No.799. タイワンウチワヤンマを見に行った.2021.8.1.

タイワンウチワヤンマの産卵をどうしても記録したくて,今日は少し遠出をして,観察をしました.この場所は毎年のように来ているところで,産卵に結構やって来るのです.

▲ときどき飛んで縄張りをパトロールするタイワンウチワヤンマのオス.▲

ここへは毎年8月の中旬にやって来るのですが,少し早いせいか,個体数はあまり多くありませんでした.それでも,メスは4回入ってきました.うち2回は遠くで交尾して雄に連れ去られてしまい,観察はほとんどできませんでした.あとの2回は目の前にやって来ましたが,すばしこく動きまわり,目的の打水の瞬間を写真に収めることはほとんどできませんでした.

▲産卵にやって来たメス.▲

▲打水場所のねらいを定めているメス.▲

▲2回目に入ってきたメス.植物の茎のあるところに打水している.▲

なかなか難しいトンボです.あとはオオヤマトンボが飛んでいました.

▲オオヤマトンボのオス.▲

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No.798. タイワンウチワの産卵観察に行ったが.2021.7.27.

タイワンウチワヤンマの産卵を見たくて,近所の森林公園へ昨日・今日と出かけていきました.タイワンウチワヤンマはウチワヤンマより植生の豊かな池が好みのように思えます.浮葉植物がびっしりと茂った池にもよく入りこんでいます.最近のため池の荒れ方を思うと,人の手で管理された公園の池の方が,景観が素晴らしいです.希少種はなかなか入りこまないのですが,普通種を観察するなら,こういった公園が一番いいように思います.

▲森林公園の池.▲

▲池の畔でメスを待つタイワンウチワヤンマのオス.▲

タイワンウチワヤンマの産卵は,ウチワヤンマと違い,同じ場所で産卵を続けることが少ないようです.ウチワヤンマのように,交尾態で他のオスに邪魔されない産卵場所を探索することをしないからかも知れません.オスはメスを捕まえると短時間で交尾を終え,すぐにメスを放します.

▲短時間の交尾のあと,オスがメスを放した瞬間.▲

メスは二日間で3頭入ってくるのを見ました.そのうち2頭は交尾をしただけですぐに飛び去ってしまいました.産卵をしたのは1頭でしたが,これもオスに追いかけられ,交尾を強要されて,結局は飛び去ってしまいました.

▲産卵に入ったタイワンウチワヤンマのメス.▲

目的は達することができませんでしたが,他のトンボたちは次々に産卵をしてくれました.ショウジョウトンボ,コシアキトンボ,チョウトンボなどです.

▲ショウジョウトンボの産卵.▲

▲コシアキトンボの産卵.▲

▲チョウトンボの産卵.▲

この池には珍しくムスジイトトンボがいました.ムスジイトトンボはどちらかといえば数が少ないクロイトトンボ属です.あとセスジイトトンボもいました.こちらもいないいないと騒いでいたのですが,ことしはちょこちょこ出会えています.アオモンイトトンボの交尾も見ました.

▲ムスジイトトンボのオス.下のセスジイトトンボより青みが強い.▲

▲セスジイトトンボのオス.▲

▲アオモンイトトンボの交尾.▲

まあ,普通種ばかりでしたけど,この池ではムスジイトトンボを探すというのも隠れた目的でした.後日これをねらいにまた来たいと思います.

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No.797. ナゴヤサナエが生き残っていた.2021.7.18.

梅雨明けが宣言され,いよいよ夏が来ました.今日は,夏のヤンマなどを観察に出かけることにしました.目的地へ行く途中,ナゴヤサナエの生息地に立ち寄ることにしました.ナゴヤサナエは,2013年に観察して以来姿を見ることができないままでいました.その後も何度となく観察に出かけましたが,すべて不発でした.ただ,これまでは過去の成功体験に囚われ,夏の終わりから秋口にかけての観察ばかりでした.しかし真夏から出現していることは事実でしたので,今日は梅雨明けの夏一番に行ってみることにしました.

現地に着いて水面を見ますと,ナゴヤサナエらしいトンボが上流に向かって通り過ぎるのを目撃しました.すぐに姿が見えなくなったので,しばらく待ってみました.30分くらいしたとき,また現れました.写真を撮って確認すると,間違いなくナゴヤサナエでした.生き残っていたのです.

▲水面を独特のスタイルで飛ぶナゴヤサナエのオス.▲

これに気をよくし,ウェーダーをはいて,川に入りました.しかしその後30分以上待っても,すがたを現しませんでした.時間が経ち暑くなってきたせいかもしれません.また個体数が非常に少ないようです.これは後日仕切り直しです.もう少し季節が進めば個体数も増えるかも知れませんし….

ということで,次の目的地へ出かけました.夏のヤンマを見る前にちょっとだけ一つの池をのぞいてみました.オオイトトンボ,ショウジョウトンボ,チョウトンボ,シオカラトンボ,キイトトンボなどが活動していました.クロスジギンヤンマもまだ飛んでいました.

▲キイトトンボの産卵.▲

▲池の日陰を選んで飛ぶクロスジギンヤンマのオス.▲

さて,目的はヤブヤンマ.目的地に着いて,しばらく待ちました.オスが2頭入ってきましたが,数回旋回して飛び去りました.1時間ほど待ってもメスは産卵にやって来ませんでした.そこで,池の周囲を少し回ってみることにしました.私が待っていたところと反対側でヤンマが産卵していました.よく見ると,ネアカヨシヤンマでした.ネアカも早い時期から産卵しているのですね.

▲あちこち移動して産卵を続けるネアカヨシヤンマのメス.▲

例によって,あちこちを移動しながら,産卵を続けていました.まだ若いせいか,敏感で,近づくのが結構大変でした.ある程度追いかけ回したら,ヤンマの方も嫌気がさしたのか,産卵を中断して木に止まりました.

▲木に止まったネアカヨシヤンマのメス.▲

最後はこの時期の午後といえば,ヒヌマイトトンボです.今年は産卵が見られるか,というところです.なかなか産卵を見ることができませんでしたし,とにかく暑いので,長時間待つことができません.見に行ったときに産卵をしてくれていないととても体が持ちません.ところが,今日は,ジャストタイミングでした.何年も通って,初めてです.

▲ヨシの林の中で産卵をするヒヌマイトトンボ.▲

小さいので近づきたいのですが,ヨシの中で産卵しているので,近づくことができません.さらにヒヌマイトトンボの産卵中のメスは,モートンイトトンボと同じくらい敏感で,人間の気配を感じるとすぐに産卵を止めてしまいます.実はこの写真のメスは3頭目です.今日は他の2頭のメスも産卵行動をとったのですが,私の動いた気配でどこかへ消えてしまいました.これももっと近づきたかったのですが,もうこのままの位置で撮ることにしました.

▲ヒヌマイトトンボの産卵.▲

産卵観察中,背中に陽が当たり,ものすごく暑いです.長靴に当たる直射日光が強くて,長靴の中の足が痛いほどです.あとで気温を測ると37度ありました.体温より高い気温です.

▲ヒヌマイトトンボのオス.▲

だんだんと息苦しくなり,呼吸も上がって,ふらふらしてきました.熱中症になりかけなのかも知れません.ということで,まだ産卵を観察できるかも知れませんが,ここで終わりにしました.帰りはクーラーをガンガンにかけ,体を冷やしたところ,やっと平常に戻りました.いやはや,命がけの観察ですね(笑).

ということで,今日はおしまいにしました.疲れました.

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No.796. 街中の公園めぐり.2021.7.11.

梅雨明けはまだですが,今日は天気予報と違って,朝から青空が出ていました.そろそろ夏のヤンマが出てきそうですが,ヤンマが見られそうなところは雨の予報.そこで,自宅上空の青空を信じて,街中の公園巡りをすることにしました.ねらいはタイワンウチワヤンマです.そろそろすがたを現す時期になりましたから….

まずは一つ目の緑地公園.公園の駐車場に車を止め,中の池の畔に着くと,早速目的達成です.タイワンウチワヤンマが池の畔で活動をしていました.

▲体色が鮮やかな若いタイワンウチワヤンマ.▲

そのほかには,チョウトンボ,コシアキトンボ,ショウジョウトンボ,シオカラトンボ,クロイトトンボ,ギンヤンマなどが見られました.

▲シオカラトンボのオスとメス.メスは産卵中.▲

▲ショウジョウトンボのオス.▲

次は公園ではありませんが,ずっと以前コフキトンボがものすごい数いた池の様子をちょっとのぞいてみることにしました.この池は本当に住宅街のまん中にぽつんと残された池です.しかし,トンボの姿はほとんどなく,コフキトンボが3頭ほどと,ウチワヤンマ,コシアキトンボ,シオカラトンボが1,2頭見られただけでした.池はプランクトンが大量に出ているのでしょうか,入浴剤を入れたような緑色をしていました.あのコフキトンボの大群は遠い夢物語になりつつあるようです.

▲かろうじて生き残っていたコフキトンボのオス.▲

ということで目的地の親水公園に行きました.ここはガガブタが密に茂っていて,浮葉植物で水面が覆われた池です.田園地帯の池は,外来生物のせいでしょうか,最近は浮葉植物がびっしりと茂る池が激減しています.結局外来生物が侵入しにくい都会の真ん中にある,人の管理が入っている池にこういった水生植物は生き残っています.この池にはクロイトトンボとチョウトンボ,そして隣の池にウチワヤンマがいました.まだタイワンウチワヤンマは出ていませんでした.

▲街中の親水公園で,ガガブタやヒシの葉に産卵するクロイトトンボたち.▲

こういう池は,かつては,トトロの森のような田園地帯にあったものでした.本当に田園地帯は生物的に荒れが目立ちます.

次は,公園ではありませんが,散策路が周囲にめぐらされている,ため池ミュージアムの一つの池です.ここには,チョウトンボ,コフキトンボ,ショウジョウトンボ,ギンヤンマ,アオモンイトトンボがいました.この池に来たのは午後になっていましたので,アオモンイトトンボが産卵をしていました.見ようと思うとなかなか出会えないのに,ちょっと寄ったときには,2頭が目の前で産卵しているんですね.

▲チョウトンボはたくさんいたが,齢がだいぶん進んでいる感じがした.▲

▲アオモンイトトンボの産卵.腹部を大きく曲げるときは翅を開く.▲

街中の池を回るだけでも,結構時間がかかるものです.今日はあと一つにしました.今年何度となく通った,ウチワヤンマとコフキトンボの池です.でも,コフキトンボは数が減っていました.池の外には,若いやや小型のコフキトンボがいて,二化目のように思えました.またウスバキトンボが池の外で群飛していました.

▲まだ若い感じがするウチワヤンマオス.▲

▲コシアキトンボが相変わらず元気である.▲

▲池の外の道路上でウスバキトンボが摂食飛翔をしていた.▲

結局最後まで快晴状態で,半袖で腕が真っ赤に日焼けしました.この時期は本当はヒメサナエやオジロサナエも見に行きたいのですが,豪雨のあとの山中林道は怖いですので,もう少しして水が引いてから行くことにします.

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No.795. つかの間の晴れ.2021.6.29.

今日は朝のうち雨がぱらつきました.しかし午後には日射しが戻ってきました.そこで,今日は,チョウトンボの発生状況を見に行ってきました.現地に入ったのは14:10ごろでした.暑い日差しものもと,チョウトンボたちは水面を飛び回っていました.交尾状態で飛んだり,産卵をしていたりと,つかの間の晴れを最大限活用しているみたいでした.

▲チョウトンボの交尾.▲

▲金色型のメス.▲

▲オスと同色型メスの産卵.▲

急に天気がよくなると色々なトンボが一斉に活動を活発化するようです.ギンヤンマも産卵にやって来ました.

▲連結産卵,単独産卵,ギンヤンマも産卵にやって来る.▲

ここへは,春にアオモンイトトンボをよく見に来ていました.しかし今日はアオモンイトトンボの姿をほとんど見かけません.この時期一時的に数が減って,あと半月もすれば二化目が出て個体数が増えるのかも知れません.それでも,オスや産卵メスが少しだけ見られました.

▲アオモンイトトンボの数は非常に少なかった.▲

そして,今日初めて見たのが,アジアイトトンボの潜水産卵です.図鑑などではときどきやっていると書かれていますが,見たのは初めてです.ここへは,アジアイトトンボやアオモンイトトンボの産卵を観察するためによくやって来ているのですが,個体数の割になかなかその姿が見られませんでした.潜水産卵を多くの個体がやっているのならば,産卵を見つけにくかったことが納得できます.

▲アジアイトトンボの潜水産卵.あっという間にもぐってしまった.▲

▲こんな感じでスズメノヒエ類の茎に潜水産卵をしている.▲

アジアイトトンボはキシュウスズメノヒエやチクゴスズメノヒエなどの群落内によく見られます.ひょっとしたら写真のような感じで,かなりの頻度で潜水産卵をやっているのかも知れません.潜水産卵は,潜るところを見つけないとなかなか発見が難しいので,気づかないということはあり得ることです.

15:00を過ぎると,急に雲が出てきて,トンボたちの活動もパタッと止みました.夏のトンボたちも日射しが好きなのですね.一時間にも満たない観察でしたが,色々なトンボたちの行動に接することができました.

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No.794. 昨日の続きで.2021.6.25.

どうもコフキトンボの産卵に出会えないので,時間帯を変え,今日は朝早くに出かけてみる予定にしていました.しかし朝起きると空はどんよりした曇り空.データ放送で天気予報を見ると,9時過ぎから昼過ぎまで雨の予報.ちょっと出鼻をくじかれた感じでした.行くのをためらっていると,日が射してきました.梅雨の天気予報はよく外れるので,データ放送の予報を無視して出かけることにしました.想定より1時間ほど遅れて,8:30の到着でした.着くなり,道路上をコフキトンボの交尾態が横切りました.やはり朝早くに繁殖活動をしているようです….

池の土手に上がると,さっそくウチワヤンマの交尾態が止まっていました.ということで,今日はまずウチワヤンマから紹介していきましょう.

▲8:29,ウチワヤンマの交尾静止.▲

この交尾カップルは見失ってしまいましたが,別のものと思われるカップルが池の横を飛び,少し向こうの方で姿が消えました.こういうときは産卵している可能性が高いのです.オスはメスを放した後,しばらくの間産卵警護をしますので,せわしなく狭い範囲を飛んでいるオスを探せば,産卵している場所が見つかります.結果その通りで,岸に生えている草の間からのぞき込んで記録を撮りました.

▲浮かぶヒシの実などに卵を貼り付けて産卵しているウチワヤンマのメス.▲

その後,コフキトンボの交尾態が飛んだり,コシアキトンボが産卵を始めたり,トンボがせわしなく動きまわっていました.これはあとで紹介します.10:00を過ぎた頃,待っている場所の眼前に,ウチワヤンマの交尾態が往ったり来たりして飛び始めました.この動きは明らかにこの場所を産卵場所として選ぼうとしている動きです.私の待っているところは草が生えていないところで,昨日から陣取っており,待ちに待ったチャンスになりそうです.

産卵基質の上を周回するように飛んだかと思うと,産卵場所を決めたのか,キショウブの葉のかたまりが浮かんでいるところの上で,交尾態が停止飛翔を始めました.

▲産卵基質の上を周回しながら飛び,産卵場所を見定めているカップル.▲

▲キショウブの葉のかたまりが浮かんでいる上で停止飛翔するウチワヤンマ交尾態.▲

しばらく観察していると,一瞬交尾態がキショウブの葉の上に止まるような動きをしました.実際に脚の先でちょっとキショウブの葉に触れてみたという感じです.産卵基質を確かめているのでしょうか? それとも,オスとメスのコミュニケーションでしょうか.以前も産卵前に交尾態で産卵基質の上に止まるカップルを見ています.

▲一瞬キショウブの葉に止まるような動きを見せた.▲

その後すぐに上昇し,産卵基質の上でしばらく停止飛翔した後,オスがメスを放しました.メスを放したオスは少し上昇し,メスは産卵基質のすぐ上でさらにしばらく停止飛翔をしました.

▲完全に止まることなく,すぐに交尾ペアは上昇した.▲

▲産卵基質の上で停止飛翔したあと,オスが交尾を解いた,その瞬間.▲

▲メスを放したオスはまっすぐ上昇し,メスはしばらくその場で停止飛翔をした.▲

さて,いよいよ産卵開始です.ところが,こんなことがあるのですね.なんと,今日のメインのねらいであるコフキトンボが,ウチワヤンマのすぐ横で産卵を始めたのです.「同時に来るか!?」と思わず叫んでしまいました.ウチワヤンマがこのような見やすい場所で産卵することはめったにないことだし,コフキトンボはなかなか産卵に出会えていないし…,

▲左がオスから離れたウチワヤンマのメス,右が単独で産卵を始めたコフキトンボ.▲

とっさのことでしたが,ウチワヤンマはしばらく産卵が続くので,いったんコフキトンボを写真に撮ることにしました.このことはあとでまた紹介します.ということで,ちょっと間が空きましたが,ウチワヤンマの産卵の観察に入りました.近いし,邪魔物はないし,トンボも大型ですので,こんなときはオートフォーカスで写真が撮れます.

▲産卵を続けるウチワヤンマのメス.見にくいが一番下は糸を引いている.▲

▲間欠的に打水する,下はその瞬間である.▲

産卵は,オスがメスを放してから2分23秒後に終わりました.この間,ずっと同じ場所で産卵をし続けます.だいたいがそうなのですが,大きく移動しないのがウチワヤンマの産卵の特徴です.交尾態で産卵場所を探しているときに,池の全周を飛び回るほど動きまわるのですが,ここと決めたら,よほど脅かすことなどがない限り,そのポイントで産卵をし続けます.

さて,先ほど同時産卵を始めたコフキトンボに話題を移しましょう.コフキトンボも,到着した時にはもうすでにオスがたくさん池の周囲に止まっており,繁殖活動を始めていました.あとで池の周囲を回ったときにも,ほとんどのオスが複眼が黒くなり,腹部にシミが出ている成熟状態でした.

▲成熟したコフキトンボのオス.複眼が黒く腹部にシミのような黒斑が出る.▲

朝のトンボたちの動きは昼ごろの動きとは大きく違っていて,活発に飛び回っています.コフキトンボもコシアキトンボのように,並んで飛んで上空へ一気に飛び上がるような縄張り防衛の闘争を行いますが,朝はそれが頻繁に見られました.

▲縄張り内に侵入したオスを,並んで飛んで追い払おうとする.▲

コフキトンボの交尾飛翔は,ウチワヤンマと似て,産卵基質の上で停止飛翔しながら行われるのを,過去に何度か見ています.ただ今日はちょっと違っていて,池の水面を一直線に飛んで池の外に出て行ったり,反対側の岸の方へ飛んでいったり,と結構動きまわっていました.ウチワヤンマの産卵場所探索とよく似ています.これを4回見ました.

▲水面上を向こう岸目指して飛んでいくコフキトンボの交尾態.▲

私が定位置で待っていると,少し岸から離れたところに浮かぶ一本のキショウブの葉に,トントンと産卵するコフキトンボを見つけました.あんな目立つところで産卵するか? と思って近づこうとすると,やはり簡単にオスに見つかって追われ,逃げていきました.今日のねらい通り,朝に産卵することが多いのでしょうか.水面には腹端を打ちつけてできたときの水紋が両側に広がっています.これ,オオクチバスのいる池だと,それを呼び寄せているような感じの震動ですね.この池はオオクチバスはいなくて,大きなタイワンドジョウがたくさんいます.タイワンドジョウのいる池は不思議とトンボが豊富なのです.

▲8:53,水面に浮かぶ一本のキショウブの葉に産卵を始めたコフキトンボ.▲

そして次に見た産卵が,ウチワヤンマとの同時産卵でした.この産卵も,交尾のあとで産卵を始めたのではなく,メスが単独で産卵を始めたものですから,オスに見つかれば間違いなく,追われるか捕まるかするはずです.それもあって,ウチワヤンマを置いてこちらを記録しました.

▲10:03.ウチワヤンマの横で産卵をするコフキトンボのメス.▲

このコフキトンボは,案の定,すぐにオスに見つかり,交尾態になりました.私の目の前を交尾態で飛びました,そしてそれにもう一頭のオスがつかみかかり,と,面白い構図になりましたが,このとき私はウチワヤンマの方に気をとられていましたので,記録はできていません.本当に,めったに産卵に来ないくせに,なぜこんなときにだけ同時に来るのでしょう.

今日の観察を終えたあと,池の周囲を回ってみましたら,池の反対側にもたくさんのコフキトンボがいました.この調子だと,全部で三桁はいたかも知れません.

▲池の反対側に止まっているコフキトンボの成熟オス.▲

さて,残るはコシアキトンボです.今日も2回の産卵を見ました.コシアキトンボも活発に飛び回り,しょっちゅう並んで上昇するパターンを繰り返していました.コフキトンボとも干渉し,またウチワヤンマはコシアキトンボをよく追いかけ回していました.これら3種はいずれも普通種ですが,たくさんの数がいて,元気に活動しているのを見ると,なんか心が安まります.

▲コシアキトンボもしょっちゅう追いかけ合いをしていた.▲

▲止まっているコフキトンボのオスにちょっかいをかけるコシアキトンボのオス.▲

▲9:26.1回目の産卵.ヒシの実に産卵している.▲

▲9:48.2回目の産卵.昨日と同じところで産卵している.▲

今日は天気予報を信じずやって来て正解でした.トンボたちの元気な姿を間近に見ることができました.11:00前に終了しました.空は霞がかかったようにはなっていますが,快晴状態.予報ではこの時間この地域は雨でした.梅雨の天気は梅雨前線の位置がちょっと変わると激変しますので,朝の空模様を見て活動をする方が確かかも知れません.

しかし,前にも書きましたが,植物上産卵する3種のトンボが,同じ池で同じ時期に活動しているというのは,面白いことだと思います.

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No.793. 近くの池でトンボと戯れる.2021.6.24.

先日キイロサナエの産卵だけを見に,かなりの遠方へ出かけてきました.でも惨敗でした.遠くへ出かけても成果がないとどっと疲れます.

▲2012.6.20. キイロサナエのオス.この日は疲れただけだった.▲

そこで今日は近くの池で,コシアキトンボ,ウチワヤンマ,コフキトンボと戯れることにしました.朝9:00を過ぎて晴れてきましたので,そのあたりからのんびりと観察です.着くやいなや,ウチワヤンマが交尾態で飛び回っているのに出会い,ほどなく,手の届く場所で産卵を始めました.

▲ウチワヤンマもだいぶん日齢が進んでいるようだ.▲

▲着くやいなや交尾態のウチワヤンマと遭遇.▲

▲手の届くところで産卵を始めた.▲

まあ,うまくいくときはこんなもので,無欲なのがいいのでしょうか.しばらく,写真を撮りながら観察しました.ただ,ちょっと岸辺の草が邪魔しています.でも,こういう陰になるところが,メスにとっては安心できるのでしょうね.

▲同じ場所で産卵を続けるウチワヤンマのメス.▲

打水した後糸を引くように上昇するカットも何とか1枚だけ撮れました.

▲打水して上昇するところ.▲

▲腹端から糸状の構造物が伸び,それに水滴がついている.▲

しばらくすると,今度はコシアキトンボのメスがオスに捕まって交尾し,産卵を始めました.これも,ちょっと陰になるところでした.やはりこういう所が好きなのですね.

▲コシアキトンボが,ずっとこっちを向いて,植物上産卵をしている.▲

また少し間を置いて,今度は若々しいメスが,ふらふらと産卵に入ってきました.あまり警戒心がないのか,今度は開けた場所で産卵を始めました.カメラを構えている私には好都合です.ただ,この個体,すぐにオスに見つかって交尾を強要されました.

▲開けたところで産卵してくれている,コシアキトンボのメス.▲

コシアキトンボは数が増え,あちこちでオスどうしが追いかけ合いをしています.また,羽化して間がない未熟なオスも木の陰に隠れるようにして止まっていました.コシアキトンボも今が盛りなのでしょうか.ちょっと昔に比べて活動時期が早まっているように感じます.

▲未熟なオス.腹部の淡色部にまだ黄色い色が残っている.▲

▲よく見る光景.縄張りの境目あたりでオスが出会うとにらみ合う.▲

ウチワヤンマ,コシアキトンボと次々に産卵にやって来ましたので,次はコフキトンボ,といきたいところですが,コフキトンボの産卵には出会えませんでした.どうもコフキトンボの産卵には振られてばかりです.時間帯が違うのでしょうか.

コフキトンボは普段止まって縄張りを監視しています.ときどき岸に沿って一定の範囲を飛び,メスを探します.そんなとき,コシアキトンボほど頻繁ではありませんが,偶然出会ったオスどうしが並んで飛んでから,追飛を行います.

▲干渉し合っているコフキトンボの成熟オスたち.▲

▲まだ若いコフキトンボのオス.複眼も黒くないし腹部のシミもない.▲

コフキトンボが産卵に来るまで粘ろうかとも考えましたが,また日と時間帯を改めて観察に来ることにし,今日は終わりにしました.

途中,池の土手の上でマユタテアカネに出会いましたので,他のアカネが羽化していないか,周辺をちょっと探索してみました.すると,マイコアカネが1頭止まっていました.この池には以前マイコアカネがたくさんいたのですが,数年前から姿を消していました.でも,細々と生き残っていたようです.また復活することを祈りたいものです.

▲マイコアカネの未熟なメス.この池では久しぶりに見る姿だ.▲

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No.792. 今まで行っていない所へ.2021.6.17.

今日も梅雨の合間の晴れ.今日は,今まで行ったことのない,そして普段あまり行かない水辺環境の調査に行ってきました.テーマは大河川の下流域です.兵庫県にはいくつかの大きな河川があります.ただ,多くの河川の下流域は,市街地や工場地帯になっていますので,場所は選ぶ必要があります.ねらいの一つはミヤマサナエの羽化殻探しです.ミヤマサナエというのは兵庫県では非常に見つけにくいトンボです.

▲オナガサナエの羽化殻.カワゲラのぬけがらもついている.▲

まあ結果からいうと,ミヤマサナエの羽化殻は見つからず.オナガサナエの羽化殻があちこちに100個体以上はついていました.ミヤマサナエはもう遅いのかも知れません.河川敷に広がる草地やワンドを見て回りました.ハグロトンボたちが木陰に入りこんでたむろしていました.

▲木陰の中の木漏れ日の射すところに止まっているハグロトンボたち.▲

大河川の下流域というと,セスジイトトンボの生息域です.探してみますと,たくさんいました.不思議なもので,いないいないといいながら,一度見つかるとあっちでもこっちでも出会えるのですから不思議です.かなりの数が河川敷の草むらの中で暮らしていました.やはり本来の生息環境で調査しないといけませんね.

▲セスジイトトンボのオスとメス.▲

河岸を見ても,産卵できるような植物が生えているところは見当たりません.どこでどうやって生活しているのでしょう.たくさんいたので最初のうち見つけるたびに写真を撮っていました.すると,その中に未熟と思われるメスがいて,眼後紋が水色をしていました.ふつうは上の写真のように.黄橙色をしています.

▲眼後紋が水色をしているやや未熟な感じのメス.▲

▲こちらは通常の色彩に近い未熟なメス.▲

通常のメスと比べると,水色眼後紋の個体は,やや黒化が進んでいるように見えます.水色はやがて黄橙色に変わっていくのか,それともこのまま成熟していくのか? ちょっと興味があります.セスジイトトンボのメスは,完全成熟すると,翅胸前面が焦げついたような黄橙色になります.この水色メスは薄緑色で,下の写真の方は少し黄色味がかってきて,眼後紋の外側の縁部分が,ほんの少し水色が混じったような色になっています.

このことがちょっと気になり,過去のセスジイトトンボの写真を調べてみました.すると,セスジイトトンボのメスの眼後紋に,ちょうど水色に黄橙色が混じり始めたように見えるもの,さらに進んで黄緑色に見えるものがありました(ご存じの通り青に黄色が混じると緑色です).

▲2010.8.28.撮影.翅胸がまだ黄緑色で眼後紋が緑っぽい色だ.▲

▲2021.5.30.撮影.上のよりさらに黄色化が進んで黄緑色の眼後紋になっている.▲

▲2010.7.4.撮影.そして,翅胸前面が黄橙色になったとき眼後紋も黄橙色になる.▲

おそらく,セスジイトトンボのメスは,若くて翅胸部分が黄緑色をしている頃には眼後紋が水色で,だんだんと日齢が進んでくると,翅胸部分,特に翅胸前面が黄橙色へと変色していき,それにともなって,眼後紋にも黄橙色が混じってきて,やがて,完全な黄橙色になるのではないかと思われます.

さて,それ以外には,コフキトンボ,シオカラトンボ,コシアキトンボ,コオニヤンマ,ギンヤンマなどが飛んでいました.また,セスジイトトンボやハグロトンボに混じって,河畔林の林床にマユタテアカネがいました.まだ黄色い状態のものです.これら止水性のトンボは,ワンド状のところでかえっているのでしょうか.単発の調査では分かりません.

まあ,特別なトンボはいませんでしたが,この川は生きていることがよく分かりました.

次はもう少し上流に移動して,河川の中流域を訪れてみることにしました.もちろん私にとっては,まったく初めての場所です.ただ記録にはアオハダトンボがいることになっています.川に下りることができそうな所を見つけ,水辺でトンボを探してみました.アオハダトンボがいました.またハグロトンボも羽化していました.入れ替わりの季節が来ています.

▲もうアオハダトンボも終わりに近いように見える.▲

そしてコヤマトンボが川岸に沿って往ったり来たりしていました.最近はコヤマトンボが飛ぶ川も減ったように思います.幼虫は結構よく採れるのですが,成虫があまり頻繁には飛びません.

▲川岸に沿って飛ぶコヤマトンボ.▲

トンボが旋回するときは頭は定位置のまま体だけねじるように回転させます.一番下の写真はちょうどその瞬間です.30分ほど待ってみましたが,メスは来ませんでした.やがてオスも飛ばなくなり,空模様も曇ってきました.

最後にヒメサナエが羽化する川へ出かけてみました.しかし川は浚渫工事と護岸工事がなされていて,見る影もなく幾何学的な川に変貌していました.少し下流側の工事がなされていない所で,オジロサナエが羽化して飛び出すのを見ただけでした.

▲オジロサナエの羽化個体.▲

夕方まで晴れる予報でしたが,雨もポツポツしてきて,今日はここまでとしました.土地勘がないところへ出かけると,何か新鮮な気持ちになりました.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No.792. 今まで行っていない所へ.2021.6.17. はコメントを受け付けていません

No.791. コフキトンボのようすを見に.2021.6.15.

今日も意外と晴れていたので,出かける予定をしていませんでしたが,近くの池にコフキトンボの発生状況を確認に行ってきました.コフキトンボは昨年ほど多くはありませんでしたが,ざっと見積もって,池全体で50個体以上いる感じでした.まあ,こんなものでしょうか.

▲コフキトンボのメスたち.▲

あと,ウチワヤンマも昨年の半分ぐらいはいたでしょうか.ただ動きはほとんどなく,交尾状態が一つと,交尾で飛び回っているのを見ただけです.目の届く範囲では産卵をしませんでした.

▲ウチワヤンマの交尾と交尾態での産卵場所探索.▲

あとは,コシアキトンボたちが元気に活動していたのと,オオヤマトンボが産卵にやって来ました.もうすっかりこの池は初夏の雰囲気です.

▲コシアキトンボの追いかけ合い.▲

▲オオヤマトンボの打水産卵.▲

次の予定は,今月下旬のキイロサナエです.晴れるといいですけど….

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No.790. 奇跡の一枚!.2021.6.10.

今日は,キイロサナエの発生状況を調べに行ってきました.ちょっと時期的に早いのですが,この数日の晴れ続きもいよいよ終わり,次の好天の予想がつかないので,行ってみることにしました.その他,ショウジョウトンボとオオイトトンボをセカンドターゲットとしました.ショウジョウトンボはビデオに撮りたいのと,オオイトトンボは,セスジイトトンボに刺激されて,クロイトトンボ属を見たくなったためです.

さてタイトルですが,「奇跡の一枚」というたいそう大げさなタイトルです(笑).でもそう言っても言いすぎではないと,私的には信じています.それはショウジョウトンボの観察の時,交尾の写真が撮れたことです.

▲ショウジョウトンボの交尾.連写していたので,実は2枚撮れている.▲

ご存じと思いますが,ショウジョウトンボのメスは動きまわって打水産卵します.そしてオスはそれを見つけると,急襲するように接近します.メスはすごいスピードで逃げます.オスが運良く(メスにとっては運悪く)捕まえたとき,ほんの数秒,すばしこく飛びながら交尾を行い,すぐにメスを放します.連写記録によると,この写真の交尾の場合は,交尾を始めたのが13:21’59″で,交尾を解いたのが13:22’02″,つまりわずか3秒間だけ交尾態になっていたのです.

つまり,このような写真を撮るには,この3秒の間に,トンボが目の前に来ること,それがファインダーに入ること,そのとき偶然にピントが合っていること(合わす時間はまずない),そのときシャッター速度を高速に合わせていること,シャッターが切れること,そして順光の位置であること.これだけの偶然が積み重ならないと写真になりません.こんな幸運,多分二度とないでしょうね.

▲産卵するショウジョウトンボ.このメスを上のオスが捕まえたのだ.▲

産卵していたショウジョウトンボは,上の1頭だけで,ビデオにはなりませんでした.

ということで,順序が後先になりましたが,キイロサナエの観察から始めます.9:30ぐらいに現地に入りました.もう気温は30℃を超えようかというぐらい高くなっていました.キイロサナエはいました.もう成熟して水辺に出てきていました.

▲水辺で活動しているキイロサナエのオスたち.▲

近くの休耕田の湿地では,ハラビロトンボがたくさん発生していて,オスたちが追いかけ合いをしていました.湿地には,ホソミオツネントンボやモートンイトトンボもいました.またヤマサナエが,キイロサナエを避けるように,少し離れたところに止まっていて,私が近づくと,逃げて樹上に上がって行きました.また老熟したシオヤトンボが産卵をしていました.前にオグマサナエのところでも書きましたが,老熟した独特の色彩が私は好きです.シオヤトンボのメスは無彩色になります.複眼もねずみ色に輝きます.金属製のフィギアみたいな,こんな渋いトンボはなかなかいません.

▲ハラビロトンボたちが湿地の上で追いかけ合いをして活動している.▲

▲ホソミオツネントンボのタンデム.このメスまだ褐色のままだ.▲

▲モートンイトトンボのオス.モートンイトトンボはたくさん発生していた.▲

▲地面に止まっていたヤマサナエのオスが,逃げて樹上に飛び上がった.▲

▲老熟したシオヤトンボの産卵.無彩色の渋い色彩のトンボだ.▲

あと,サラサヤンマが摂食飛翔をしていたり,樹林の中の湿地で縄張り飛翔をしていました.写真はすべて失敗.オオシオカラトンボとシオカラトンボも同じ場所で活動していました.

さて,時刻は11:00を過ぎました.多分気温は30℃を超えています.キイロサナエたちはいつの間にか水辺から消えていました.あまりに暑すぎるのかも知れません.日陰に1,2頭だけ残っていました.これでは今日はキイロサナエの産卵は期待できそうにありませんので,ショウジョウトンボやオオイトトンボをを見に行くことにしました.ショウジョウトンボは最初に紹介したとおりです.オオイトトンボは,交尾,産卵など,繁殖活動を始めていました.彼らはこの気温も何ともないのでしょうね.

▲オオイトトンボのタンデム.▲

▲オオイトトンボの交尾.上のタンデムの個体が交尾をした.▲

▲タヌキモに産卵するオオイトトンボのカップル.▲

イトトンボたちはやはり沈水植物が好きですね.組織がやわらかいからでしょう.オオイトトンボたちはタヌキモに産卵していました.最近ライブビュー撮影をやってみたい気持ちが強く,このオオイトトンボも試してみました.液晶モニターを引き出して上から見られるようにして,カメラを水面ぎりぎりに置いて撮ってみました.何か感じが違う写真になりました.カメラの位置が,水中から出る光の臨界角を超える位置になっており,水中のタヌキモが見えなくなって,水面に反射するオオイトトンボだけが目立つ写真になりました.

▲一つ上の写真と同じ場所で産卵している.▲

ここではもう一つ嬉しいおまけがありました.モートンイトトンボが池岸に集まっておりどうやらメスが産卵しそうなのです.そういえば,もう正午を回っており,産卵時刻になっています.

▲モートンイトトンボのオスとメスが集まっていた.写っていないがメスも3頭いた.▲

先ほどの湿地にもモートンイトトンボはいましたが,ここは開放的な植生で,産卵してくれたら写真に撮るには絶好のロケーションです.しばらく岸辺に座り込んでトンボの動きを見ていました.すると,止まっていた1頭のメスが,ハリイの茎に産卵するときのように腹部を曲げ始めました.

▲腹部を曲げて産卵のような動きを見せたモートンイトトンボのメス.▲

ほどなく,メスたちが(そう複数のメスです),水面にたおれたハリイに産卵を始めました.この産卵の恰好こそ,私のイメージするモートンイトトンボの産卵です.開放的な場所なので,カメラの位置も自由に決められ,これもまたラッキーでした.

▲倒れたハリイの茎に産卵するモートンイトトンボのメス.▲

モートンイトトンボのメスの色彩は独特の薄緑色です.大きく引きのばしてみると,とても美しい色です.イトトンボというのは小さくて野外でははっきりと見えないので,このように改めて観るとなんか新鮮です.さて,ここでもライブビュー撮影をしてみました.また,立ち上がったハリイの茎の根元に産卵する別の姿勢の個体も撮っておきました.

▲水面ぎりぎりライブビュー撮影.▲

▲立ち上がったハリイの茎に産卵するモートンイトトンボのメス.▲

最近イトトンボがいないことを嘆いてばかりいましたが,やはりいるところにはまだまだいてくれるので,ほっとします.これ以外には,キイトトンボ,クロイトトンボがいました.例によってクロイトトンボは個体数は多かったのですが,写真は少ないのです.

▲夏のイトトンボキイトトンボも,本格的ではないものの,活動を始めていた.▲

▲クロイトトンボたちもたくさん活動をしていた.▲

では,今日これ以外に記録できたトンボたちの紹介をして,今日の観察記を終えたいと思います.いたのは,モノサシトンボ,ハッチョウトンボ,ハグロトンボ,ムカシヤンマなどです.写真はありませんが,アジアイトトンボがモートンイトトンボに混じって活動しており,ギンヤンマやクロスジギンヤンマも飛んでいました.

▲水面ぎりぎりライブビュー撮影.モノサシトンボ.▲

▲ハッチョウトンボのオス.▲

▲ハグロトンボのオス.まだ羽化して間もない感じだ.▲

▲ムカシヤンマのオス.翅も白くなり,老熟している.▲

やはり6月は,新旧取り混ぜて,色々なトンボたちが見られる季節です.梅雨の合間の晴れ3連チャン,いささか疲れました.明日は休養します.

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