No. 964. クロサナエなどを見に行った.2024.5.26.

今日は,先日行ってまだ少し早いと感じた,源流域のサナエを見に行きました.クロサナエとヒメクロサナエがねらいです.天候は晴れ,風がやや強い状態.風の強さが原因しているかどうかは分かりませんが,今日はオスのサナエが降りてくるのを全く見ませんでした.目の前を一瞬飛んだのが2回だけ.ただクロサナエは2回産卵にやって来ました.


▲クロサナエ,1頭目の産卵.▲

▲産卵するメスのクロサナエ.▲


▲産卵する2頭目のクロサナエ.▲

だいたい12:30くらいまで待ちましたが,この2頭だけでした.つまり今日見た源流域のサナエは,一瞬通り過ぎたのが2頭とこの産卵メスが2頭の,合計4頭だけでした.少ないなと思います.またムカシトンボは今日は全く姿がありませんでした.数が多かったのはアサヒナカワトンボで,あちこちで追尾飛翔を行っていました.1頭のメスが少しだけ産卵の行動をとって飛び去りました.


▲水しぶきを浴びながらの産卵行動.アサヒナカワトンボ.▲

このあと,サラサヤンマを探しに行きました.もう彼らも元気に活動する時期になっているでしょう.飛翔ポイントでは1頭のオスがせわしなく行ったり来たりして飛んでいました.珍しく,ガンガン陽の当たる場所を飛んでいました.結構動きがランダムで速かったのですが,先日のクロギンを使った練習の成果が出たようです.


▲陽の当たる明るい湿地で往復飛翔を続けるサラサヤンマのオス.▲

昼下がりには,あちこちで情報が耳に入っているハッチョウトンボの確認に行きました.もう出ていました.オスなどは十分成熟し,水辺に出ていました.


▲ハッチョウトンボのオスとメス.▲

あとアオイトトンボの羽化個体が草の中に止まっているのを見ました.いよいよ秋のトンボの出現です.季節が進んでいくのは早いです.


▲羽化直後のアオイトトンボ.▲

源流域の標高の高いところではアサヒナカワトンボの活動が非常に活発でした.しかしハッチョウトンボを見に行くため平地に降りてくると,アサヒナカワトンボはほんのちらほら,あれほどいたニホンカワトンボは完全に姿を消していました.コサナエも非常に数が減っていますし,ヒラサナエももう終わりの時期みたいに貧弱になっています.


▲コサナエはまだ5月なので,普通ならもう少し数は多いと思う.2頭だけだった.▲


▲ヒラサナエは老熟を感じさせるオスが,数頭いただけだった.▲

今年のトンボの出現はどうもイレギュラーな感じが拭えません.出現が遅れているように思えるのですが,一方で早く姿を消してしまったように見えるニホンカワトンボやムカシトンボ.まだ生き残りがいてもおかしくない時期です.もう少し観察を進めて,率直な感想をどこかでまとめておきたいと思います.今日はここまでです.

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今年初見のトンボ
No.31. ハッチョウトンボ.オス・メス
No.32. サラサヤンマ,オス
No.33. アオイトトンボ,オス

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 964. クロサナエなどを見に行った.2024.5.26. はコメントを受け付けていません

No. 963. 奄美大島を訪れました.2024.5.24.

急に思い立って,5月21日から23日までの3日間,奄美大島へトンボを見に行ってきました.先月沖縄県へ出かけていっていろいろなトンボを見てきましたが,奄美大島というのは,沖縄県のものと亜種関係にあるものも含めて,独特の種類のトンボが棲息しています.それらを見に行くことを目的に出かけてきました.

「急に思い立って」といっても飛行機などの手配がありますので3週間ぐらい前ですが,やはり梅雨入り直後の時期で雨の心配が当初からありました.それが見事に的中し,3日間ともほとんど日は射しませんでした.それどころか,2日目の22日などは,沖縄・奄美は警報級の大雨.名瀬(奄美市)で24時間で146mmの雨が降りました.

もちろんここまで来たのですから,雨の中トンボ探しに出かけました.出かけるときには,ワイパーを最高速にしても前が見えないくらいの雨が降っていました.ところが9:30ごろにピタッと雨は止み,晴れこそはしませんでしたが,曇の天候になりました.奄美の梅雨はスコールのように降ってピタッと止むような降り方をするとネットに書いてありましたが,まさにその通りでした.が,当然のことながら,トンボの姿は全くありませんでした.川は増水して茶色の水が流れていましたので,川に入ることなどできません.


▲増水して茶色の水がゴウゴウと流れる川.9:00ごろ.雨はまだ降っていた.▲

これはもう最終日の明日もだめだな,とこの時期を選んだことを若干後悔しました.しかし奄美の自然は兵庫県とは違います.茶色の水が流れていた川は,その日の午後には水量が下がり,水の色も薄緑色に変わっていたのです.


▲14:00ごろ,もう水位が下がり,水に透明感が増し,色も薄緑になった.▲

豪雨の時に兵庫県の山地の川の様子を見たことがないので,こちらでも同じなのかもしれませんが,とにかくこの川の水の引き方には驚かされました.翌23日は,水量は多いものの,水は透明で川は普通の様相を呈していました.いやはや驚きの初経験でした.

なお初日21日は,14:00ぐらいまで雨は降りませんでした.昨日まで晴れていたこともあって,ロケハンを兼ねたトンボ観察時に,いくつかのトンボを見ることはできました.そして最終日23日は,予報では午後から雨でしたが結局帰るまで雨は降らず,ときどき日が射すぐらいで気温も高く,昨日の雨で閉じ込められていた鬱憤を晴らすかのようにトンボたちも結構たくさん出てきたように感じました.

今回はそんなで,見た種類を全部記録する暇がありませんでした.この時期に観察に来たのはターゲットがあるからで,天候の関係でそれを探すのに時間を割いてしまったからです.ただ現地で,なんと知人の関東のトンボ屋さんの一行に出会い,たくさんの目で探したこともあって,効率よくトンボを見つけることができました.時々あることですが,関東と神戸の知り合いが奄美大島で出会うとは世の中は狭いです.

前置きが長くなってしまいましたが,今日は五十音順に,観察できたトンボたちを紹介していきましょう.一部を除いて,すべて23日の観察になります.

◆アオビタイトンボ Brachydiplax chalybea flavovittata

沖縄県に行ったときには見つけられなかったトンボです.見たのはオスだけですが,そこそこの数がいました.


▲アオビタイトンボのオス.まだ若くて美しい.▲

これといった活動は見ることがありませんでした.

◆アマミサナエ Asiagomphus amamiensis amamiensis

アマミサナエは今回のメインターゲット種です.オキナワサナエの原名亜種で,いわゆるヤマサナエ的なアジアサナエ属のトンボです.このトンボの一番の特徴は複眼の色にあります.アジアサナエ属のトンボの複眼は通常深い緑色をしています.しかしアマミサナエは青緑色をしているのです.非常にエキゾチックで,これは一見の価値があります.


▲青緑色の複眼を持つアマミサナエ.オス.▲


▲アマミサナエのオス.全部で2個体.▲

よく晴れておれば川面に降りてきてメスを待つ行動をとるのですが,さすがに今日は川に降りてきている個体はありませんでした.たくさんの人の目で探したので,合計3頭のオスが見つかりました.最初の1頭はスギの葉に止まる個体でした.


▲スギの葉に止まるアマミサナエのオス.最初に見つけた1頭.▲

◆アマミトゲオトンボ Rhipidolestes amamiensis amamiensis

次も「アマミ」を冠に持つトンボです.アマミトゲオトンボ.トゲオトンボのなかまはおそらく移動性が少なく,隔離された状態になりやすいのでしょう.南西諸島から九州・四国にかけて,種分化が進んでいます.学名に亜種名が付いていますが,徳之島に亜種トクノシマトゲオトンボ R. a. tokunoshimensis が分布しています.

沖縄県に行ったときには,トゲオトンボのなかまの成熟したメスが全く見つからなかったので,今回はそれを見つけることも目標です.次に登場するアマミルリモントンボは初日にその姿を見ましたので,そのときに見られなかったアマミトゲオトンボが次のターゲットでした.

実は,トゲオトンボならば雨が降っても林の中にいるから見つかるかもしれないと,22日の豪雨の中で結構探し回りました.しかし笑い話になりますが「木を隠すなら森の中」というあれですね.斜面や沢のようなところはどこもかしこも水が流れているので,どれが普段水が涸れていないトゲオトンボの棲息している流れなのかが分かりません.完全な失敗でした.23日は,それまで晴天の続いていた21日に水があった沢に入って探索しました.やはりそこにはちゃんといました.


▲アマミトゲオトンボのオスたち.▲

トゲオトンボは,暗い林の中にいる真っ黒なトンボで,とても見つけにくいのですが,飛ぶと何かが動いたというふうに目に映るので見つかります.最初の1頭を見つけるとあとは割合たやすく見つかります.

さて,オスは見つかりましたが,問題はメスです.かなり急な沢ですので手をつきながら上ることになりますので,ハブが怖い.しかし勇気を振り絞って(大げさですがそんな感じでした)慎重に登っていくと,メスがいました.流れに出ていたので産卵する可能性がありますが,今日は生態観察ではないので,止まっているのを撮影するだけにしました.


▲アマミトゲオトンボのメス.同一個体.▲

やっとメスを見つけることができました.ハブにも出会わずめでたしめでたし.あと,別の場所でも,細流にぽつんと止まっているオスを見ることができました.


▲比較的明るい細流に止まっていたアマミトゲオトンボのオス.▲

◆アマミルリモントンボ Coeliccia ryukyuensis amamii

「アマミ」を冠したトンボの3種目です.あとアマミヤンマというのがありますが,これは夏以降のトンボです.やはり奄美大島に来た目的は「アマミ」を冠したトンボたちです.アマミルリモントンボは,あちこちの流れ,それも本流から細流に至るまであちこちで見ることができました.

沖縄にいるリュウキュウルリモントンボ C. r. ryukyuensis が原名亜種で,こちらが奄美亜種になっていて,奄美大島とその周辺の島々に分布しています.リュウキュウルリモントンボのようにオスの腹部先端が黄色くはないので,ちょっと艶やかさは少ないです.


▲アマミルリモントンボのオスたち.▲


▲黒化型と言ってよいような,腹部にほとんど斑紋がないアマミルリモントンボ.▲

オスの中には,腹部にほとんど淡色斑が出ない個体がいて,黒化型と言ってよいような感じです.こちらの方が全体の黒色が締まって,水色が目立ち,美しさが倍増するように思えます.オスは,羽化してしばらくの間は,淡色斑が黄色で,別種かと思うほどです.この時期のオスはまた別の感じで美しいです.そして黄色の部分を隠すように水色が出てきます.


▲羽化直後のアマミルリモントンボのオス.▲


▲未熟なアマミルリモントンボのオス.▲


▲黄色の上に水色が重なり始めたテネラルなオス.▲


▲淡色斑の発達が悪い黒化型.水色が広がり始めたオス.▲


▲水色になった成熟オス.▲

アマミルリモントンボもメスを探し続けてかなり時間をかけました.しかしながら,羽化直後のメスは見つかったものの,成熟したメスが見つかりませんでした.オスは結構簡単に見つかるので,探す場所が悪いのかもしれません.


▲アマミルリモントンボのメス.いずれも羽化直後.▲

◆オオハラビロトンボ Lyriothemis elegantissima

先月沖縄県で見たときは,未熟期の黄色い個体でした.今回見たのは腹部が赤くなりつつあるようなまだ若い個体でした.腹部の黄色い個体もいた,と別の人が言っていたので,やはりこれからの出現ということになるのでしょうか.


▲腹部は赤と黄色の混じった橙色に見える.オオハラビロトンボのオス.▲

◆オキナワオオシオカラトンボ Orthetrum melania ryukyuense

トカラ列島以南久米島にまで分布するオオシオカラトンボの亜種です.沖縄県でも見ました.このメスを見たいのですが,今回もかなりの探索をしましたが,オスばかりでした.オオシオカラトンボのメスってたいがいどこかに止まっているのが普通なのですが.見つかりません.


▲翅基部の褐色斑と腹部先端の黒斑がオオシオカラトンボに比べて小さい.▲

◆オキナワチョウトンボ Rhyothemis variegata imperatrix

オキナワチョウトンボはまだ出始めのようです.未熟な個体が空き地を飛んでいました.私が見たのはオスでしたが,翅が黒いオキナワチョウトンボを見たと別の方が言っていましたので,これは多分メスでしょう.チョウトンボの類いはこれからでしょう.


▲オキナワチョウトンボのオス.▲

◆コシブトトンボ Acisoma panorpoides panorpoides

湿地状の滞水によく見られる南のトンボです.奄美諸島が北限になっています.いわば分布境界のコシブトトンボ個体群ということです.このトンボも産卵活動を見たことがありません.一度ゆっくりとこういった普通種の観察をしてみたいものです.どうしても南へ来ると数の少ないトンボを追いかけてしまいます.


▲コシブトトンボのオスとメス.オスはイトトンボを食べている.▲

コシブトトンボのオスの食べているイトトンボは,別のコマを見ると尾部下付属器が長く突き出ているように見えるので,おそらくコフキヒメイトトンボでしょう.ただ,コフキヒメイトトンボそのものは私は見ていません.今回はイトトンボをじっくり探す時間がありませんでした.そういえばアジアイトトンボをチラッと見たのですが,江平(2023)では,定着不明種になっていました.やはりきちんと写真を撮っておかないといけません.

◆シオカラトンボ Orthetrum albistylum speciosum

今回は,イトトンボにまではちょっと手が回らなかったものの,シオカラトンボはきちんと記録しておきました.こちらのシオカラトンボの成熟メスの色が妙に明るい色できれいなのが気に入りました.


▲シオカラトンボのオス.非常にたくさんの数が見られた.▲


▲淡色部が薄緑がかって,複眼の緑とマッチしている.シオカラトンボのメス.▲


▲シオカラトンボの未熟なメス.こちらはよく見る色彩だ.▲

◆タイリクショウジョウトンボ Crocothemis servilia servilia

タイリクショウジョウトンボはシオカラトンボに次いでたくさんいたトンボです.こちらは産卵活動をするメスも見ました.


▲タイリクショウジョウトンボのオス.▲


▲産卵に飛び回るタイリクショウジョウトンボのメス.▲

◆ハネビロトンボ Tramea virginia

沖縄県に入ると,ハネビロトンボよりヒメハネビロトンボの方を多く見かけます.というかハネビロトンボを見つけるのが意外と難しい.その点奄美大島では飛来以外はハネビロトンボがいるだけですので,ある意味安心して写真を撮ることができます.


▲ハネビロトンボのオス.▲

オスが現れる前に,メスが単独で打水産卵しているのを見かけました.ただ少し離れたところなので,写真に撮るのは難しい状態でした.


▲単独打水産卵するハネビロトンボのメス.▲


▲ハネビロトンボは,午後になるとよく止まる.▲

◆ベニトンボ Trithemis aurora

ベニトンボもたくさんいましたが,オスが飛び回っている割にはメスの姿が少なかったように思えます.先月たくさん記録したので,今日はいた証拠写真ていう感じです.


▲ベニトンボのオス.やはりこのケバケバしさは南国のトンボである.▲

◆リュウキュウギンヤンマ Anax panybeus

今回の観察地にはリュウキュウギンヤンマがそこそこ飛んでいました.先日クロスジギンヤンマで飛んでいるトンボの撮る練習をしたのはまさにこのためだ,てな感じでずいぶんシャッターを切りましたが,曇で暗いのと飛ぶのが遠いのとで,あまりいい出来ではありませんでした.ただ,1回だけ木に止まったのを偶然目にしたのがよかったです.また産卵にもやってきたのですが,すぐいなくなりました.


▲何か餌を捕まえたのか,木にとまったリュウキュウギンヤンマ.▲


▲池の上をパトロールするリュウキュウギンヤンマのオス.▲


▲空き地の上空で摂食飛翔をするリュウキュウギンヤンマのオス.▲


▲短時間産卵に入ったリュウキュウギンヤンマのメス.▲

リュウキュウギンヤンマの産卵メスはとても敏感にこちらの動きに反応し,ちょっと嫌気が差すと私から離れていって,ついには池から出ていきました.

◆リュウキュウトンボ Hemicordulia okinawensis

リュウキュウトンボは今回出会いを予定していなかったトンボで,出会えたことが非常に嬉しかったです.しかもかなり接近して観察が出来ました.これは私があまりその生態を知らなかったことが大きな原因だと思います.幼虫採集の経験から流水性であることくらいは知っていましたが,どんなところをどんなふうに飛び,どんな繁殖活動をするのか見たことがなかったのです.今回まずいきなりの出会いがリュウキュウトンボの産卵でした.

先に紹介したタイリクショウジョウトンボの産卵を観察しているときに,突然黒いトンボが入って来て連続打水産卵を始めたのです.シオカラトンボかと思いましたが色が違います.本当に影のように真っ黒.とにかくシャッターを切り続けましたが動きが速く手に負えそうにありません.やっと1枚だけトンボの確認ができる写真が撮れました.


▲まず最初に出会ったのが産卵するリュウキュウトンボのメスだった.▲

次に川の上を飛ぶリュウキュウトンボを見つけました.行ったり来たりしながら一定の空間を飛んでいます.少し離れたところを飛んでいるのですが,ときどき近づくことがあるので,その瞬間を期待して写真を撮り続けました.


▲川の上を飛ぶリュウキュウトンボのオス.2頭見られた.▲

まあ以前採集はしたことはあるものの,初めて接近観察したリュウキュウトンボの成虫なので,このくらいできたら満足というところでしたが,まだこのあとラッキーが続きました.14:00を過ぎることから,最初産卵を見た場所で,オスが2頭ほどパトロールしながら飛ぶようになりました.こちらの方が流れの幅が狭いので,写真には撮りやすいので,しばらくねばることにしました.


▲パトロールするリュウキュウトンボのオス.▲

なかなかピントが来ないなどと思っているとき,突然1頭のオスがメスを捕まえタンデムになり交尾を始めようとしています.「産卵に入っていたのか?」とちょっと残念な気持ちになりましたが,この交尾ペア,すぐ近くの草むらに止まりました.ただ対岸なので水の中を渡るしか近づく方法がありません.ちょっと深そうで長靴の中に水が入るのを覚悟しなければなりません.


▲対岸の草むらで交尾を始めたリュウキュウトンボのペア.▲

何枚かシャッターを切って渡ろうかどうか迷っているとき,風が吹いてこのペアが飛ばされました.遠くへ行ってしまうかと思われたとき,なんと逆にこちらの岸に飛んできて目の前に止まったのです.


▲こちらの岸に来て止まった交尾ペア.▲

角度が悪く交尾ペア全体にピントが来ないと思いながら写真を撮っていますと,やがて交尾が解消されました.ああ終わったかと思ってトンボたちを見ていると,またまたあり得ないようなラッキーが起きたのです.交尾を解かれたメスが私の目の前でホバリングして飛び始めたのです.まさに「私を撮って」とでもいうような感じです.こんなことがあるでしょうか?


▲目の前でホバリングするリュウキュウトンボのメス.▲

写真の鮮明さから,かなり近いことが分かるでしょう.1mも離れていません.沖縄県へ行った時も,最後の最後にオキナワサナエのメスが目の前に現れて,しばらくの間逃げることもなく私が撮影するに任せていたときと同じような状況に思えました.あのときもこのときも,これでぎりぎり最後というような時間帯でした.

◆リュウキュウハグロトンボ Matrona japonica

リュウキュウ・・・というトンボが続きます.次はリュウキュウハグロトンボ.これはまたきれいなトンボなのですが,残念ながら,まだすべて未熟な状態でした.沖縄県ではもう成熟した個体もいましたが,こちらは同調的に羽化したのか,たくさんの個体がいたにもかかわらず,すべてまだ翅が茶色のものばかりでした.


▲まだ未熟なリュウキュウハグロトンボたち.▲

◆リュウキュウベニイトトンボ Ceriagrion auranticum ryukyuanum

リュウキュウ・・・の最後はリュウキュウベニイトトンボです.草原で休んでいました.


▲リュウキュウベニイトトンボのオス.▲

別の産卵ペアも見ましたが,対岸でしたので,諦めました.

以上16種類を記録できました.イトトンボをもっと真剣に探す時間があれば,あと,2,3種は増えていたと思います.ミナミヤンマなど大型のトンボたちはこれからでしょう.

まあ,雨にたたられた遠征でしたが,沖縄などは雨が降っても止めばトンボが飛び出てくるという32年前の経験則はまだ健在のようでした.

カテゴリー: 県外のトンボ, 観察記 | No. 963. 奄美大島を訪れました.2024.5.24. はコメントを受け付けていません

No. 962. ヨツボシトンボの休息場所?.2024.5.18.

今日は川のトンボなどの出現状況を見に行くことにしました.「など」とついたのは,ついでにサラサヤンマやムカシヤンマの出現状況も見ておこうと思ったからです.結論から言うと,ムカシヤンマやサラサヤンマのいる谷は,今年はめちゃくちゃトンボが少ないように思えました.1時間半以上,水田や池,流れのある谷筋を歩いて,ヤマサナエ3頭,シオカラトンボ数頭,シオヤトンボ数頭,ホソミオツネントンボ2頭,アサヒナカワトンボ1頭,ニホンカワトンボ1頭,オグマサナエ1頭,フタスジサナエ1頭しか見ませんでした.

そこで,川に転進.アオハダトンボやアオサナエの出現状況の確認です.川はまだ静かでしたが,それでも少数のアオハダトンボ,ミヤマカワトンボ,アオサナエなどが川に出ていました.


▲まだ数は非常に少なかったが,アオハダトンボが出始めていた.▲


▲あわせて,ミヤマカワトンボも飛んでいた.▲


▲アオサナエは強い日差しのもと,腹部挙上姿勢で暑さをしのいでいた.▲

ということで普通ならこれでおしまいというところなのですが,今日は興味深いものを観察できました.この川に行く途中の道で,ヨツボシトンボが集まっている場所に遭遇したのです.時刻は13:00前後です.ここには何度か来ていますが,こういう状況は初めてです.もっとも今までは5月末に来ていて,ヨツボシトンボはもう終わりの時期でしたけど.

場所は,川に沿った農道で,その横には休耕田があって雑草が生えています.休耕田の上空にはギンヤンマも飛んでいて摂食活動をしています.その休耕田の獣よけの柵や電線に並んで止まっていたのです.そしてときどき上空に飛んで摂食しています.アカトンボなどではよく見る風景ですが,ヨツボシトンボでは初めてです.しかもこの近くに,ヨツボシトンボが好むような抽水植生が茂る池はありません.Googleの地図や衛星写真で見ても,半径1km内にはないようです.彼らはどこから来たのでしょう.


▲休耕田の柵に止まるヨツボシトンボたち.これらはすべて異なる個体.▲

以上5枚の写真を見てお気づきでしょうか.そう,すべてメスなのです.成熟したメスがこれほど集まっているということは,この場所はメスの休息,そして摂食場所なのではないでしょうか.驚かせると,すぐ横の山の斜面に茂る樹林の方に飛んでいきますので,ねぐら(夜を過ごす場所)はこの樹林なのかもしれません.オスはいないかと探しましたが,オスもいるにはいました.


▲同じ場所にオスも1頭だけいた.▲


▲少し離れた場所にもオスが1頭見つかった.▲

以前オナガサナエも同じようにオス・メスが集まっている場所に遭遇したことがあります.こういう目にしたことがない光景に出会えるのは,繁殖活動ばかり追いかけている普段の観察とは違った目的を持って出かけているからでしょう.私のトンボ観察もまだまだ偏っているなど感じた次第です.

最後に今日は事故に遭ったトンボたちを見ました.最初の谷筋ではヤマサナエのペアが一緒に車にひかれて死んでいました.アオサナエのいた川の近くでは,羽化不全でしょうか,飛べないアオサナエが地面に落ちていて,瀕死の状態でした.アリが攻撃を始めていました.


▲恋の最中に事故に遭ったのでしょうか,何ともかわいそう.ヤマサナエ.▲


▲アオサナエの羽化不全?それとも事故?.▲

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今日初見のトンボたち
No.29. アオハダトンボ,オス・メス
No.30. ミヤマカワトンボ,オス

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 962. ヨツボシトンボの休息場所?.2024.5.18. はコメントを受け付けていません

No. 961. フタスジサナエのメスたち.2024.5.17.

今日は,9:00-11:00,14:45-15:30と,2回ヤマサナエの産卵を見に行きましたが,不発でした.途中はフタスジサナエに切り替えて観察をしました.さすがにオスの姿もだんだんと少なくなり始めており,あちこちにぽつんと止まっているのを多く見かけました.オスが減り始めると不思議とメスが目につき始めます.今日は,休むメス,ちょっと変なメス,産卵メスの三者に出会いました.


▲まずは休むメス.フタスジサナエ.▲

成熟したメスに,産卵以外で出会うのはあまり多くはありません.まずは地面に止まって休むメスを見ました.次にちょっと変なメスです.このメス道を歩いていたら飛び立ち,池の水面で2回ほど打水(水飲みかもしれない)をして,岸に戻って草に止まりました.


▲水面に出て打水し,岸辺の草に止まったフタスジサナエのメス.▲

よく見ると腹端に卵塊が見えています.これは産卵を開始するかと待つことにしました.しかし一向に産卵をはじめません.いったん飛び立ちましたが,産卵するかと思うと,草にもつれ込むように飛んでまた止まりました.端から見るとうまく飛べない未熟なトンボのような動きです.


▲まだ腹端に卵塊が残っている.▲

しばらく様子を見ていますと,腹部を曲げ,後ろ脚で腹端をごそごそいじっています.何をやっているのだろうと興味が先に立ちシャッターを切るのを忘れてしまいました.実は腹端の卵塊を脚でこすり落としていたのです.ちょっと珍しい行動でしたね.記録できずに残念です.


▲腹端に卵塊がなくなっている.腹部第10節もまっすぐになった.▲

その後どうするか見ていると,すぐ横で別のメスが産卵をしているのを見つけました.このメス上下動が激しくて写真に撮りにくい動きをしていました.


▲産卵するフタスジサナエのメス.▲


▲体をひねって卵塊を飛ばす直前.▲


▲産卵は続く.▲

と,こんな感じの一日でした.ヨツボシトンボ,トラフトンボも活動をしていましたが,だんだんと池の春のトンボも数が減っているように思えます.今賑やかなのは川でしょうか.ヤマサナエの個体数も今年は少なそうですし,こちらはこれくらいにして,川のトンボ観察に方向転換するときが来たかもしれません.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 961. フタスジサナエのメスたち.2024.5.17. はコメントを受け付けていません

No. 960. ムカシトンボを見に行ったが少ない.2024.5.14.

そろそろムカシトンボの時期なので,今日は源流域へ出かけていきました.そういえば,川のトンボをまだ本格的に調べていません.近いうちにアオサナエやヤマサナエも産卵活動を始めるでしょうし,アオハダトンボやキイロサナエも羽化してくるでしょう.いよいよトンボの季節も力強く前進を始めたみたいです.

さて,ムカシトンボですが,いるにはいました.のべ10回ぐらいはオスが飛ぶのを見ましたが,実際は同じ個体で,せいぜい1,2頭がいただけのような気がします.そしてメスは全く飛ばず,今日の観察は失敗でした.オスの飛び方は探雌的で,同じ場所を旋回する摂食飛翔と違い写真に撮ることも難しい状況でした.たった1枚だけなんとかピントが来ていましたが,そのコマだけストロボが光らず真っ黒.調整してもうまくいかないので,いた証拠として白黒写真であげておくことにしました.


▲メスを探して飛ぶムカシトンボのオス.レトロな写真の感じがする.▲

ムカシトンボとセットなのはヒメクロサナエやクロサナエですが,こちらはまだ繁殖活動開始には若干早いという感じです.例年5月下旬に本格化します.でもオスたちはもう川面に降りてきて早く繁殖活動を始めたいというような雰囲気が感じられました.到着と同時に降りてきたのがクロサナエでした.ただこれ一回だけでした.


▲到着して腰を下ろし,「あっサナエだ」と気づいたのがクロサナエのオスだった.▲

この観察地では,ヒメクロサナエよりはクロサナエの方が若干産卵活動が早く始まりますので,今日出会えるかもしれないと,希望が持てました.あと,ヒメクロサナエは何度か降りてきて,楽しませてもらえました.今年はこちらの方が発生個体数が多いのかもしれません.


▲流れに降りてきたヒメクロサナエのオス.▲


▲音もなく川面に降りてくるヒメクロサナエのオスたち.▲

ヒメクロサナエのオスは,薄暗い川面にひっそりと止まることもありますが,だいたいは木漏れ日の当たる場所に止まっています.ただ,数分とどまるだけで,すぐに樹上へ上がってしまいます.なお,ヒメクロサナエのメスが,産卵場所のようす見でしょうか?,1頭降りてきて葉の上に止まり,すぐに飛び去りました.


▲ヒメクロサナエのメス.ようす見にでも降りてきたのだろうか?.▲

この場所には,13時過ぎまで,3時間ほどいました.結局,たいした成果が得られず,ここを離れることにしました.今日は雲一つない晴天で,気温も春らしくちょうどよかったのに,トンボたちの活動はもう一つというところでした.ムカシトンボの産卵痕も探しましたが,見つかりませんでした.まだ産卵活動を始めていないのでしょうか.また出直す必要がありそうです.そのときはサナエの産卵にも出会えるかもしれません.

待っている間,アサヒナカワトンボたちは飛び回って,産卵基質をのぞき込み,探雌活動をしていました.私のズボンに止まって休むヤツもいました.私は石か!.


▲私のズボンに止まって休むアサヒナカワトンボ.▲

さて,午後からは場所を移動し,まずはヒラサナエのようすを見に行きました.今年はヒラサナエの発生個体数が少ないようです.ここの個体群は小さく多分他から隔離されているので,こうやってときどきボトルネックになるような個体数減少が起きると,遺伝的多様性が低くなるのではないかということが心配になります.


▲ヒラサナエは午後が産卵の時間だが,まだ交尾をしていた.▲

そのあと,先日パスしたホンサナエの産卵を見に行くことにしました.これは夕方の観察になりますので,まず遅い昼食をとって,それから流れや池を一つのぞいて時間を潰すことにしました.ニホンカワトンボがたくさんいましたが,15:00,産卵活動は終わっているようでした.シオヤトンボは交尾をしていました.


▲シオヤトンボの交尾.▲

昼下がりの池にはやはり活動するトンボの数が少なく,クロイトトンボが飛び回っているだけという感じでした.そんな中,クロスジギンヤンマが1頭,あちこちの草陰をのぞき込みながら産卵メスを探して飛んでいました.まだ時間は1時間ほどあったので,飛翔写真を撮る練習をすることにしました.最近ちょっと腕が落ちてきているような感じがするので,結構素早くまた草陰をのぞき込むためにランダムな動きをするクロスジギンヤンマは格好の相手です.


▲急旋回して草陰に入ろうとするクロスジギンヤンマ.▲


▲196回シャッターを切って,うまく撮れたのは5枚(うち4枚を提示)だった.▲

約200枚ほど撮って5枚ほどなんとかピントが来ていましたので,成功率は2.5%ほどですね.コヤマトンボのなかまやオニヤンマ・ミナミヤンマのなかまを見に行くときには,最低でも50回ぐらいはシャッターを切れということでしょうか.まあ1000回くらいシャッターを切れば気に入るのが撮れるかもしれません.もっとも相手がそれだけ飛んでくれたらの話ですけど.

ということで,17:00が来たのでホンサナエの活動を見に行くことにしました.現地では,オスがまだ2頭,静止したり水面を飛んだりして活動していました.この季節の17:00は,太陽は傾いていますがまだ十分明るいです.ただ,午前中が好きな川のサナエトンボのなかまがこんな時間まで活動していることが面白いです.ちゃんとオスたちは知っているのですね.ただそんなオスたちも,17:30を過ぎたあたりで姿を消しました.


▲日が傾き影が長くなった.17:16.ホンサナエのオス.▲

18:30まで待ちましたが,メスらしい(暗くて確認不能)のが3回飛んだだけで,私の手の届くところに止まることはありませんでした.今日は昨日までの雨の影響か水が濁っており水量も増えていたので,砂底が目視できない状態でした.それが原因かどうかは分かりませんが,メスらしい個体はいつもの場所を通り過ぎるだけでした.

ということで,今日は目的が達成できなかった1日になりました.こんな日も結構たくさんあるものです.

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今年初見のトンボたち
No.25. ムカシトンボ.オス.
No.26. ヒメクロサナエ.オス・メス.
No.27. クロサナエ,オス.
No.28. ヒラサナエ,交尾.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 960. ムカシトンボを見に行ったが少ない.2024.5.14. はコメントを受け付けていません

No. 959. フタスジサナエの産卵.2024.5.10.

この三日間ほど曇りで低温の日々が続きました.今日は快晴.気持ちいいものです.春のトンボたちに会いに,また出かけてきました.今日のターゲットは,トラフトンボの卵塊形成とフタスジサナエの産卵です.

先日成虫の状況調査をした場所へ出かけてきました.ところがトラフトンボの数が減っていました.池を飛んでいるのが全部で2頭だけ.これでは交尾態が飛ぶのを見るのも難しそうな感じがしました.一方で小さな流れにはヤマサナエが5,6頭出てきており,ときどき追いかけ合いをしていました.今日うまくいけばヤマサナエの産卵に出会えるかもしれません.が,まずはフタスジサナエです.曇天が続いたので産卵意欲の高いメスが多いのではないかと思います.結果的には6頭のメスが産卵しているのに出会いました.


▲今日の1頭目の産卵メス.オスがいるせいかすぐに止まってしまう.▲


▲今日の3頭目のメス.突然飛び立ってホバリングしたのでオスかと思えばメス!.▲


▲3頭目のメス.このメスもよく止まる.▲


▲3頭目のメス.このメス複眼がちょっと変に輝いている.▲


▲4頭目のメス.実はこれら3頭はみな同じポイントで産卵している.▲


▲4頭目のメス.よくホバリングするメスだった.▲


▲4頭目のメス.体をひねって卵を岸の方に向かってばらまく.▲

今日はどういうわけか同じ場所で産卵に出会いました.じっとそこで待っているわけではなく,結構歩き回りながら,探したのですが,どういうわけかそこを通るたびに産卵しているのに出会いました.やはりメスにも場所の好みがあるのでしょうか.ただ私が見ても他と環境的に大きく違うようには思えませんでした.なお,2頭目は別の場所で出会いましたが,すぐに産卵を終えて飛び去りました.


▲6頭目のメス.そろそろ引き上げようかと思っているときに出会った.▲


▲6頭目のメス.岸の手前から撮ったので上からのアングルばかりになった.▲

5頭目のメスも帰り際に見ましたが,これもすぐに飛び去ってしまいました.それにしても曇天のあとの晴天,たくさん産卵を見ました.見ていないところでもやっていたはずですから,数はもっと多かったと思います.

そんなわけで,観察は大成功でした.あとこれら以外に出会ったトンボたちを紹介しておきましょう.


▲5,6頭が流れに出ていた,ヤマサナエ.▲


▲例によって,驚かせると飛び上がってホバリングして様子をうかがう.▲


▲シオカラトンボたちもたくさん活動をしており,だんだんと数が増えている.▲


▲ヨツボシトンボは数が減り始めた気がする.先日より少ない印象だった.▲


▲クロイトトンボは非常にたくさんいた.でもイトトンボは全部クロイトトンボ.▲


▲クロスジギンヤンマのメス.執拗に追いかけ回したせいか,すぐにいなくなった.▲

さて以上です.次のターゲットはヤマサナエの産卵になりそうな雰囲気です.来週は晴れの日が続きそうで,ゆっくりとメスと根比べしましょう.

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No. 958. ヨツボシトンボの産卵活動.2024.5.5.

今日のターゲット観察種はヨツボシトンボです.以前よく観察に出かけていたヨツボシトンボの池が工事によって完全に改修され,しばらく水のない状態で置かれ,現在植生も何もない池になってしまいました.2020年にそこでビデオを撮ったのが最後で,新しいヨツボシトンボの観察場所を探していました.今回見つけた場所はヨツボシトンボが10~20頭ほど飛んでいて,十分繁殖活動観察が期待できるところです.


▲ヨツボシトンボのオス.10頭以上が飛び回っていた.▲

朝の8:30頃に現地に入り,観察を始めました.9:00過ぎ,対岸にメスが入りました.あちらにすればよかったかとちょっと後悔….しかしすぐに私の待つ側にもメスが入りました.岸に沿ってヒメガマが刈り取られ,細い水路のようになっているところです.メスはここに入るという勘が当たりました.


▲ヨツボシトンボの交尾.飛びながら十数秒で終わる.▲

産卵メスに近づいていきましたが,動き回り,まだ撮影できる状態ではありません.すると,案の定オスに見つかり交尾を強要されました.ラッキーだったのは目の前で,しかも植生があって他からは見えない場所なので,ほぼ同じ位置で停止飛翔しながらの交尾でした.普通は他のオスに追われ交尾状態のまま飛び回り,しかも十数秒で交尾を解消するので,撮影はとても困難な対象なのです.交尾が終わると産卵を再開しました.


▲メスはオスが交尾を解いたあと産卵を再開した.▲

しばらく産卵を続けていると,多分別のオスが,再び交尾を強要しました.ヨツボシトンボは,オスの多い池ではこうやって何度も異なるオスに交尾をされながら産卵を続けます.もうメスも織り込み済みなのでしょうね.ほとんど産卵に影響を与えることもなく,さらに産卵を継続しました.ただ,今度はヒメガマの植生内にもぐり込むようにして産卵を始めたので,撮影はここまでとなりました.


▲再び交尾をされるメス.ここもヒメガマの陰になる場所で,停止飛翔していた.▲


▲ヒメガマの植生内にもぐり込んでいった産卵メス.▲

今日は合計4回,メスを見ました.もっとも1時間ほどトラフトンボの観察に時間をとったので,もっと来ていた可能性はあります.この場所はヨツボシトンボの観察にはよい場所であることが判明しました.

ヨツボシトンボで早々に成果が得られたので,次はトラフトンボの卵塊形成観察といきましたが,こちらは交尾態で飛ぶペアすら見ることはありませんでした.オスたちは池に出て飛び回っていたのですけど...


▲池を飛び回るトラフトンボのオス.▲

これ以外には,フタスジサナエやクロイトトンボがたくさん活動していましたし,ヤマサナエが姿を現していたり,ギンヤンマ,クロスジギンヤンマ,ニホンカワトンボなどが見られました.


▲フタスジサナエは非常にたくさんいたが,今日は産卵を目にしなかった.▲


▲早々にヤマサナエが流れに出てきていた.5月中旬には産卵が観察できそうだ.▲


▲今までここであまり見た記憶がないが,ニホンカワトンボもいた.▲

クロイトトンボは,この池でも次々と羽化個体が飛び立ち,一方ですでに成熟した個体が繁殖活動を行っていました.しかしクロイトトンボ以外のイトトンボは姿を確認できませんでした.


▲羽化して飛び立ったあとのクロイトトンボ.▲


▲昨日若いメスには気品があると書いたが,粉を吹く前の若いオスも気品がある.▲


▲クロイトトンボのタンデム.トンボよりジュンサイを食うハムシの類いが多い.▲

クロイトトンボのタンデムを撮った葉の上には,ハムシ類でしょうか,たくさんくっついて葉を食べていました.こういう小さな虫たちがたくさんいるからトンボの数も多いのでしょう.この池がきつい薬剤を使っていない証拠です.見た目は汚く見えるかもしれませんが,これが自然の姿です.

といった感じで今日の観察を終えました.2時間ほどの観察でしたが,成虫出現調査のおかげで効率よく観察が出来たようです.交尾態で飛ぶトラフトンボを見られなかったのが残念でした.

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No. 957. オグマサナエの観察.2024.5.4.

この二日間成虫の出現状況を調べ,今後の観察の方向性を決めることができるようになりました.まず最初は,オグマサナエの産卵場所を突き止めることから行うことにしました.オグマサナエについてはすでに2ヶ所ほど産卵場所を突き止めています.今回は今年羽化を見た池でそれを探そうと思います.


▲今日の観察ポイント.背景にほぼまっすぐ落ち込む岸壁が存在する.▲

オグマサナエは,池のまわりに大なり小なり樹木があって,その陰になるようなポイントで,かつ池の岸辺が急勾配になって水面に落ち込んでいるような微小環境を好んでいるように感じます.今年羽化を見た池にも,一角にそのような微小環境があります.そこに目星を付けて待つことにしました.上の写真には,そういった場所に止まるオグマサナエのオスが写っています.


▲私が着いたとき,日当たりのよい場所にフタスジサナエが1頭いただけだった.▲

現地に入ったのが10:00ごろです.池岸には,日当たりのよい場所に止まるフタスジサナエのオスが1頭見られただけでした.まだコサナエ属のオスは活動を開始していないのでしょうか.池はトンボたちの喧噪がなく,とても静かです.まあ待つしかないでしょう.

と腰を下ろして観察ポイントに目をやると,メスが池岸に向かって動いている姿を確認しました.まだ気持ちの準備すらできていないタイミングです.近づいていきましたが,初めのうちピントを合わせるのに手こずり,時間をロスしました.メスは少し移動し産卵を続けています.やっと私の集中力も目覚めてきて,手応えのあるシャッターを切り続けましたが,いかんせん,産卵はもう終わりを迎えたようです.背中の構図を数枚撮った時点で,メスは飛び去りました.


▲私に背中を向けて産卵するオグマサナエのメス.▲

撮影後写真を検討すると,オグマサナエでした.到着時のトンボのいない状況にちょっと油断したようです.12:00まで待ちましたが,結局産卵メスはこの1頭だけでした.ここが産卵ポイントだということはメスの登場で明らかですが,オスたちもよく知っているようで,そのあと何度もその産卵ポイントが見える位置にやって来て止まりました.


▲追い払っても追い払っても,この場所に戻ってくるオス.▲

最初の写真のオスと上の2枚のオスは,多分同じ個体だと思います.オスがいると産卵に来たメスを持って行かれるので,毎度のことながらトンボのオスとのなわばり争いを繰り広げました.しかし何度驚かせて追い払っても,しばらくするとこの場所に戻って来るのです.このポイントへの執着心が強いことが分かります.このポイントへは少なくとも2頭のオグマサナエオスが訪れました.


▲上の一連の写真とは異なる個体のオグマサナエオス.淡色部の色が異なる.▲

ここ以外の池岸は日当たりがよくなっていて,そこにはオグマサナエではなくフタスジサナエばかりが止まっています.そして私の見ているポイントにはフタスジサナエは入ってくることがありませんでした.微妙にオスの待つ場所がこの2種では異なるようです.ちなみにフタスジサナエのオスは10:30頃から数が増えました.


▲日当たりのよい池岸に止まるフタスジサナエのオス.▲

こういう感じで今日の観察を終えました.もう一つ別の池,先日タベサナエの産卵を見た池に行ってみましたが,こちらも静かでした.オスが1頭日向でメスを待っていました.「悪天候後の晴天続き3日目は産卵個体が少ない」というジンクスが当たったようです.


▲日向でメスを待つタベサナエのオス.▲

私の持っているオグマサナエの産卵場所に対する経験値がまた少し積み上がったように思えました.明日もまた晴れそうです.明日の課題は何にしようか...

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No. 956. 成虫出現状況調査 北部.2024.5.3.

今日も昨日に引き続き,成虫の出現状況を調べに行きました.今日は兵庫県北部の方の出現状況です.南部のコサナエ属がしっかりと活動を始めていたので,北部の方に分布するコサナエの状況を見るのが一つの目的です.

さて,まず最初は,ホンサナエの生息地を訪れました.今年の状況はどうでしょうか.川に入ると,早速,オスが飛びました.水面を素早くジグザグに飛びます.体はスマートとはいえませんが動きはそれに似合わず敏捷です.


▲今日最初に出会ったトンボ,ホンサナエのオス.▲

川を歩くと,さらにオスがあちこちから飛び立ち,全部で6,7頭はいたように思います.激しく追尾をして,若い個体は活動が活発です.


▲活発に飛び回るが,結構同じところに戻ってきて止まる.▲

私が近づくと敏感に感じ取り飛び立ちます.自分が止まっていた場所が気に入っているのか,私のまわりをうろうろと飛んでいます.少しすると諦めたのか,水面をホバリングして飛びます.夕方によく見せる飛び方です.


▲水面を飛び回るホンサナエのオス.▲

しかししばらくすると止まり場所を変えて,一休みします.葉っぱに止まるより地面の方が好きなようで,砂州に止まったり,石を積んだ護岸に止まったりします.


▲地面に止まるのが好きなホンサナエ.▲

今日夕方までねばればメスの卵塊形成が見られるかなと思いましたが,今日は成虫の出現状況調査で,できるだけ多くの種類のトンボの状況を調べることが目的ですので,止めました.

次は本命のコサナエです.コサナエのいる池に向かいました.コサナエのオスは池にたくさん出ていました.20頭ぐらいはいたでしょうか.時刻も10:30ぐらいで,産卵にはちょうどよい時間帯です.


▲池に出て,メスを待っているコサナエのオス.▲


▲木漏れ日のある日陰でメスを待つコサナエのオス.▲


▲池岸から伸びたシダの葉に止まるコサナエのオス.▲


▲驚かせると飛び立ってしばらくホバリングする.▲

池の周囲を歩いて産卵メスを探しました.ほどなく,池岸で産卵しているメスを見つけました.産卵するコサナエは結構動き回るので,写真に撮りにくい相手です.


▲今日の産卵メス第一号.割合短時間で飛び去った.▲

産卵は集中するので,気を引き締めて次のメスを待ちました.しばらくすると同じところにまたやって来ました.最初の個体は驚いて逃げたようで,ひょっとしたら同じ個体かもしれません.こちらも短時間で産卵を終えました.


▲体をねじって卵を飛ばす.腹端に付く卵塊と,落下する卵が写っている.▲

このあと産卵に来なくなりましたので,場所を変えてみました.ホソミオツネントンボがまだまだたくさん活動していますし,オオイトトンボも飛び回っています.コサナエのオスも岸辺でメスを待っています.イトトンボたちを観察していると,産卵メスが入ってきました.ここは陽が当たっているので,撮影には好条件です.


▲草の中に入り込んで産卵するコサナエ.▲

ということで,コサナエたちは例年通り,ゴールデンウィークに産卵活動をたくさんやっていました.

コサナエを観察しているときに,未熟なヤマサナエが私の前に姿を見せました.これは私が探して見つけたのではなく,向こうから飛んできたのです.「私を忘れないでください」てな感じで,しばらく写真が撮りやすいように静止してから飛び去っていきました.それもオスとメスが1回ずつです.


▲ヤマサナエの未熟なオスとメス.黄色が鮮やかで美しい.▲

沖縄で見たヤエヤマサナエに比べると黄色の部分が少し小さく,黑っぽいサナエトンボですが,未熟期は黄色が鮮やかです.オスは特に成熟するとくすんだ緑褐色になりますから.そうそう,この池に来る前に,もう一つ『「私を忘れないで」出現』のサナエトンボと出会いました.アオサナエです.時期的には少し早い感じがしますが,ホンサナエに混じってときどき姿を現しますので,こんなものかもしれません.


▲突然目の前に現れて,写真を撮ったら遠くへ飛んでいったアオサナエのオス.▲

なんか今日はトンボたちのサービス精神に支えられている感じです.さて次はここへ来たもう一つの目的であるオオイトトンボです.オオイトトンボも最近南部ではあちこちで姿が消えたり個体数が減少したりと,なかなか見るのが難しいトンボです.ここには割合にたくさんいますが,昔に比べたら相当減っている気がします.今日のオオイトトンボはほとんど岸に近づかず,池の真ん中ばかりで活動していました.ですから,ぎりぎり写真を撮って,超トリミングするしか手がありませんでした.


▲唯一1mぐらい近くにやって来たオオイトトンボのオス.▲

オオイトトンボはほとんどがオス単独で飛び回っているばかりでした.11時を過ぎたあたりから,ポツポツタンデムのペアが見られるようになりました.


▲オオイトトンボの移精行動.セスジでは見たことがあるがオオイトでは初めて.▲


▲3mぐらい離れている.まだ小さなヒシの葉に止まって交尾.▲


▲4mぐらい離れている.産卵するペア.上の写真とは異なるペアである.▲

最近のデジタルカメラは本当に性能が向上したと感じます.上の産卵の写真などはほとんどドット・バイ・ドット(つまり6048×4024ピクセルの画像から640×480ピクセルを切り取った)ぐらいまでトリミングしているのですがなんとか見られますものね.

オオイトトンボより数が多かったのがホソミオツネントンボ,それに混じって少しだけいたのがホソミイトトンボ,当然成虫越冬の彼らは今も活動の最盛期です.クロイトトンボは次々羽化して飛び立つのが見られました.キイトトンボも羽化し始めていたようです.ただ白い体の個体は見間違いが起きる可能性があるので,また後日確認することにします.なおクロイトトンボの方は若いメスを見ました.


▲ホソミオツネントンボはまだたくさん活動をしていた.▲


▲ホソミイトトンボは数は少ないが繁殖活動最盛期という感じであった.▲


▲クロイトトンボのメス.クロイトトンボの若い個体はオスメスとも気品がある.▲

なお,この池で観察中,ずっとクロスジギンヤンマが飛び回っていました.2頭いたようですが,1頭は池に入ってくるとすぐに追い出されていました.産卵メスは写真に撮りやすいのですが,パトロールオスは苦労してやっと1枚というところです.


▲池をパトロールするクロスジギンヤンマのオス.▲

さて,調査のテーマ種はクリアできましたので,残りのトンボたちを紹介しておきましょう.シオヤトンボは例によってあちこちを飛んでいました.ハラビロトンボの未熟な個体が散見されました.シオカラトンボもいました.


▲シオヤトンボのオス.▲


▲ハラビロトンボの未熟オスと未熟メス.▲

さて,コサナエの池での観察は十分できましたので,あと近くの細流に入ってアサヒナカワトンボを見つけて終わろうと思いました.ニホンカワトンボの方は,ホンサナエの川にもたくさん飛んでいましたし,完全に繁殖活動期に入っています.ただ,今日は産卵を見ることができませんでした.


▲ニホンカワトンボは,オスもメスもたくさん流れに出ていた.▲


▲アサヒナカワトンボも薄暗い流れで繁殖活動を始めていた.▲

ということで,好天に恵まれ,たくさんのトンボたちに出会うことができました.今年は兵庫県北部も南部も,順調にトンボたちに出会えているような気がします.あとムカシヤンマに出会えていれば完璧でした.ということで,初見のトンボたちをまとめておきましょう.

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No.17. コサナエ.オス・メス・産卵
No.18. ヤマサナエ.オス・メス
No.19. ホンサナエ.オス
No.20. アオサナエ.オス
No.21. オオイトトンボ.オス・メス,産卵
No.22. クロスジギンヤンマ.オス
No.23. ハラビロトンボ.オス・メス
No.24. アサヒナカワトンボ.オス・メス,交尾

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 956. 成虫出現状況調査 北部.2024.5.3. はコメントを受け付けていません

No. 955. 成虫出現状況調査.2024.5.2.

4月が終わり,5月に入りました.過去の状況を考えても,5月に入るといろいろなトンボが活動を開始するはずです.今後のよい観察材料を決める上でも,今日は春のトンボの出現状況と活動状況を確かめに行くことにしました.まずはイトトンボから.アオモンイトトンボとアジアイトトンボはもう出ているはずですので,それから確認することにしました.

池に着いたとき最初に出会ったのはなんとセスジイトトンボでした.この池に昔はたくさんいたのですが最近は見かけたり見かけなかったりします.次に見たのがクロイトトンボ,なんか,アオモンイトトンボやアジアイトトンボがいません.少し探索範囲を広げると,アオモンイトトンボはたくさんいました.もうスズメノヒエが伸びつつある池の上を飛んで,しっかりと活動を始めていました.ただ,どういうわけか,アジアイトトンボの姿はありませんでした.


▲セスジイトトンボのオスとメス.結構早く出ています.▲


▲クロイトトンボのオスとメス.メスはクモを食べている.▲


▲アオモンイトトンボのオスとメス.アオモンイトトンボもクモを食べている.▲

アオモンイトトンボは,よく草の葉や茎をつつくような動作をします.あれはクモを捕っているんですね.普通クモが昆虫を捕って食べるのが食物連鎖ですが,トンボはときどきこのようにクモを捕って食べています.草に付く小さなクモですけど.

今日は気温が低いという予報で,風も吹いてちょっと肌寒かったのですが,アオモンイトトンボたちは気にせず飛び回っていました.いやはや元気です.アオモンイトトンボを探して歩いているとき,足下から黄色いトンボが飛び立ちました.ショウジョウトンボです.ショウジョウトンボは,昔は夏のトンボというイメージがありましたが,最近は4月から姿を現しています.


▲羽化直後と思われるショウジョウトンボのメス.▲

イトトンボの確認はできましたので,次はトラフトンボやヨツボシトンボといった春季種を確認しに行くことにしました.最近この2種が見られるところが少なくなったような気がします.それも間近に見ることができる場所が特になくなって来つつあるように思えます.果たして今日は飛んでいるでしょうか.

場所を変えると,まず目に付いたのがトラフトンボでした.最終的に6頭を確認できました.これは時間をかけて観察すれば,卵塊形成の場面に遭遇できるかもしれません.


▲池の上を飛び回るトラフトンボのオス.▲


▲ヒメガマの枯れ葉に止まって休むトラフトンボのオス.▲

下の写真はオスと判断していますが,翅の前縁に濃褐色のラインが存在するように見えるのでメスかもしれません.ただメスはもっと腹部が太いし,大きな産卵弁も見えませんので一応オスにしています.ヨツボシトンボの方は,トラフトンボの飛ぶ池で,ヒメガマの植生内で活動をしていました.


▲ヨツボシトンボのオスたち.▲

この2種,繁殖活動期に入っているようですね.ねばれば産卵にやってくるメスも狙えそうです.まだ晴れが続きそうですし,メスの成熟はこれからでしょうから,チャンスはありそうです.ということで次はコサナエ属の活動状況です.そろそろタベサナエやオグマサナエは産卵活動を始めているのではないでしょうか.

そこで,この4月オグマサナエやタベサナエの羽化を観察した池に,行ってみました.


▲フタスジサナエは,トラフトンボの飛ぶ池でオスがたくさん水辺に出ていた.▲


▲オグマサナエのオスは池に出ていて,メスを待っているようだった.▲

コサナエ属のトンボたちは,もう未熟期を終えて,繁殖活動期に入っているようでした.オスたちはみんな池に出ており,草むらなど,未熟期を過ごす場所ではほとんど見つかりません.これは産卵活動の観察も期待できそうです.時間的にここへ来たのが12時をまわっていたので,ちょっと厳しいかもしれないと思い,春にタベサナエの羽化をたくさん見た池で入ってしばらく待つことにしました.オスはすでに水辺で活動を始めています.


▲タベサナエも水辺でメスを待っているようだ.▲

しばらく水辺で立っていたとき,すぐ向こうで産卵しているメスを見つけました.久しぶりの産卵撮影で,ピントを合わせられません.結局草に止まった1枚だけで,全部だめでした.昨年秋以降トンボ観察をやっていなかったせいですね.


▲産卵メスがハリイ?に止まった状態.腹端に卵塊が出ているのが分かる.▲

コサナエ属の産卵は,経験上集中することが多いので,待ってみることにしました.時刻は12:50を少し過ぎた頃です.春のトンボは,気温が最も高いこの時間帯に産卵に来ることも多いのです.特に今日は気温が低めで,ここは日陰ですから余計にそうでしょう.

ほどなく,次の産卵個体がやって来ました.やはり集中しますね.時刻は13:02.今度の個体は枯れ枝のあるところで産卵しています.やはり他から見えにくいところが好まれるようです.


▲13:02,2回目の産卵観察.今度は少しピントが来た.▲

2回目の飛翔産卵の撮影,今度は少しうまくいきましたが,それでも微妙にピントがずれています.考えてみると,このカメラ修理に出したので,いろいろな状態が初期化されているかもしれません.視度調整を厳密にやって見ました.やはり少しずれていたようです.さて,もう来ないかもしれませんが,もう少し待ってみることにしました.なんせ昨日まで悪天候で今日は晴れていますから,経験上産卵密度は高いはず.腰を下ろして待っていると,13:23,やって来ました産卵メス.


▲3回目は比較的ピントが来た.産卵するタベサナエのメス.▲

トンボ撮影もはやり慣れて感覚を忘れないようにすることが大切です.このあと,オグマサナエの産卵もねらってみましたが,不発でした.帰り際,ムカデさんの遊泳を見ました.ゲストで紹介しておきます.


▲水に落ちたのだろうか,ムカデさんが遊泳していた.▲

いよいよ春のトンボたちの繁殖活動も本格化してきたようです.しばらくは忙しくなりそうです.今日は,上記で紹介した以外にはクロスジギンヤンマとヤマサナエを見ました.

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No.12. セスジイトトンボ.オス・メス
No.13. アオモンイトトンボ.オス・メス
No.14. ショウジョウトンボ.メス
No.15. トラフトンボ.オス
No.16. ヨツボシトンボ.オス

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 955. 成虫出現状況調査.2024.5.2. はコメントを受け付けていません