トップ写真の解説
ショウジョウトンボの産卵は,いわゆるふつうの打水産卵ですが,すばしこく,あちこち移動しながら打水するので,カメラでは非常にとらえにくい相手です.1/1650秒でシャッターを切っても翅の動きは止まりません.打水あとの水が深くえぐれているので,腹部をかなり深く水に浸けているのが分かります.交尾は産卵にやって来たメスを捕らえて,すばしこく飛びながらわずが2,3秒で終わります.下の写真は,そういう意味で奇跡的に撮れた写真です.
単独打水産卵.2021.7.27.
成虫
成虫は5月ころから姿を見ることができますが,春一番というほど早くには出現しません.その後初夏のころに個体数が増加し,秋まで見られます.秋には新鮮な個体が見られることがあって,一年二化している可能性があります.産卵は単独打水産卵です.
飛翔しながらの交尾.2021.6.10.
幼虫
最近はショウジョウトンボの幼虫も採れにくくなりました.よく似た色や形態のアカネ属幼虫が多いのですが,背棘がないので比較的区別は容易です.小型の幼虫は,うっかりしていると,シオカラトンボとも見間違えることがあるので注意が必要です.頭部がどちらかといえば逆三角形なのでそこを見るとよいでしょう.ふつう,沈水植物の間などに潜っています.
スタジオ写真.2011.6.11.