トンボノート
No.689. 普通のトンボたち.2019.5.17.

ここのところちょっと動きすぎで疲れが出てきたみたいなので,今日は近くの定点池に,普通のトンボたちの様子を見て過ごすことにしました.春がちょっと遅かったですが,その後どうなっているでしょう,ということです.まずは,春のトンボたちの状況です.成虫越冬性のホソミオツネントンボとホソミイトトンボがまだ元気に活動していました.

▲ホソミオツネントンボの交尾.この池では数が少ないトンボである.
▲ホソミイトトンボの交尾.まだ,そこそこの数が活動していた.

次は,春早くから羽化して春の間だけ見られる,いわゆる春季種と言われるトンボたちです.タベサナエ,トラフトンボ,ヨツボシトンボなどです.この池でタベサナエを見たのは初めてで,産卵までしていました.ヨツボシトンボはたくさん活動していました.交尾も一度見ました.トラフトンボは,複数見かけましたが,最盛期は過ぎた感じです.でもトラフトンボの交尾態が1回入りました.あと写真になりませんでしたが,フタスジサナエとクロスジギンヤンマが飛んでいました.

▲トラフトンボのオスが急旋回したところ.首は傾かず,首から下が傾いている.
▲産卵に来たタベサナエのメス.
▲ヨツボシトンボのオス.だいぶん老熟してきていて,色がくすんでいる.

一方で,夏を中心に活動するトンボ,いわゆる夏季種も現れ始めていました.ショウジョウトンボ,ハラビロトンボ,クロイトトンボ,アオモンイトトンボ,ギンヤンマ,オオヤマトンボなどです.これらのトンボもすべて繁殖活動期に入っていました.この中でアオモンイトトンボは,この池では初記録です.あと,アジアイトトンボを見かけましたが写真にはなっていません.

▲クロイトトンボの交尾.春季種と同じくらいに早くから出現する.
▲アオモンイトトンボの交尾.
▲ショウジョウトンボのオス.数頭池面を元気に飛んでいた.
▲池の中ほどで打水産卵するショウジョウトンボのメス.打水の波紋が見える.
▲ハラビロトンボのオス.ハラビロトンボは5,6頭見かけた.
▲ヨツボシトンボに,メスと間違えられて池面に落とされたシオカラトンボの未熟なメス.
▲オオヤマトンボのオスのパトロール飛行.
▲ギンヤンマの連結植物内産卵.

ギンヤンマの連結態は,池では非常に目立つ存在でした.よく飛ぶのですが,他のトンボたちがそれを追い払います.また,産卵しているペアが気になるのか,別にパトロールをしているギンヤンマの単独オスが,近くに寄ってじろじろと眺めて飛んでいました.



▲あちこち移動しながら,産卵を続けていくギンヤンマのペア.
▲産卵するペアをじろじろと眺めながら飛ぶギンヤンマの単独オス.

ということで,この池にはたくさんのトンボが集まっていました.ホソミオツネントンボ,ホソミイトトンボ,クロイトトンボ,アオモンイトトンボ,アジアイトトンボ,ギンヤンマ,クロスジギンヤンマ,フタスジサナエ,タベサナエ,トラフトンボ,オオヤマトンボ,ハラビロトンボ,ショウジョウトンボ,シオカラトンボ,ヨツボシトンボと,なんと一つの池に15種のトンボが集まっていました.春のトンボは遅かったですが,夏のトンボはいつも通り出てきて,両方がいっぺんに観察できる状態だったからでしょう.普通のトンボも,これだけ集まってたくさん飛んでいれば,眺めていて飽きません.