兵庫県の幼虫ガイド
H067. コヤマトンボ Macromia amphigena amphigena
コヤマトンボ終齢幼虫
写真1.コヤマトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長28mm前後.2011.5.5.
<特ちょう>
 コヤマトンボは,とてもあしが長くて,クモのように見える幼虫です.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細いです.体はやや固く,表面には泥(どろ)をかぶっていることが多いです.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.先がするどくよくとがっています.背中のとげ(背棘:はいきょく)は腹部の第2−9節に長くするどいものがあります(写真2).本によっては,第10節にも背棘があると書かれているものがありますが,ほとんど分からないくらい小さなものです.

コヤマトンボのかしんとはいきょく コヤマトンボの全形図
写真2.下唇側片の先は大きな波形をしています.
2−9節にするどい背棘があります.
写真3.コヤマトンボの全形図.
 


<よく似た幼虫との区別>
 形としてはキイロヤマトンボに似ていますが,体のもようがまったくちがいます.キイロヤマトンボの写真と比べてみてください.ほかにこのような形の幼虫はいません.


<さがす場所のヒント>
 コヤマトンボは川の住人です.はばのあまり広くない川の,落ち葉の中や,植物の根もとにもぐりこんで生活しています.終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)は春に数が多いですが,ほぼ一年中採れます.

コヤマトンボの産卵場所.
写真4.メスをさがして川の上を飛んでいるオス.メスは,川の岸に沿って往ったり来たりしながら,水面を腹の先でたたいて産卵します.