兵庫県の幼虫ガイド
H093. ショウジョウトンボ Crocothemis servilia mariannae
ショウジョウトンボ終齢幼虫
写真1.ショウジョウトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長20mm前後.2011.7.3.
<特ちょう>
 ショウジョウトンボはトンボ型の幼虫です.表面がすべすべしたやわらかい幼虫です.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)はありません.写真1−3のように,腹部の後ろ半分くらいが茶色になっているものが多いです.

ショウジョウトンボのそっきょくとはいきょく ショウジョウトンボのぜんけいず
写真2.第8,9節に側棘が,背棘はありません.
 
写真3.住んでいる場所によっては体が黒くなることがあります.


<よく似た幼虫との区別>
 シオカラトンボと見まちがえることがあります.シオカラトンボにも,背中のとげ(背棘)がありません.また腹部の後ろ半分が茶色になっているものが多いです.まちがいなく区別する方法は,下唇(かしん)を引きのばして下唇側片(かしんそくへん)の上にある側刺毛(そくしもう)の数をかぞえることです.ショウジョウトンボはこの側刺毛の数が10−12本ほどありますが,シオカラトンボは5本しかありません.

ショウジョウトンボ シオカラトンボ
写真4.腹部の後ろ半分が茶色いショウジョウトンボ. 写真5.腹部の後ろ半分が茶色いシオカラトンボ.


<さがす場所のヒント>
 ショウジョウトンボは池の住人です.葉を水面にうかべる植物や水中のモなどがいっぱい生えているようなところが好きです.こういったところに腹部の先を水面に打ちつけて,卵を産みます(写真4).幼虫は,植物の根元や植物の中にもぐりこんで生活しています.終齢幼虫は,ほぼ一年中採れます.

ショウジョウトンボの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.モや葉をうかべる植物がたくさんある池で,水面に直接卵を産みつけます.