トンボノート
No.708. 北海道のトンボたち(5).2019.7.23.

 今日はマンシュウイトトンボを見に行きます.マンシュウイトトンボも,北海道ならどこにでもいるというトンボではありません.しかし曇り空ではありますが,多分姿を見られるでしょう.アオモンイトトンボの親戚ですから,曇りで風の強い日は,池の周囲の草むらにたむろしているはずです.

 駐車場に車を止めて周囲に沿った道を歩いて行きました.数分後,草むらに青い色をしたマンシュウイトトンボのメスを見つけました.やはり草むらにたむろしていました.しかしその後,いくら歩いても,次の個体が見つかりません.経験的に,こういった日のイトトンボは,どこかにかたまっているものです.それさえ見つければ楽勝のはずです.

▲マンシュウイトトンボのメス.濃いきれいなブルーをしている.

 しばらくすると,たくさんのマンシュウイトトンボが集まっている場所に出くわしました.マンシュウイトトンボはどれがオスでどれがメスか,慣れないと分かりませんでした.全部オスに見えてしまうのですが,よく見ると産卵管がついています.こういった集まっている場所は3カ所ほどありました.別の場所では未熟な橙色のメスもいました.



▲マンシュウイトトンボのオス.少しうす緑が混じったような青色だ.
▲マンシュウイトトンボのテネラルなメス.
▲マンシュウイトトンボの未熟なメス.腹部先端が先に青くなるようだ.
▲わずかに未熟色のオレンジ色が透けて青と混じり,藤色に見えるメス.
▲マンシュウイトトンボの成熟メス.まだあざやかな青ではなくやや藤色に近い.
▲摂食するマンシュウイトトンボのメス.
▲少し青みの強いマンシュウイトトンボのオス.

 今日みたいな日は産卵活動は望めません.次に行くことにしました.カラカネイトトンボを見たいので,湿原の木道を歩いてみましたが,ヨツボシトンボとシオカラトンボ,そしてエゾトンボ類が飛んでいただけでした.そう,キタイトトンボも連結で産卵しようとしていました.草の中に潜り込んでいったので,写真は諦めました.湿原をあとにし,別の湿地へ行ってみました.ここはものすごく雰囲気がいいのですが,何も飛んでいません.薄日が差してきたりしましたが,だめでした.風は相変わらず強く吹いています.

▲湿原にいたキタイトトンボのペア.
▲見るからに素晴らしい環境だが,うす暗く風も強く,何もトンボが飛ばない.

 次にエゾカオジロトンボの探索に行くことにしました.しかし空はますます曇り,風は冷たく強く,もうどうしようもありません.例によって湿地の中に入っていくのももう無駄足のような気がして嫌気がさし,やめました.近くを自転車道が走っていましたので,持ってきた自転車を組み立て,自転車道をサイクリングすることにしました.しかし,道がでこぼこで全然スピードが出せず,フラストレーションはたまるばかり.

 このあと帯広へ移動します.阿寒から道東自動車道に乗ると,「何!?,白糠IC−浦幌IC間,事故で通行止め?」.北海道の地理に不案内で,ナビもついていない車で,白糠ICで強制的に下ろされてどうなるのだろう.もう最後は旅行ガイドに掲載されている地図を頼りに走ることしかありません.幸い,一本道の迂回路があって,それを走ることにしました.でも,迂回するだけで40km以上.さすが北海道です.スケールがでかい.

 まあ,無事迂回して,帯広のホテルに着いたのは18:00前でした.今日は,全然ついていない感じの一日でした.マンシュウイトトンボを見ることができたのでよかったとします.