トンボノート
No.722. トンボの生き残り調査.2019.11.15.

ここのところ天気のメリハリがはっきりしていて,今日は朝から雲一つない快晴.ただ気温は14度を超えることはなく,風は涼しい秋の日でした.こういう日は正午前くらいをねらっていくとトンボの活動が盛んです.アカトンボの生き残りがどれくらいいるか見に行くことにしました.場所は例年行っている池でした.車をかなり手前に置いて,農道を歩いて観察することにしました.

▲道路上に非常にたくさんのマユタテアカネが止まっていた.

まず目立ったのが,マユタテアカネでした.道路に3mくらいの間隔を置いてたくさん止まっていました.道路横の草地にもいて,歩くと次々と飛び立つありさまでした.今年はマユタテアカネが大発生しているようです.交尾態のものもいましたが,これは遠くへ飛び去ってしまいました.

▲道路横の草地に止まるマユタテアカネのオス.
▲池岸の石ころの上に止まるマユタテアカネのオス.

マユタテアカネに次いで数が多かったのは,コノシメトンボでした.最近コノシメトンボを姿をあまり見ない感じでしたが,今日の観察地は違っていました.道路上にもペタペタ止まっていましたし,池の畔にも数頭いました.水面上も元気に飛んでいました.コノシメトンボはメスもいました.メスは隠れるように草むらの陰で陽の当たるところに止まっていました.

▲マユタテアカネに混じってアスファルトの道路上に止まるコノシメトンボのオス.
▲池畔の石ころの上に止まるコノシメトンボのオス.
▲池畔の枯れ草の上に止まるコノシメトンボのオス.
▲オスのいるところから離れた草むらの陰に止まるコノシメトンボのメス.

道路上には,数は少なかったですが,アキアカネやタイリクアカネも姿を見せていました.アキアカネは確認できたのが3頭,タイリクアカネの方は1頭だけでした.本当にタイリクアカネは内陸部のふつうの池に,他のトンボたちと混じっているんです.

▲道路上に止まるアキアカネのオス.
▲道路上に止まるタイリクアカネのオス.縁紋の赤さがアキアカネとは違う.

コノシメトンボに混じって飛んでいたのが,リスアカネでした.日陰が好きなトンボですが,さすがにこの時期になると日向で活動していました.交尾態のものもいました.もう少し待てば産卵したかもしれませんが,次を急ぐことにしました.

▲池畔の石ころに止まるリスアカネのオス.
▲池から少し離れた草原で交尾するリスアカネのカップル.

今日はキトンボの顔を見に来たのです.この時期に水落をして石がゴロゴロしているような池底が露出している池だったら,たいがいキトンボがいるはずです.池の周囲を歩いて探しました.

▲水を落として石がゴロゴロした池底が露出した池.キトンボ好みだ.
▲日当たりのよい岸辺で暖まっているキトンボのオス.
▲キトンボは全部で4頭ほど確認した.

キトンボはやはりいました.でも他のトンボの数が多く,キトンボは目立たない存在でした.写真を見て分かるように,まだ若い感じがします.キトンボはこれからが本格的シーズンなのでしょう.

今日は産卵活動はまったく見ることができませんでした.ちょっと池に来るのが遅かったかもしれません.でも,アカトンボがまだまだたくさん生き残っていましたので,次の晴れに期待することにしましょう.来週は後半が晴れそうです.今日は6種類のアカトンボに出会いました.