H092. ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea
<特ちょう>
ハッチョウトンボは非常に小さな幼虫です.全長が8mmほどです.写真3は標本で少しちぢんでいて,6mmしかありません.体のはばも2−3mmというところです.こんな小さな終齢幼虫はほかにはいません.終齢幼虫であることさえ確かめれば,ハッチョウトンボでまちがいないでしょう.
翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)は糸のように細いです.腹部の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(
背棘:はいきょく)はありません.
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写真2.第8,9節に側棘があり,背棘はありません. |
写真3.標本の全形図.左のめもりはものさし.全長6mm. |
<さがす場所のヒント>
ハッチョウトンボは湿地(しっち)の住人です.池でも岸の部分が湿地のようになっていれば,住みついていることがあります.幼虫は,湿地の泥(どろ)の中にもぐって生活しています.金魚をすくうような小さなあみで泥をすくってさがします.しかしあまりにも小さいので,見つけるのはとても難しいです.成虫のメスは,写真4のように,湿地の水面を腹の先でたたいて,卵を産みつけます.
写真4.産卵しているメス.湿地の水面を,腹の先でたたいて産卵します.