兵庫県の幼虫ガイド
H066. キイロヤマトンボ Macromia daimoji
キイロヤマトンボ終齢幼虫
写真1.キイロヤマトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長は30mm前後.2009.5.16.
<特ちょう>
 あしがとても長くクモのような形に見えます.あしのツメもとても長いです.大型ですが,そのわりには体がうすっぺらい幼虫です.腹部の先から水をふきだして,すいすいと泳ぎます.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細いです,腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は腹部の第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は,腹部の第3−9節にあります.

キイロヤマトンボのかしん キイロヤマトンボが砂にもぐったところ
写真2.キイロヤマトンボの下唇とその特ちょう.
左下はオオヤマトンボの下唇
写真3.キイロヤマトンボが砂にもぐったところ.
 


<似た幼虫との区別>
 体の色やもようが,オオヤマトンボと似ています.でも区別はかんたんです.下唇を引きのばしてみれば,キイロヤマトンボは,写真3のように,ほかのトンボとあまりちがいはありません.それに対してオオヤマトンボは,長いとげを持った特ちょう的な形をしています.


<さがす場所のヒント>
 キイロヤマトンボは,写真4のような,砂がたっぷりとたまった,大きな川の住人です.そういった川の底で,砂にもぐって生活しています(写真3).キイロヤマトンボの幼虫を採るにはこういった川に入って,底の砂をていねいにすくいます.しかし,砂がたまった川は足を取られてすべったり転んだりすることが多く,へたをすると川に流されて,おぼれる可能性があります.子どもどうしでは,キイロヤマトンボの幼虫は採りに行かない方がいいでしょう.終齢幼虫は,秋から次の年の春にかけて採れます.

キイロヤマトンボの産卵場所.
写真4.キイロヤマトンボが住んでいる川.砂がたっぷりとたまった大きな川に住んでいます.