H052. コサナエ Trigomphus melampus
<特ちょう>
コサナエはサナエトンボ型の幼虫です.腹部の一番先の第10節が細長くのびているのが特ちょうです.前あしと中あし(
脛節:けいせつとよばれる部分の先)の外側には小さなとげが出ています.腹の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第6−9節にあります.また小さなとげ(
背棘:はいきょく)は,腹部の第7−9節にありますが,ほとんど目立ちません.
触角(しょっかく)は棒のような形をしていて,はば広くありません.
翅芽(しが)は開かずまっすぐ後ろにのびています.
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写真2.腹部の第6−9節に側棘があり,背棘は目立ちません. |
写真3.触角は棒のような形で,翅芽はまっすぐ後ろに伸びます. |
<よくにた幼虫との区別>
コサナエによくにた幼虫に,
オグマサナエ,
フタスジサナエ,
タベサナエがいます.まずコサナエは,兵庫県では北の方にしか住んでいませんので,兵庫県の中ほどや南の方で見つけた幼虫はたいていコサナエではありません.また逆に,兵庫県の北の方にはコサナエしかいませんので,写真1ににた幼虫がとれたら,たぶんそれはコサナエでしょう.
タベサナエにははっきりとした背中のとげ(
背棘)がたくさんあるので,コサナエとの区別はかんたんです.写真4のように,腹部の第10節は
オグマサナエよりも
フタスジサナエよりも短いです.
<さがす場所のヒント>
コサナエは池の住人です.草が生えた岸辺で,空中から卵をばらまきます.山の中や林の中にあって,池のまわりに木や草が生えていて,落ち葉などが底にたまっているような池が好きです.池の底の落ち葉の下や泥(どろ)の中にもぐって生活しています.兵庫県の北の方の池で見つかりますが,どこにでもいるというわけではありません.成虫が飛んでいる池ならば見つかるでしょう.
写真5.植物がたくさん生えている池の岸で,空中から卵を産んでいるコサナエのメス..