兵庫県の幼虫ガイド
H090. コフキトンボ Deielia phaon
コフキトンボ終齢幼虫
写真1.コフキトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長21mm前後.2008.6.7.
<特ちょう>
 コフキトンボはトンボ型の幼虫です.全長は,大きなものでは,24mmほどもありますが,夏に採れる幼虫は少し小さくなり,20mm以下のこともあります.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は腹部の第4−9節にあり,平たくかぎのようになったとげです.下唇側片(かしんそくへん)の上の側刺毛(そくしもう)はふつう4本しかなく(ときどき5本),これでよく似たほかの幼虫と区別できます.

コフキトンボのそっきょくとはいきょく コフキトンボそくしもう
写真2.ぬけがら.第8,9節に側棘が,4−9節に背棘があります. 写真3.下唇側片の上の側刺毛はふつう4本です.


<さがす場所のヒント>
 コフキトンボは池の住人です.水面からつきでるようにしてのびた植物や,葉を水面にうかべる植物などが生えているようなところで,水面にうかぶ植物の茎(くき)や葉に卵をはりつけて産みます(写真4).幼虫は,池の底で泥をかぶって生活しています.池の底をなでるようにしてあみを動かすと採れます.終齢幼虫は,だいたい一年中採れます.

コフキトンボの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.水面にたおれた植物の茎や葉の上に卵をはりつけるようにして,産みつけます.