H067. コヤマトンボ Macromia amphigena amphigena
<特ちょう>
コヤマトンボは,とてもあしが長くて,クモのように見える幼虫です.
翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)は糸のように細いです.体はやや固く,表面には泥(どろ)をかぶっていることが多いです.腹部の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.先がするどくよくとがっています.背中のとげ(
背棘:はいきょく)は腹部の第2−9節に長くするどいものがあります(写真2).本によっては,第10節にも
背棘があると書かれているものがありますが,ほとんど分からないくらい小さなものです.
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写真2.下唇側片の先は大きな波形をしています. 2−9節にするどい背棘があります. |
写真3.コヤマトンボの全形図. |
<よく似た幼虫との区別>
形としては
キイロヤマトンボに似ていますが,体のもようがまったくちがいます.
キイロヤマトンボの写真と比べてみてください.ほかにこのような形の幼虫はいません.
<さがす場所のヒント>
コヤマトンボは川の住人です.はばのあまり広くない川の,落ち葉の中や,植物の根もとにもぐりこんで生活しています.
終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)は春に数が多いですが,ほぼ一年中採れます.
写真4.メスをさがして川の上を飛んでいるオス.メスは,川の岸に沿って往ったり来たりしながら,水面を腹の先でたたいて産卵します.