H065. オオヤマトンボ Epophthalmia elegans elegans
<特ちょう>
あしがとても長く,体が太く,とても大きな幼虫です.
翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)は糸のように細いです,腹部の横のとげ(
側棘:そっきょく)は腹部の第8,9節にあります.背中のとげ(
背棘:はいきょく)は,腹部の第3−9節にあります.なにより一番の特ちょうは,
下唇(かしん)にあります.写真3のように,先に,とがった太くて長いとげがついています.
側刺毛(そくしもう)や
腮刺毛(さいしもう)はありません.
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写真2.オオヤマトンボの終齢幼虫とその特ちょう. |
写真3.オオヤマトンボの下唇の形.右下はキイロヤマトンボのもの. |
<似た幼虫との区別>
体の色やもようが,
キイロヤマトンボと似ています.でも区別はかんたんです.
下唇を引きのばしてみれば,オオヤマトンボは,写真3のように,とても特ちょう的な形をしてます.
キイロヤマトンボはふつうの
下唇です.
<さがす場所のヒント>
オオヤマトンボは,池の住人です.大きな池や湖にも生活しています.一方,公園のビオトープのような小さな池でも,幼虫が見つかったりします.メスは,池の岸に沿って往ったり来たりしながら飛んで,ときどき水面を腹の先でたたいて,卵を産みつけます.幼虫は,池の底にうずくまって生活しています.池の底をこするようにしてあみを引くと採れます.
終齢幼虫は,秋から冬にかけてと,梅雨のころに採れます.冬に採れる幼虫は,梅雨のころの幼虫より,ひとまわり大きいです.
写真4.池の岸に沿って飛んで,卵を産んでいます.水面をたたいたあとが,水の輪になって見えています.