトンボが一番多く出現する時期です.さて,最後はキイロサナエ.オスはすでに水辺に出ていましたが,数はまだ少なく,産卵シーズンは少し先になるような気配です.あと10日くらい後に来ると,激しい繁殖活動が見られるような気がします.

▲キイロサナエのオス.

今日一日で15種のトンボを記録できました.ヤマサナエに出会えなかったのが不思議です.全部の観察が終わってから,去年オナガアカネが産卵していたところへ行ってみました.幼虫をさがそうという魂胆でしたが,産卵していた湿地は,完全に水がなく乾燥した状態になっていました.ということで,今日はここまでにします.

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No.695. アオヤンマの確認.2019.6.12.

今日は,アオヤンマを見に行ってきました.先日も見るだけには行ってきたので,今日は写真を撮ることを考えました.特に産卵をビデオに撮ることをいちおうのねらいとしましたが,これは運が相当よくないとムリです.

▲アオヤンマのオス.何かを捕まえて止まった.

アオヤンマは,数頭がメスを探すような飛び方をしていました.9:30ころにメスが入ってきました.産卵植物を探すような飛び方をしているところへ,タイミングよくオスが通りかかり,持って行かれました.メスはこれきりでした.アオヤンマは抽水植物深くにもぐり込んで産卵するので,写真などに撮るには,とにかく開けたところで,来てくれることを待つだけです.ということで今日は成果なし.

天気予報は本当に利用しにくいです.昨日は午後から下り坂でにわか雨と言っていたので,外に出るのを止めたら一日中日が射していましたし,今日も昼からはあまり天気がよくないと言っていたので,曇ってきたタイミングで午前中で引き上げてきたら,午後は本当に抜けるような青空.もっと粘っていてもよかったと後悔する感じです.アオヤンマの池にはオオシオカラトンボが活動していました.

▲アオヤンマの池で活動するオオシオカラトンボたち.

池の上空では,いつの間にか集まったコシアキトンボが摂食をしていました.

▲摂食飛翔をするコシアキトンボのオス.

なんか,前回といい今回といい,消化不良の観察でした.明日は天気がいいそうですので,ちょっと遠くへ行ってみることにしますか...

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No.694. ウチワヤンマはどこに!? 2019.6.9.

今日は朝のうちだけ晴れるとの予報だったので,昨年とまったく同じ日付で,ウチワヤンマの繁殖活動を観察に行くことにしました.昨年は8:30の段階で交尾飛翔しているのを見ましたので,今日は7:30に池に着くように出かけました.ビデオも撮ろうと思ったので,重い機材を用意し,勇んで池に入りました.空は快晴,風弱し.言うことありません.ところがです,去年あれほどたくさんいたウチワヤンマの姿が,全くの皆無! 池の周囲を半周ほどしてみましたが,姿はなし.いったいどうしたのでしょう? 去年の子孫は多分来年の羽化になりますから,今年はいなくて当然.それにしても,まったくいないというのは不思議なこともあるものです.

▲去年はたくさんウチワヤンマがいて,交尾,産卵も盛んだった.2018.6.9.

そんな感じで,茫然と池を眺めていますと,コフキトンボが1頭止まっていました.また周囲の草地を歩くと,こちらは去年と同じ,羽化直後と思われるタイリクアカネが飛び出しました.

▲ぽつんと止まっていたコフキトンボのオス.まだ若い.
▲羽化直後のタイリクアカネのメス.

唯一何もいない池で元気に活動していたのは,オオヤマトンボでした.いるトンボを観察する,ということで,オオヤマトンボが産卵に来ないか,1時間余り待つことにしました.まあ,残念ながら産卵には来なかったですが,飛び回るオスを記録に撮ることができました.合焦率2%くらいでした(笑)

▲池の周囲をパトロールするオオヤマトンボのオス.

オオヤマトンボは全部で3頭いたようです.上の4枚のオオヤマトンボの写真を見ると,右前・後翅にクモの巣が絡みついている個体(3番目の写真),まったくクモの巣がなく腹部第10節背面の黄色斑が大きい個体(4番目の写真),同様にクモの巣がなく腹部第10節背面の黄色斑が小さな個体です(2番目の写真).

▲岸近くを飛ぶオオヤマトンボのオス.
▲飛んでいるときに出会うと,追飛行動が起きる.
▲時には追われて上空へ舞い上がることがある.

オオヤマトンボは,ただただ池の岸に沿って,周囲を周回するだけの行動ですが,見ているとなかなかダイナミックでした.最後に,今日もっともきちんと合焦した1枚を掲げて,終わりにします.

▲なかなかここまでピントがきちんとくる写真は撮れません.
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No.693. アオハダトンボの観察.2019.6.6.

いよいよ梅雨入りも近いとの予報.今日はその前の晴天.いろいろと行ってみたいところはありますが,アオハダトンボにしました.アオハダトンボは梅雨の時期のトンボですので,曇った日の記録が多いのです.太陽が射して水に透明感があるような絵があまりありません.

▲朝の日差しを浴びて翅を開閉するアオハダトンボのオス.
▲同じく朝日を浴びて翅を開閉するアオハダトンボのメス.

現地に入りますと,水位がものすごく低い.最近あまり多く雨が降っていないのと,田んぼに水を引いているためでしょうか.ツルヨシの茎や葉がが水に洗われるといった風景がありませんでした.その代わり底に根を下ろしているコカナダモが水面に姿を見せている状態で,アオハダトンボはそこに集まっていました.あまりきれいじゃないのですねこれが...

▲9時過ぎにすでに産卵を始めていたアオハダトンボ.
▲いくら水に透明感が出ても,薄汚いコカナダモでは,清流のイメージはしません.

アオハダトンボはお昼頃産卵すると思っていたのですが,9時過ぎにはもう産卵を始めていました.オスの縄張りの中で,オスの警護を受けながらの産卵です.この後ビデオを回し,12時ころまで頑張りました.すると,雲一つなかった空がいつの間にか全天雲だらけに.でもこのころに再び繁殖活動が活発化しました.しきりにメスに対するディスプレイが行われ,メスの方も産卵意欲が高まってきているようでしたので,すぐに交尾,産卵へと進みました.

▲さっと入って産卵を始めたメスに,オスが腹部を上げて誘いをかける.
▲オスは思い切って飛びたち,メスに接近を試みる.
▲素面に浮かぶような姿勢もちょっととったりして...
▲メスが高い位置に飛ぶと,ホバリングしながらそれを追いかけていき...
▲メスがさらに高いところへ逃げるとそれを追いかけ,...
▲ついに捕まえて,移精から交尾へ(草にうまくつかまることができず飛んで石の上に止まった).
▲メスを高く持ち上げるようにしてうまく位置を合わせて交尾にいたる.
▲そしてオスの縄張り内で,オスの警護を受けながら産卵を始める.

これで,このメスは,交尾オスの縄張り内で安心して産卵を続けることができます.他のオスがこのメスを奪いに来るような気配があると,縄張りオスは猛然と飛び立って,闘争を挑み,たいがい他のオスを追い払ってしまいます.

▲左が縄張りオス.右のオスが産卵をしていたメスを見つけ,近寄ろうとしている.
▲両者の闘争が始まった.左が縄張りオス.
▲闘争の途中オスの体がメスに触れたようで,思わず飛び上がったメス.

まあ,いつものことですが,こういった闘争があちこちで行われていました.観察は14:00まで続けました.メスは黙々と産卵し,オスは闘い続ける.初夏の昼下がりでした.この場所も浚渫されると一気にダメになってしまうように思えます.ここより下流は浚渫が行われているからです.まあ,今年も無事を確かめたというところです.

▲黙々と産卵に集中するメス.
▲警護しながら,他のオスやさらなるメスを監視する,オス.

さて,アオハダトンボにつきものなのがグンバイトンボです.今日はグンバイトンボの姿が少なかったように思います.アオハダトンボは,広く分散せずコカナダモのあるところに集まっているため,密度が高く感じられました.グンバイトンボはちょっと違う植物に卵を産むようです.

▲グンバイトンボの若いオス.

グンバイトンボのオスはちらほら飛んでいるのですが,タンデムになったペアがなかなか見つかりませんでした.やっとのことでワンペア見つけ,記録を撮ることができました.

▲タンデム態のグンバイトンボのペア.
▲ペアは飛んで産卵基質を探している.
▲ややっぱりコカナダモには産卵していないみたいだ.

これ以外にも,いくつかのトンボたちが姿を見せていました.アオサナエ,クロイトトンボ,セスジイトトンボなどのこの時期のトンボたちと,ニホンカワトンボの生き残りメスです.

▲アオサナエは,朝一番に見つけた.
▲セスジイトトンボはコカナダモのような沈水植物が好きなのに,数が少なかった.
▲クロイトトンボの交尾.水位が低く,川の一部が水たまりになっているところで.
▲ニホンカワトンボの老熟メス.まだ結構元気道に活動していた.

そして,次の季節の足音も聞こえ始めていました.オナガサナエが羽化していました.成虫は2頭,羽化殻は5,6個見つけました.また,もうハグロトンボが出ていました.10頭以上はいたように思えます.まだ羽も柔らかく,羽化してそれほど日にちが経っていない個体ばかりでした.アオハダトンボが消えるころには,この川はすっかり夏の景色になっていることでしょう.

▲処女飛行に飛び立ち,止まったオナガサナエのメス.
▲オナガサナエの羽化殻.石の上や草についていた.
▲ハグロトンボのテネラルなメス.

ニホンカワトンボ-アオハダトンボ-ハグロトンボ,と,順に出てくる3種のカワトンボが一同に観察できました.オナガサナエは夜に羽化し,朝が来るころに山へ飛び立つと思っていましたが,日が昇った後にも川にいることもあるのですね.

さて,明日からは雨の予報.梅雨入りするかも知れませんね.今年は,雨のシーズンは,幼虫の観察をしようと思っています.今日はここまで.

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No.692. 今日は空振り.2019.6.4.

先週は私用の連続で,まったくトンボを見に行くことができませんでした.というのは嘘で,私用の合間を縫って5月30日,アオヤンマを見に行ってきました.今年も元気に飛んでいました.そしてこの場所では初めて見るサラサヤンマの産卵も目撃しました.私用の合間ですので,写真はありません.

そしてやっとの事で今日,トンボ観察に行くことができました.日曜日が天気が悪く月曜日が好天,今日はその次の晴れ(といっても曇りベースの晴れ),私には,悪天候の二日後の晴れはあまり成果が出ないというジンクスがあります.悪天候の直後の晴れはとてもいい結果が出ることが多いのですが,一日置くと結果が出ないという...今日はまったくその通りの結果になりました.朝早くから,三本立てのコースです.まずは午前中,アオサナエの観察に行ってきました.

▲今日やってきた2頭のアオサナエのオス.今日はこれだけ...

現地では結構雲が切れて,よく日が射してくれたと思います.でも,メスの姿は全くなく,オスも,2頭やって来ただけでした.このうちの1頭は,私と縄張り争いを続けました.産卵にやって来るメスを持って行かれては困るので,オスの止まっているところをガサガサと歩き回り,オスをどこかへ追いやろうとしたのですが,飛んでは,私の足下へ戻ってきます.人間が怖くないのでしょうかね.写真の上の方のオスです.しまいにこちらが諦めてしまいました.でもメスが来なかったので,結局は人間のオスとアオサナエのオスは待ちぼうけでした.待っている途中,ヤマサナエがちょっと顔を見せました.

▲ヤマサナエのオス.

11:00に切り上げることにしました.次はムカシヤンマです.ムカシヤンマはだいたい正午を挟んでメスがやって来ます.去年観察した所へ行きました.ここは最近水が滲み出てくるようになったところです. ちょっと水の出方が少ないのであまりよい環境とは言えません.しかし開けているので写真が撮りやすいという利点があります.現地に着いたときは曇っていて,風も止み,まったくトンボがいませんでした.しかし日が射すと,ムカシヤンマのオスが1頭,この水の滲み出し斜面一帯をあちこち飛んでは止まるようになりました.

▲あちこち飛んでは止まるムカシヤンマのオス.

このムカシヤンマ,まだ体がきれいで若い感じがします.途中,もう1頭オスが入ってきましたが,激しく闘争を繰り返し,とうとう,どこかへ追いやってしまいました.水のしみ出す範囲は15m程度あるのですが,これをオス1頭が縄張りとして占有しているようです.結構広いですね.

▲いろいろなところに止まるムカシヤンマのオス.

13:00まで待ちましたが,メスが来そうな気配もなく,次の予定のサラサヤンマを見に行くことにしました.しかし,サラサヤンマの湿地に入ると,空はどんより曇り,しばらく太陽が顔を出しませんでした.やっとの事で顔を出したとき,1頭のメスが入ってきて地面に止まりました.近づいて行くと飛び,はいそれま~で~よ.てな感じで,終わりました.あと,待てども待てども,オスもメスも姿を見せません.空はますます重たい感じになってきますし,15:00で切り上げることにしました.ここにいたトンボは,老熟したシオヤトンボのメスだけでした.彼女独りで産卵をしていました.

▲サラサヤンマを待っている間,このシオヤトンボだけが「動く」物体でした.

ということで,今日は7時間ぐらい観察を続けました.しかし結果はこの通りでした.本当に何も飛ばない一日でした...明後日晴れそうなので,新しいところを開拓しにでも行こうか...今日はここまでです.

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No.691. ヒメクロサナエの観察.2019.5.26.

先日クロサナエを観察に行ったとき,ヒメクロサナエはほんのちょっと早いような気がしていましたので,今日行ってみることにしました.クロサナエの時は9時ころにヒメクロサナエが産卵に来ていましたので,ちょっと早めに着くように早朝に家を出ました.

▲ヒメクロサナエのオスたち.下りてきては2,3分で樹上に上がっていく.

早く出た成果は特にありませんでした.でもヒメクロサナエたちは7時台には活動を開始していることが分かりました.気温は20度くらいになっていたようです.

9時を過ぎてから活動が活発になり,オスたちは時々樹上から下りてきては,上がるといった行動を繰り返していました.しかしよく見ていると,オスが下りてくるところは,だいたい3カ所でした.つまり決まったところへ下りてくるのです.個体識別ができないので,同じ個体が同じ所へ下りてきているかどうかは分かりません.そして今日産卵に来た4頭のメスは,このオスがよく下りてきて止まる3カ所で産卵をしたのです.つまり,オスはメスが産卵に来るところを的確に押さえているのです.

では,その3カ所の産卵を紹介しましょう.まずは10:40に産卵に入ったメスです.典型的と言ってよい産卵場所です.このメスは飛んでくると,ほとんど躊躇なくピタッと止まって,すぐに産卵を開始しました.産卵終了後は ,腹端をこするように体をくいっくいっとひねって飛び去ります.

▲石の上に止まって,水のないところに卵を置く,ヒメクロサナエの産卵メス
▲腹端からピンク色の卵が出てきているのが分かる.
▲放卵している腹端部の拡大写真.ピンク色の卵が押し出されるように生殖口から出てきている.
▲産卵が終わって,腹端を少し左にずらして体をひねった.

実は,この産卵場所のすぐ横の石の上に,すでに早朝,オスが来て様子を見ているのです.オスメスの飛来のタイミングが合えば,オスはメスをゲットできるんでしょう.本当にオスはメスが来るところをよく知っています.

▲上の産卵場所のすぐ横に下りてきてしばらく止まっていたヒメクロサナエのオス.

この産卵ポイントは,以前からメスがよく下りてくるところで,微小環境がメスを引きつけやすい形になっているのかも知れません.この場所には,この後すぐにもメスが産卵に入りました.しかしこちらは,私の近づき方が乱暴だったせいか,産卵を中断して飛び去ってしまいました.上のメスですが,産卵が終わって飛び立とうとしたとき,どういうわけか転がって落ちてしまいました.

▲産卵を終えて飛ぼうとしたが,飛べずに転がり落ちたメス.

次にメスが入ったのは11:40でした.ここは,私にはあまり好適な産卵環境ではないと思っていたところです.でも,オスはよく樹上から降りてきて,この周辺に止まるのです.

▲2カ所目の産卵場所近くに止まる,ヒメクロサナエのオス.
▲上のオスの止まっていたクレソンにつかまって産卵するヒメクロサナエのメス.11:40.

こんな格好をしてでも産卵するんですね.そしてオスは本当によく知っています.私が来ないだろうと思っていたところに,メスはきちんと産卵に来ているんですから.上の産卵場所のすぐ横に苔むす石があるのですが,そこにもオスがよく止まります.23日の写真ですが掲載しておきます.

▲このすぐ向かいに上のメスの産卵場所がある.2019.5.23.撮影.

さて,3カ所目が面白いところです.以前紹介したことがあるのですが,私の長靴の踏み跡に産卵に来るパターンです.上の2件と違って,泥の中に産卵をしています.ここには,オスが何度も下りてきます.また産卵はしませんでしたが,朝の時間帯に,2頭のメスがこの場所の上を低空で往き来し,いかにも産卵しそうな飛び方をしました.それはこんな場所です.

▲白矢印:産卵場所,黄矢印:下の写真のオスの位置,橙矢印:二つ下の写真のオスの静止位置.
▲靴の踏み跡の産卵場所に集まるヒメクロサナエのオスたち

この場所に産卵に入ったのは11:53でした.踏み跡の上を慎重に数回旋回した後,おもむろに着地しました.しかし腹端で探った感じが会わないのでしょう,すぐに飛んで,別のポイントで産卵を始めました.

▲この最初の着地点は腹端の触感でダメだったようだ.すぐに飛んで,着地点変更!.
▲私の座っているすぐ足下に止まって産卵を始めた.
▲位置を変えて横から撮影した.腹端からピンク色の卵が出て,泥に混じっていく様子が分かる.

この,卵を泥の中に置くというのは,典型的な産卵とちょっとスタイルが違うに見えます.でも卵を泥に混ぜてしまうという方が,石などの上に置くよりも,天敵から護りやすいように思えます.

さて,ヒメクロサナエの観察は12:00ころに終わりました.その間にクロサナエも2回産卵に来ました.こちらはビデオで記録しました.それでも,下りてきたオスの数は23日とは全然違ってかなり数が少なかったようです.またムカシトンボも複数やって来て,メスは産卵をしていました.今年はムカシトンボが本当に遅くまで活動しています.羽化数が多いのか,羽化が遅れたのか,...多分両方でしょう.

▲クロサナエのオス.

ここで源流域とはお別れし,帰りにちょっと平地の池をのぞいてみました.コサナエはまだ生き残っていました.ヤマサナエが活動を始めているようでした.オオイトトンボやクロイトトンボも活発に活動していました.その他クロスジギンヤンマ,ヨツボシトンボ,シオヤトンボなど,春のトンボもいました.気温は34度でしたが,春のトンボのくせに,結構頑張って日向で活動していました.

▲コサナエのオス.
▲コサナエのメス.もう黄色味はなくなっている.
▲ヤマサナエのオス.川で繁殖活動を行っていました.
▲クロイトトンボの交尾.キイトトンボらしい羽化殻が付いている.
▲小川で産卵しているオオイトトンボのカップル.

ということで,今年もムカシトンボ,クロサナエ,ヒメクロサナエと,春の源流域のトンボたちを観察し終えることができました.今日はここまで.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No.691. ヒメクロサナエの観察.2019.5.26. はコメントを受け付けていません。

No.690. クロサナエの観察.2019.5.23.

約一週間前にムカシトンボを観察に行きました.そのとき,クロサナエやヒメクロサナエはまだ早いように感じました.そこで,今日はこれらのトンボの状況を見に行ってきました.結果は,ヒメクロサナエは活動は開始しているもののまだ少し早い感じで,クロサナエは最盛期,そしてムカシトンボはまだまだ頑張っているといった状態でした.

▲今日はクロサナエがたくさん下りてきた.

クロサナエはかなり動いていて,樹上から降りてきたかと思うとまた飛んでいく,といったことを繰り返していました.ちょっと枚数は多いですが,たくさん見たということで,写真もたくさん掲げてみます.

▲結構退屈しないほどにはクロサナエと出会えた.

この時期の源流域のトンボ観察は,とにかく待つ,これ一つです.同じ場所に陣取って6時間, 今日は粘ってみました. クロサナエは,オスがのべ15頭くらい樹上から下りてきたようです.でも川での滞在時間はせいぜい2,3分.すぐに樹上へ帰って行きます.たくさん下りてきたオスに対し,メスは2回産卵に来たのと,通過したのが1回,そしてオスに連れ去られたのが1回でした.

▲目の前をさーっと通過し,ちょっとだけ止まったクロサナエのメス.

上の写真は通過個体です.どこかで産卵していたのかも知れません.1回目の産卵は発見が遅く,記録は撮れませんでした.2回目は何とか記録が撮れました.

▲2回目の産卵.12:00過ぎ.枯れ枝のたまった場所に卵を落としている.
▲産卵するクロサナエ.一番下の写真では落ちる卵と産卵弁に残っている卵が見える.

クロサナエは,写真のように,一つずつ卵を落とします.落ちる卵は割合写真に写りやすいので,おそらく連続して卵を落としているのだろうと想像できます.そういう意味で面白い写真が撮れました.下の写真には,産卵弁に2個の卵が,続くように並んで写っています.そしてこれをすぐ上の写真と比べますと,卵は,産卵弁から,ベルトコンベアーに載せられているかのごとく,すき間なくつながるように押し出されてきて,先端まで来たら一つずつぽろぽろ落ちていくのではないかと考えることができます.コサナエ属と違って,クロサナエなどダビドサナエ属は,身体全体を振って放卵するという動作はとりません.小さく移動しながら,卵を爆撃機の爆弾のように落としていくだけです.

▲産卵弁に2個の卵がつながるように出てきている.先端の卵は今にも落ちそうである.

クロサナエは,メスが産卵に下りてくると,必ずと言っていいほど,少し後にオスが同じ場所に下りてくるのです.今日もこのメスの後にオスが下りてきました.下のオスです.

▲上の産卵場所のすぐ横の石の上に下りてきて,止まったオス.

ご覧のように,クロサナエは活動最盛期のように見えました.けどメスの数が少なかったのが残念です.これはきっと,雨の後の晴れだった昨日にたくさん出てきていたのではないかと,悔し紛れに解釈しておきました.

さて,クロサナエに負けずよく見かけたのがムカシトンボでした.今年はムカシトンボの発生数が多いように思えます.例年ですとこの時期にはもう数の減少を感じるのですが,今年はまだ感じられません.オスもよく飛んでいましたし,あちこちの葉に産卵痕が見られました.発生が遅いこともあるでしょうが,5年とも8年とも言われる長い幼虫期間を持っているムカシトンボ,個体数の年変動は,同時出生群それぞれの個体群密度の違いを反映しているのかも知れません.今年の出生群は個体数が多い群なのかも知れません.

▲メスを探して飛ぶムカシトンボのオス.右上の葉に産卵痕が見える.
▲流れに落ちている葉に産卵動作をするムカシトンボのメス.これはすぐに飛び去った.

2時を過ぎたころです.待っていた私のすぐそこにムカシトンボが産卵に入りました.本当はクロサナエを待っているのですが,来た獲物はすべていただくと言うことで,しばらくこちらを記録しました.近づいて行くと,もう1頭別のメスがほぼ同じ場所に産卵に入り,ダブル産卵になりました.

▲ムカシトンボのダブル産卵.上の葉と下のコケで,それぞれ産卵をしている.
▲上の方の葉で産卵するメス.
▲下の方のコケで産卵するメス.
▲上の方のメスが左記に場所を移動した.
▲このメスはさらに移動したが,そこはすでに別のメスが産卵していた(別のメスの産卵痕が見える).
▲下のメスは産卵を終えた後しばらく飛べなかった.草にぶら下がっている.

このダブル産卵の途中,1頭のオスがメスを探しながらすぐそばを飛びました.でもオスはこの2頭のメスのどちらも見つけることができなかったんですね.止まっているメスは見つけにくいのでしょうか.ギンヤンマなどは,産卵ペアをめざとく見つけるのですけどねぇ.これ以外にもメスが1頭入りました.入った場所が非常に見にくいところでしたので,もう放っておきました.たくさんいるとこんな贅沢な感じになってきます.

さて,これ以外にはヒメクロサナエが時々下りてきました.動きは始まっているようです.また産卵にも来ました.実は,到着してすぐ,1頭のヒメクロサナエのメスが産卵にやって来て,カメラを持って近づこうとしたら,すでに別のメスが同じところで産卵していたようで,それが驚いて飛び立ち,飛び立ったことに驚いて,入ってきたメスも逃げてしまったのです.きょうはヒメクロサナエの産卵はこれ1回きりでした.

▲ヒメクロサナエのオス.下りてくる回数はクロサナエよりやや少ない感じであった.

今日は,天気予報で,大気が不安定なので雷雨が降るかも知れないという予報でした.雷が鳴ったら帰るという感じで粘っていましたが,天気予報はいい方に外れ,最後まで晴天でした.産卵はあまり見られませんでしたが,オスたちの元気な姿が濃かったのがよかったです.帰り道でヒラサナエを見に立ち寄りました.

▲ヒラサナエのオス.ヒラサナエの数はとても少なかった.

今日はここまでにします.

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No.689. 普通のトンボたち.2019.5.17.

ここのところちょっと動きすぎで疲れが出てきたみたいなので,今日は近くの定点池に,普通のトンボたちの様子を見て過ごすことにしました.春がちょっと遅かったですが,その後どうなっているでしょう,ということです.まずは,春のトンボたちの状況です.成虫越冬性のホソミオツネントンボとホソミイトトンボがまだ元気に活動していました.

▲ホソミオツネントンボの交尾.この池では数が少ないトンボである.
▲ホソミイトトンボの交尾.まだ,そこそこの数が活動していた.

次は,春早くから羽化して春の間だけ見られる,いわゆる春季種と言われるトンボたちです.タベサナエ,トラフトンボ,ヨツボシトンボなどです.この池でタベサナエを見たのは初めてで,産卵までしていました.ヨツボシトンボはたくさん活動していました.交尾も一度見ました.トラフトンボは,複数見かけましたが,最盛期は過ぎた感じです.でもトラフトンボの交尾態が1回入りました.あと写真になりませんでしたが,フタスジサナエとクロスジギンヤンマが飛んでいました.

▲トラフトンボのオスが急旋回したところ.首は傾かず,首から下が傾いている.
▲産卵に来たタベサナエのメス.
▲ヨツボシトンボのオス.だいぶん老熟してきていて,色がくすんでいる.

一方で,夏を中心に活動するトンボ,いわゆる夏季種も現れ始めていました.ショウジョウトンボ,ハラビロトンボ,クロイトトンボ,アオモンイトトンボ,ギンヤンマ,オオヤマトンボなどです.これらのトンボもすべて繁殖活動期に入っていました.この中でアオモンイトトンボは,この池では初記録です.あと,アジアイトトンボを見かけましたが写真にはなっていません.

▲クロイトトンボの交尾.春季種と同じくらいに早くから出現する.
▲アオモンイトトンボの交尾.
▲ショウジョウトンボのオス.数頭池面を元気に飛んでいた.
▲池の中ほどで打水産卵するショウジョウトンボのメス.打水の波紋が見える.
▲ハラビロトンボのオス.ハラビロトンボは5,6頭見かけた.
▲ヨツボシトンボに,メスと間違えられて池面に落とされたシオカラトンボの未熟なメス.
▲オオヤマトンボのオスのパトロール飛行.
▲ギンヤンマの連結植物内産卵.

ギンヤンマの連結態は,池では非常に目立つ存在でした.よく飛ぶのですが,他のトンボたちがそれを追い払います.また,産卵しているペアが気になるのか,別にパトロールをしているギンヤンマの単独オスが,近くに寄ってじろじろと眺めて飛んでいました.

▲あちこち移動しながら,産卵を続けていくギンヤンマのペア.
▲産卵するペアをじろじろと眺めながら飛ぶギンヤンマの単独オス.

ということで,この池にはたくさんのトンボが集まっていました.ホソミオツネントンボ,ホソミイトトンボ,クロイトトンボ,アオモンイトトンボ,アジアイトトンボ,ギンヤンマ,クロスジギンヤンマ,フタスジサナエ,タベサナエ,トラフトンボ,オオヤマトンボ,ハラビロトンボ,ショウジョウトンボ,シオカラトンボ,ヨツボシトンボと,なんと一つの池に15種のトンボが集まっていました.春のトンボは遅かったですが,夏のトンボはいつも通り出てきて,両方がいっぺんに観察できる状態だったからでしょう.普通のトンボも,これだけ集まってたくさん飛んでいれば,眺めていて飽きません.

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No.688. ムカシトンボの観察.2019.5.16.

5月の半ばが過ぎましたので,ムカシトンボを見に行ってきました. 本来はもっと早いほうがいいのですが, 今年はトンボの出現が遅いので,この日に設定してみました.天気予報は晴れでしたが,11時ころから曇り始め,もう一つパッとしない天気でした.しかしムカシトンボは結構飛んでいて,今が盛りという感じでした.

▲メスを探すように飛んでいるムカシトンボのオス.

9時過ぎに現地に入りました.すぐにムカシトンボのオスが入ってきました.しかし,その後はパラパラという感じでした.とにかく待つだけということで,メスがやって来るのを待ちました.10時過ぎ,はっきりとメスと分かる個体が,産卵基質となる植物をていねいに探すような飛び方をしました.

▲産卵基質を探しながら飛ぶムカシトンボのメス.

後を追いかけていくと,産卵を始めました.このムカシトンボ,普段あまり産卵しないような植物への産卵動作を行いました.例えばシダの表面や,大きな葉を持つ植物の葉柄などです.しかしすぐにムリだと判断したのか,最終的にはミツバ?の葉柄に産卵を行いました.今までの観察では,産卵植物は目で判断しているようで,それであまり失敗はないように見えるのですが,このメスは試行錯誤しているように見えました.まだ産卵経験が少ないのでしょうか.

▲シダの葉の表面に止まって産卵動作を行うムカシトンボのメス.
▲大きな葉を持つ植物のかなり太い葉柄に産卵するムカシトンボのメス.
▲ミツバ?の葉柄に産卵するムカシトンボのメス.

この後,空が曇ってきて,しばらくトンボの動きがありませんでした.それでも12時を過ぎたころから,メスがポツポツ入って来るようになりました.その中に近づいてもなかなか逃げない人なつっこいメスがいて,この娘としばらく時間を過ごすことにしました.ただ,この娘,やたら植物深くもぐり込むので,なかなか写真になりません.

▲草の中にもぐり込んで産卵を続ける人なつっこいムカシトンボのメス.
▲草を手で動かして見えるようにして撮影した.メスは全然動じず産卵を続けている.

ひとしきり写真を撮ったので,邪魔な草を手で動かしてみました.でも全然逃げません.でも,片手で草を押さえ,もう片手で撮影というのはあまりうまくいきません.しかも,草がいっぱいで,ストロボの光が草に遮られて,うまくトンボに届きません.仕方ないので,見通しのよいところに出てくるのを待ちました.産卵を始めてから30分たらず経ったとき,やっと,草の中から出てきて見通しのよいところで産卵してくれました.

▲30分ほど経ったとき,やっとさえぎる物のない場所で産卵をしてくれた.
▲葉の先っぽで産卵を続けるムカシトンボ.まわりをあちこち移動して撮影している.

今年は川のトンボが少ないと前に述べましたが,ムカシトンボに関してはそれを感じることはありませんでした.ムカシトンボの幼虫は,腹部をピタリと岩に貼り付かせ,石のすき間にもぐり込んでいますので,もともと流されることのないように適応しているようです.今日はここまで.

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