トンボノート
No.709. 北海道のトンボたち(6).2019.7.24.

 帯広の朝は雨でした.7:00ころには雨は上がり,徐々に地面も乾き始めてきました.しかし空はどんよりした曇り空.今日も期待は出来そうにありません.しかし予定通りというか,雨で草が濡れているので,足場のよいところを選んで出かけることにしました.

 最初の池はなかなか雰囲気がよい池でした.でも,曇り空の下,キタイトトンボが2,3飛ぶだけでした.1時間以上待ってみましたが,雲を通した太陽の暖かさが感じられるときがあったものの,トンボが飛ぶような天気にはなりません.





▲キタイトトンボのオス(上)とメス(中・下).

 それでも,少し暖かさが感じられたとき,ヨツボシトンボがさっと池に入ってきて,コサナエが産卵をしに来ました.さすが北海道ですね.兵庫県では6月には姿を消してしまうコサナエが,7月下旬に産卵しているなんて,緯度の違いを感じました.



▲雨に濡れた草の間に入って産卵するコサナエ.

 10:30くらいにここは諦め,次の池に行きました.この池にはクロイトトンボがたくさんいて,彼らは元気ですね,薄暗い曇り空の下,水面をビュンビュン飛んでいます.メスにちょっかいをかける個体もいました.それ以外には,エゾイトトンボ,ルリイトトンボ,マユタテアカネ,モノサシトンボ,正体不明のエゾトンボ類が飛んでいました.

▲悪天候でも池面に出て飛び回っているクロイトトンボ.
▲メスにちょっかいをかけるクロイトトンボ.メスは交尾拒否.
▲まだ若いクロイトトンボのオス.
▲北海道で初めて見たモノサシトンボ.
▲ルリイトトンボのオス.
▲エゾイトトンボのオス.
▲いつもどこでも私を迎えてくれたキタイトトンボ(メス).ありがとう.

 今日で一応の北海道のトンボ観察は終わりです.明日からは帰途につきます.小樽まで走り,新日本海フェリーに乗って新潟へ行きます.

 北海道のトンボ観察のための滞在6日間中,晴れたのは網走の1日(午後と翌日の午前)だけ.あとは全部曇りか雨でした.希少種については,いちおう情報を集めてそれなりにねらってはいましたが,見られるのは運次第と思っていました.しかし普通種でさえぽつぽつ出ているだけで,希少種などは出てくる気配さえ感じられませんでした.唯一知床五湖は晴れていて,五湖や四湖でたくさんのトンボが群れ飛んでいたのが,北海道らしい風景でした.でも,網走の池は晴れていましたが,トンボのにぎわいをあまり感じない静かな印象でした.北海道もトンボが減っているのかなぁ.

 北海道は,トンボがどこにでもいるというのとは,ちがった感じでした.兵庫県などでは,ふり向けばトンボというくらい,あちこちにふつうに見られます(それでも最近はうんと減りましたが).印象としては,乾いた大地という感じで,特定のポイントに行かなければトンボの姿を見られないという印象でした.もっとも天気のせいかもしれませんが.