トップ写真の解説
ハッチョウトンボは珍種とされることが多いのですが,かつては結構あちこちで見られるトンボでした.その後の減少は湿地の乾燥化や消失によることが多いと思います.最近では見られるところはかなり限られています.産卵は正午ころ行われることが多いようです.写真は産卵に来たメスが,これから打水しようと構えている瞬間です.産卵途中にはよく止まることがあります.
連続打水産卵するメス.2018.6.24.
成虫
兵庫県南部地方では,ハッチョウトンボは5月下旬ころから羽化を始めます.羽化は午前中に行われることが多いです.わずか8mmほどの幼虫から2cmたらずの成虫が出てきます.羽化の最初のピークが終わった6月中旬ころに,生息地では個体数が最も多くなるようです.そのころの生息地では,成熟段階の異なる個体が混じっています.メスは目立った体色変化が見られませんが,オスは羽化直後は黄褐色で,次第にサンランボ色になり,成熟して真っ赤になります.成熟直前のオスは,まだ尾部付属器の部分が白いので,それと分かります.
もちろん真夏にもその姿は見られます.日当たりのよい湿地にいるハッチョウトンボのオスは,真夏の強い日差しの下で,しばしば腹部を太陽を指す方向に向けて静止しています.これは,太陽から受ける熱の量を少しでも少なくし,体温上昇を防ぐためだという説があります.オスはそんな暑い日も,陣取った場所の周辺パトロールを欠かしません.オスはメスを見つけると捕まえて交尾します.交尾時間は短く1分と続きません.交尾が終わるとメスは単独打水産卵を始めます.オスはすぐ近くに止まりメスの産卵を警護します.そんな繁殖活動を繰り返しながら,だいたい夏が終わるころには姿を消します.
もちろん真夏にもその姿は見られます.日当たりのよい湿地にいるハッチョウトンボのオスは,真夏の強い日差しの下で,しばしば腹部を太陽を指す方向に向けて静止しています.これは,太陽から受ける熱の量を少しでも少なくし,体温上昇を防ぐためだという説があります.オスはそんな暑い日も,陣取った場所の周辺パトロールを欠かしません.オスはメスを見つけると捕まえて交尾します.交尾時間は短く1分と続きません.交尾が終わるとメスは単独打水産卵を始めます.オスはすぐ近くに止まりメスの産卵を警護します.そんな繁殖活動を繰り返しながら,だいたい夏が終わるころには姿を消します.
交尾.2010.7.4.