兵庫県の幼虫ガイド
H032. ヤブヤンマ Indaeschna melanictera
ヤブヤンマ終齢幼虫
写真1.ヤブヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長45mm前後.2011.6.12.
<特ちょう>
 ヤンマ型をした幼虫です.羽化が近くなってくると,写真1のようにあざやかな色になります.あしも白黒のまだらがはっきりとしています.もう少し若いときは灰色っぽい色をしています.ヤブヤンマには背中のとげ(背棘:はいきょく)はありません.写真3のように,腹の横の部分にはとげ(側棘:そっきょく)があります.下唇側片(かしんそくへん)の先のはばが広いのが特ちょうです.裏返して下唇側片を見ればだいたい見当がつきます.

ヤブヤンマのはいきょく ヤブヤンマのそっきょく
写真2.ヤブヤンマの下唇側片の先のはばは広い. 写真3.ヤブヤンマの横のとげ.第6〜9節にあります.


<よく似た幼虫との区別>
 カトリヤンマ下唇側片の先のはばが広いですが,カトリヤンマには下唇側片の内がわには毛が生えています.ヤブヤンマには毛がありません.


<さがす場所のヒント>
 ヤブヤンマは林の中の小さな水たまりや,木々におおわれた小さな池などに住んでいます.下の写真のように,そういった池や水たまりの近くの地面に卵を産みます.5,6月ころに,うす暗い山道や林の中に水がたまっていて,落ち葉などが底にしずんでいるようなところがあれば,あみですくってみるとよいでしょう.ヤブヤンマの幼虫が入ることがあります.「へえ,こんなところにいるのか!」とおどろくかも知れません.

ヤブヤンマの産卵場所.
写真4.ヤブヤンマの産卵.ヤブヤンマは林の中の小さな池や水たまりの近くにある地面で卵を産みます.