トンボノート
No.713. ハグロトンボの観察.2019.8.25.

しばらく間が開きました.毎日とても暑かったので出かけるのをやめ,その間を利用して,新しいWebページを作成していました.今日は寒冷前線が南へ下がり,秋の空気におおわれる天気でした.久しぶりにすずしくなりそうで,トンボ観察に出かけることにしました.実際,最高気温は29度まででした.朝はまだクマゼミが鳴き,アブラゼミ,ミンミンゼミが鳴き,さらにツクツクボウシが鳴いて,夏の名残が残る中, ハグロトンボを見に行くことにしました.



▲観察地では,ハグロトンボのオスたちが,闘争を繰り広げていた.

現地に着いたのは10:00ころ.ハグロトンボは川に出ていて,オスたちは往ったり来たり,そして一カ所に集まって闘争を繰り広げていました.メスはまだあまり目立ちませんでしたが,1カ所だけ,メスがオスの縄張り内に止まっていました.オスは気にしているようで,一生懸命気を引こうとしています.やがて,オスはメスに接近,メスはオスを受け入れました.

▲オスの右上にメスが止まっている.
▲頻繁にウィング・クラッピングを行い,メスの気を引こうとする.
▲メスはオスを受け入れ,オスはメスの上に乗りかかる.




▲メスの前胸を尾部付属器で前胸をつかみ,飛び立つ.

オスはメスとタンデムになり,メスを引っ張って飛び立ちました.そして水面近くで,移精行動,交尾へと至りました.



▲水面近くで,移精行動から交尾へと至る.

このあと,産卵を始めるまで待たずに,夏の名残のトンボたちの観察に行きました.しばらくは産卵をしているので,交尾の時間を別のトンボの観察に当てたわけです.ひとまわりして戻ってくると,きっちりと産卵をやっていました.



▲産卵しているハグロトンボのメス.

さて,ハグロトンボはこれくらいにして,あとは,夏のトンボの生き残りたちを紹介しておきましょう.まだまだ夏のトンボたちは元気です.

▲遠くにウチワヤンマが見えた.
▲シオカラトンボは非常にたくさん飛んでいた.
▲数は少ないが,コフキトンボの,二化目と思われる小型の個体もいた.
▲ショウジョウトンボ.かなり老熟がかっている一方,新鮮な個体もいた.
▲キイトトンボも元気に産卵していた.
▲オオイトトンボも,二化目と思われる小型の個体が飛んでいた.


▲チョウトンボもまだまだ元気である.


▲チョウトンボは産卵もしていた.2頭産卵を見た.

ということで,残り時間は,ハグロトンボの繁殖活動をビデオに収めていました.また,近いうちに,兵庫県とその近隣のトンボたちで公開します.ということで,今日はここまで.