兵庫県の幼虫ガイド
H068. チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa
チョウトンボ終齢幼虫
写真1.チョウトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長15mm前後.2009.4.26.
<特ちょう>
 チョウトンボはトンボ型の幼虫です.頭が五角形をしていて,目を背中から見ると三角形に色づいています.腹部はまるく短い感じで,翅芽(しが)の先が腹部の第7節にかかるくらいです.翅芽は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.腹部の第10節が第9節の中におしこまれているようにへこんで見えます.触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は腹部の第4−9節にあります.

チョウトンボのそっきょくとはいきょく チョウトンボの触角と背中のはん点
写真2.ぬけがら.第8,9節に側棘が,4−9節に背棘があります.
 
写真3.触角(しょっかく)は糸のように細いです.
第10節が第9節の中にはいりこんでいます(矢印).


<さがす場所のヒント>
 チョウトンボは池の住人です.植物がたくさんしげっている池が大好きです.水面からつきでるようにしてのびた植物や,葉を水面にうかべる植物,水中のモなどがいっぱい生えているようなところで,卵を産みます(写真4).幼虫は,植物の根元や落ち葉の間にもぐりこんで生活しています.終齢幼虫は,秋から次の年の春の間に採れます.

チョウトンボの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.たくさんの植物がしげっている池で,水面に直接卵を産みつけます.