トップ写真の解説
ウスバキトンボが連結打水産卵をしているところです.動きが速く,ストロークも大きいので,打水の瞬間どころかフレーム内にとらえることさえほとんどできません.ほとんど目くらめっぽうでシャッターを切ってやっと撮れたタンデムのペアの飛翔写真です.浅い泥の水たまりに打水して産卵をしていました.
産卵中のタンデムペア.2014.7.27.
成虫
ウスバキトンボは熱帯から温帯にかけて,ほぼ世界中に分布するといっていいでしょう.いわゆるコスモポリタン種です.海洋を越えるほど,非常に長距離を飛び渡ります.沖ノ鳥島で採れた標本をいただいたことがあります.ご存じの通りこの島は海洋に浮かぶ岩礁であって,トンボの住むような環境ではありません.世界を股にかけて生活しているウスバキトンボに関する詳細は,トンボの生態学のページに記載しましたので是非ご覧ください.
交尾は写真のように空中で飛びながら行われます.交尾中は他のトンボのように敏捷に飛ばず,ふわふわした感じで飛んでいますが,これは交尾飛翔中メスが羽ばたいていないからのようです.産卵様式は,単独打水産卵または連結打水産卵です.毎年4月下旬頃に南方より飛来した成虫が見られ,それらが産卵して,2世代目,3世代目,そして一部は4世代目くらいまで続いているかも知れません.夏の甲子園球場で,アナウンサーが「アキアカネが飛んでいる」という実況が時々ありますが,たいていは本種です.
交尾は写真のように空中で飛びながら行われます.交尾中は他のトンボのように敏捷に飛ばず,ふわふわした感じで飛んでいますが,これは交尾飛翔中メスが羽ばたいていないからのようです.産卵様式は,単独打水産卵または連結打水産卵です.毎年4月下旬頃に南方より飛来した成虫が見られ,それらが産卵して,2世代目,3世代目,そして一部は4世代目くらいまで続いているかも知れません.夏の甲子園球場で,アナウンサーが「アキアカネが飛んでいる」という実況が時々ありますが,たいていは本種です.
交尾.2014.7.27.
幼虫
ウスバキトンボの幼虫は,成虫ほどたくさん見つかりません.しかし群生していることが多く,見つけた場所には多数がいることがふつうです.これは10月の末に見つけた幼虫であって,羽化しても成虫はおそらく死に絶えるでしょう.これを採集した日には1頭処女飛行に飛び立つのを見ています.外から見える位置に背棘が無く,独特の形なので,他種と見間違えることはあまりないと思われます.卵は短期間で孵化し,幼虫の成長も極めて速いです.幼虫は,兵庫県では,冬を越すことができないと思われます.
スタジオ写真.2011.10.29.