H032. ヤブヤンマ Indaeschna melanictera
ヤブヤンマは文字通り「藪」の中で生活しているというのがぴったりです.盛夏の昼下り,セミの声がうるさい樹林の中にある小さな水たまりのほとりで,オスはメスが産卵にやってくるのを待ちます.メスはそんなオスを気にも留めず,産卵にやってきます.あちこち移動しながら1時間近く産卵を続けます.多くが土の中に卵を埋め込むようです.腹部先端で土の状態を探るようにして,卵にとって一番いい場所を選んで産卵管を突き立てます.これを見ていると,産卵というのはメスの偉大な事業なのだということが分かります.樹林の中で静止しているオスは,時々メスを見つけます.そしてメスに交尾を挑もうとしますがたいがいは失敗します.