H019. モートンイトトンボ Mortonagrion selenion
<特ちょう>
モートンイトトンボはイトトンボ型の幼虫です.とても小さい幼虫で,
尾さいをふくめた全長が15mmほどしかありません.体は,表面がすべすべしていて,やわらかい感じです.
尾さいは細く,先がとがっています.
尾さいには,はっきりとした模様はありません.一番の特ちょうは,写真2のように,頭の後ろ角がとがっていることです.
<よく似た幼虫との区別>
モートンイトトンボは,
ヒヌマイトトンボと似ています.
ヒヌマイトトンボは,モートンイトトンボのように頭の後ろ角が,とがっていません.また,モートンイトトンボの頭のはばは,後ろの方へいっても,せまくなりません(写真2上)が,
ヒヌマイトトンボは,このはばがせまくなります.さらに,
ヒヌマイトトンボの
尾さいには,先のほうに,いくつかの茶色のはん点があります(写真3)が,モートンイトトンボにはありません..
<さがす場所のヒント>
モートンイトトンボは湿地(しっち)の住人です.イネを作らなくなった水田に,水がたまっていると,そこに集まっていることがあります.また,イネを作っている水田の横のみぞで,生活しているときもあります.植物の茎(くき)や葉に卵を産みつけますので,植物が多いところを好みます.写真4は,イネを作らなくなった水田に水がたまり,そこ生えている植物に産卵するメスです.
終齢幼虫を採るなら,4,5月が適しています.幼虫は,湿地の泥(どろ)の中にもぐりこんで生活しています.
写真4.イネを作らなくなった水田に水がたまり,そこ生えている植物に産卵するメス.