トンボノート
No.721. オオキトンボを見に.2019.11.5.

先日11月2日にトンボを見に行きましたが,まったくと言ってよいほどトンボがいませんでした.このトンボノートにも書けないほどの状態.今年はオオキトンボが元気に活動している姿を見ていませんので,何とかそれを見ようと,水を落としているため池を求めて,出かけてきました.二つ目の池が水を落としていて,周囲を歩くことができる状態でした.オオキトンボの姿も見ましたので,ここで観察することにしました.

▲水を落とした地面に止まっているオオキトンボを見つけた.






▲池の岸に止まっているオオキトンボのオスたち.
▲池の堰堤の上の草地に止まるオオキトンボのオス.

オオキトンボは写真のようにそれなりの個体数がいましたが,残念ながら産卵に来るペアはありませんでした.池の岸辺に座り込んでしばらく待っているとき,オスが1頭日向に止まって,ときどき摂食や他のオスを追ったりして飛び立つ姿が見られました.何度も同じところに戻ってきて止まりますので,着地の瞬間を連続撮影しようと思い,やってみるとうまくいきました.







▲手前から向こうにカーブしながら着地.4コマ連写.




▲着地直前の飛翔. 着地ギリギリまで脚をたたんでいる.

このオオキトンボのすぐそばにマユタテアカネのオスが止まっていて,ときどきオオキトンボに興味を持つのか,接近を試みようとしていました.オオキトンボはうっとうしいのか,後ろから近づくマユタテアカネに腹部を立てて嫌がるようなサインを送っていました.











▲オオキトンボの周囲を飛ぶマユタテアカネのオス.最後は向かい合うように止まった.

産卵ばかりでなく,オス同士の関わり合いも結構面白いものです.マユタテアカネは個体数は多くはありませんでしたが,池にいました.交尾が2例,産卵もしていいましたが,すぐにどこかへ行ってしまいました.





▲池にいたマユタテアカネたち.

オオキトンボ以上に個体数が多かったのがタイリクアカネです.池の岸に止まっていたり,池中央を飛び回っていたり,活発に活動していました.11:30頃には2ペアが産卵にやって来ました.



▲池のヨシに茎や葉に止まっているタイリクアカネのオス.
▲タイリクアカネは池の堰堤の上の草地にもたくさんいました.


▲11:00を過ぎて暖かくなってくると,水面を飛び回るようになる.
▲11:30頃になるとタンデムペアがやって来た.




▲産卵をするタイリクアカネのペア.

これら以外のアカトンボは,ナツアカネが少々と,アキアカネが1頭だけいました.本当に兵庫県南部でアキアカネを見るのは難しくなりました.先日の北部ではアキアカネばかりでしたのに.でも,アキアカネがやって来ていることに,少しだけほっとしています.例年通りであれば,もう少し冷え込めば個体数が増えるはずですけど...

▲今日1頭だけ見かけたアキアカネ.水面で水を飲んで止まったところ.
▲ナツアカネ,2オス1メスを見かけた.

11月2日に比べると,今日はまずまずアカトンボたちに出会えることができたようです.これ以外には,アオイトトンボが活動していました.そしてアオモンイトトンボがまだ生き残っていました.2頭見かけました.



▲池岸のイグサのような植物に産卵するアオイトトンボたち.
▲11月まで生き残っていたアオモンイトトンボ.これはかなり遅い記録である.

今年の秋はトンボが少ないと感じていましたが,今日は何とか結果が出たようです.